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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン6」第15話「スイート・ホーム」

ドラマ


X-ファイル シーズン6 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン6 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン6の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン6」あらすじ・感想まとめ

第15話 スイート・ホーム ARCADIA

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
EP15 スイート・ホーム
カリフォルニア州の住宅地"理想郷・アルカディア"で、過去に3組のカップルが失踪した。モルダーとスカリーはカップルを装い、潜入捜査を開始。そこで、ある事に気付く。

 お題は「魔術で作られた怪物」。


 モルダーとスカリーは、「ピトリー夫妻」と名乗って、カリフォルニア・サンディエゴの住宅地「アルカディア(理想郷)」に引っ越す。この街は州内でも環境が良い事で有名だったが、同時に1991年以降3組の居住者が突然手がかりも無く失踪する事件が発生していた(※この回の放送は1999年3月)。二人は失踪事件の捜査のため、潜入捜査官としてやって来たのだった。

 この街の住民はやたらと友好的だったが、同時に住民組合会長のゴゴラックの定めた、異常に細かい規則に病的にこだわっていた。モルダーはわざと規則を破って様子を見るが、すぐに規則を守れという匿名の脅迫状が届く。やがてモルダーは街では夜に人型の何かが徘徊しており、また各々の家の芝生の下にはその何かが通るための溝が掘られている事に気がつく。

 モルダーはゴゴラックの家に乗り込み、ゴゴラックがチベットの魔法で偶像に命を吹き込んで怪物「タルパ」を作り、気に食わない住民を殺害していたと糾弾する。ゴゴラックは住民に規則を守らせるためタルパを生み出したが、彼自身にもタルパがコントロールできない状態になっていた。それでもゴゴラックは、殺したい相手の家に細工してわざと規則を破らせ、タルパに住民を殺させていたのだった。ゴゴラックはそんな推理に証拠は無いと開き直るが、自身がタルパに襲われて殺されてしまい、直後タルパも崩れ落ちてただのドロになってしまう。事件後、アルカディアの住民は全員何も知らないとシラを切りとおし、事件の真相は闇の中に葬られてしまった。


監督 マイケル・ワトキンス
脚本 ダニエル・アーキン(初登場)


感想

 評価は△。


 モルダーとスカリーが夫婦を装って、奇怪な事件が続く街に乗り込み潜入捜査を行なう、という一種のスパイ物的なエピソード。そのため、「二人の家が住民に包囲され危機に陥る」といった系統のサスペンス要素を期待していたが、実際は盛り上がりに欠ける退屈なエピソードだった。


 住人たちが異様に規則を守ることに固執し、また住民組合会長のゴゴラックを怖れているので、「トワイライトゾーン」のあるエピソードの様に、ゴゴラックが魔術的な力で住民たちを押さえつけて、街を思うがままに支配している、と予想したのだが、真相は全然違っていて拍子抜けしてしまった。

 今回登場したチベット魔術発のモンスター「タルパ」は、画面ではよく見えないものの、もっさりした人型の泥の固まり、といった物で、大して怖さを感じない。確かにこんな物が夜中に暗がりから現われたり家の中に入ってきたらそれなりに怖いだろうが、真正面から立ち向かわず、全力疾走で逃げ出せばとても追いつけるとは思えない。またゴゴラックの命令で人を殺して回っているのかと思いきや、ゴゴラック自身もコントロールできておらず、勝手に夜中に徘徊するのをどうにも出来ない、という実情はかなりバカみたいである。

 またこのエピソードは展開がかなり雑で、謎が解明されないまま延々と引っ張った末に、時間が残り5分くらいになった辺りで、いきなりモルダーがゴゴラックに「お前が黒幕で、実行犯は魔法の偶像タルパだ!」と弾劾を始めたのには唖然としてしまった。そのタルパという言葉はどこから来たのか、と言いたくなる急展開である。もっときちんと順序を踏んで、手がかりを色々見つけてからこういう結論にたどり着くべきで、視聴者として置いて行かれた感が物凄かった。シナリオのダニエル・アーキンは、この話がシリーズ初参加なのだが、もうちょっとなんとかならなかったのだろうか。

 また、モルダーは以前失踪人が出た家を借りた後、天井扇の羽に血らしき物がついているのを発見し、分析してもらう。これが血なら事件の手がかりになるのだが゛、調べてみると血を偽装したニセの手がかりだった、という展開もなんだったのか意味不明である。街の誰かがニセの手がかりを残したとしても、何の得もないし、またこの偽血痕はこの後のストーリーと全く繋がっていない。まったくもってライターの意図が解らない伏線だった。


 今回のエピソードの唯一の面白みは、モルダーとスカリーの夫婦ゴッコだろう。モルダーがスカリーをやたらと「ハニー」と連呼したりとか、ベッドに横たわったモルダーがスカリーを誘うように側をポンポンと叩いたりとか、スカリーが顔に緑のパックをしているのを見てモルダーがうわと驚くシーンとか、モルダーが夫婦の馴れ初めを聞かれて「UFOファンの集まりで知り合った」と適当に返事してみたりとか、その辺りだけはコミカルで面白かった。