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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン6」第16話「絶滅種」


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■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン6 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン6の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン6」あらすじ・感想まとめ

第16話 絶滅種 ALPHA

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
EP16 絶滅種
貨物船から2人の船員が姿を消し、犬の入っていた貨物の中から噛み殺された状態で発見される。そこには外からカギがかかっていたにも関わらず、犬が行方不明になっていた。

 お題は「犬憑き」。


 中国からやって来た貨物船で、二人の船員が犬の檻の中で噛まれて死んでおり、檻の中にいたはずの犬は消えうせていた。モルダーはネットで知り合った犬の専門家カリン・バークイストからこの事件の事を知らされ、スカリーと共に調査を始める。犬の持ち主のUMA研究家テッドワイラー博士によれば、消えたのは「ワンシャンドール」という、150年前に絶滅したと思われていた種類の犬だという。

 モルダーたちは犬の捜索をするものの、ドールは神出鬼没で全く捕まらないまま、次々と人間を襲って殺していく。やがてモルダーは、ドールがテッドワイラー自身が変身した姿だと気がつく。テッドワイラーは、昼間は人間だが、夜は自分でも止められないままドールの姿になってしまい、殺戮を続けていたのだった。

 やがてドール(テッドワイラー)はカリンの家に侵入し、カリンを襲うが、窓際で待ち構えていたカリンはドールを道連れに地面に落下し、カリンもテッドワイラーも死んだ。事件後、カリンからモルダーに郵便が届き、その中には「I WANT TO BELIEVE」のポスターが入っていた。


監督 ピーター・マークル
脚本 ジェフリー・ベル


感想

 評価は×。


 人狼などの人間が動物に変身する「××憑き」テーマのエピソードだが、お粗末なストーリーの失敗作。シナリオは第8話「レイン・キング」を書いたジェフリー・ベルで、またしても低品質のエピソードとなった。


 中盤までの、不可思議な力を持つ犬が人間を襲って殺しまくる、という辺りまではそれなりにまともなのだが、犬の正体がテッドワイラーだと判明した時点で、話がおかしくなって来る。テッドワイラーは、夜は犬の姿だが昼間は人間なのだから、貨物船の檻の中で昼間は人間の格好(しかも裸)でいたということになり、そんなバカなという事になる。またテッドワイラー自身が檻に閉じ込められているのだから、アメリカについても犬を引き取りに来る人間はいないことになってしまう。「実はテッドワイラー自身が犬だった!」と視聴者を驚かそうとしたのは良いが、そのおかげで前半とつじつまが合わなくなってしまっている。

 また、ワンシャンドールは150年前に絶滅したはずなのに、それ以降何がどうなってテッドワイラーが犬憑きになったのか、という部分の説明が全く無い。投げっぱなしにもほどが有るだろう。

 ゲストキャラのカリン・バークイストも、殆ど活用されていない。モルダーに好意を持っているという事になっていたが、その事実はスカリーが口で説明してくれるまでまるで気がつけなかった。こういうことは台詞による説明では無く、画面を見ているだけで自然に理解できるようになっていないといけないのに、タダの偏屈な犬好きの女性にしか見えなかった。

 そして何より問題なのは結末だろう。カリンがワンシャンドールを自宅におびき寄せ、二階から共に落下してカリンもドールも死亡してのやりきれない結末……、という事になったが、そもそも何故ワンシャンドール(テッドワイラー)はカリンを襲いに行ったのか? また何故カリンはわざわざドールを自宅におびき寄せ、それでいて銃を使うのを止め、ドールと共に二階から落ちて死ぬ事を選んだのか? という重要な二点について全く説明が無い。もう支離滅裂というしかないのではないか。


 中盤まではそれなりにまともだとは書いたものの、ドールが人間を殺す理由については全く解らなかった。本能のままに無差別に殺しているのかと思いきや、自分を捜査しているカーンを車の中で襲っているのだから、まるで無計画だったとも考えられない。一体どういう行動原理で動いていたのか謎過ぎる。また、セントバーナードに化けていたドールが元の姿に変身するシーンは、怪異というより爆笑物だった。確かに犬と人間の両方を行き来出来るなら、他の犬に化けるのも理論的には可能かもしれないが、セントバーナードに化ける魔犬とは……、という妙な笑いが込み上げてしまった。


 結局、話のつじつまあわせもろくに出来ていない三流ストーリーで、失望甚だしかった。ところでサブタイトルの「ALPHA」とはどういう意味なのだろうか……