読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン6」第8話「レイン・キング」

ドラマ


X-ファイル シーズン6 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン6 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン6の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン6」あらすじ・感想まとめ

第8話 レイン・キング THE RAIN KING

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
EP8 レイン・キング
日照りが続くクロナーの町の市長が、故意に雨をとめている男がいる、とモルダーに訴えた。市長の話に興味を示したモルダーは、早速クロナーへ飛ぶ。雨をとめている男とは?

 お題は「超能力(気象操作)」。


 モルダーとスカリーはカンザス州の田舎町クロナーの市長の要請で現地に赴くが、市長から最近の日照りはダリル・ムーツという男が引き起こしているので何とかして欲しいと頼まれる。ダリルは「雨乞い師」で、自分が儲ける為、町に雨が降らないようにしているのだという。スカリーは呆れ返るが、モルダーはこの町は過去30年間異常気象が頻発している事を知り、調査を始める。

 ダリルは「レイン・キング」を自称しており、半年前自動車事故で片足を無くして以来能力に目覚めたらしく、モルダーたちの前で妙な儀式をするとすぐに雨を降らせてみせる。そのあとモルダーたちの前にシーラという女性が現われ、自分が異常気象の原因だと言い出す。彼女は、人生の節目(高校の卒業式や結婚式など)には必ず異常気象が発生すると訴えるが、当然モルダーたちは思い違いだと取り合わない。

 やがてモルダーはシーラに片思いしている気象予報士ホーマンこそが異常気象の原因だと気がつく。ホーマンの喜怒哀楽の感情が街の天気に影響しており、シーラへの気持ちが募りすぎて雨が降らないらしい。また知人のダリルが片足になったのを哀れに思った気持ちが、ダリルの周囲で雨を降らせていたようだった。モルダーはホーマンに恋愛指南をして、高校の同窓会の夜にシーラに告白させ、二人をくっつける。一年後二人の間には子供が生まれ、幸せそうだった。


監督 キム・マナーズ
脚本 ジェフリー・ベル(初参加)


感想

 評価は△。


 モルダーが片思いに悩む地味な男性の恋愛を応援して、ハッピーエンドまで導いてあげるロマンティックコメディー話。つまり「これのどこがX-ファイルなのか?」というエピソードで、当然評価は低めである。


 劇中、モルダーの目の前で、牧場に飼われている牛が竜巻に吸い上げられ、空中へと飛び上がっていくシーンが有り、カンザス州が舞台で、竜巻に吸い上げられる、と来れば、当然「オズの魔法使い」を連想するが、実際このエピソードは「オズの魔法使い」のX-ファイル版、というスタンスで作られたらしい。新顔シナリオライターのジェフリー・ベルは、既に番組を5シーズンも放送して、シナリオの新しいアイデア探しに苦労したので、童話をベースにして話をひねり出したとのことである。そのおかげで、今回は、X-ファイルらしさの欠片もない話となってしまっており、かつてのUFOや未知の生物と真っ向対決してきたX-ファイルを知る者にとってはとまどってしまう話となっていた。


 また、今回の話は、ホーマンとシーラのラブストーリーであるだけでなく、ファン待望(?)のモルダーとスカリーの恋愛に踏み込んだ話にもなっている。例えば、

・市長がモルダーとスカリーを出迎えて、スカリーをモルダー夫人だと誤解する

・ホーマンがモルダーとの会話で、モルダーがスカリーを一度も口説いたことが無いと知って驚くと、モルダーが「スカリーとは友達でいいよ」と言う

・スカリーがシーラにホーマンとくっつくようにアドバイスすると、シーラはスカリーがモルダーを取られそうになって嫉妬していると受け取る

 など、二人の仲について気を持たせるような台詞が多々見られる。もっとも、こちらとしてはX-ファイルに恋愛要素など少しも求めていないので、無駄な場面しか思えなかったわけでは有るが。


 最後、シーラがホーマンとの子供をあやしていると、窓の外には虹がかかっていて、BGMは「オーバー・ザ・レインボー」だというあたり、もうこれがX-ファイルなのだかキッズ向けの甘いドラマなのだか解らなくなるようなオチだった。こんなX-ファイルなど見たくも無かった、というのが正直なところである。


 ところで、現在モルダーとスカリーはX-ファイルの仕事から外されていて、超常系の仕事に手を出そうとしてはカーシュ副長官に叱責されているはずなのだが、どういう名目でこのカンザスへの出張をパスしたのか気になるところである。それともまたFBI本部に戻ってから自腹を切らされるのだろうか。