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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン6」第19話「アンナチュラル」


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■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン6 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン6の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン6」あらすじ・感想まとめ

第19話 アンナチュラル THE UNNATURAL

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
EP19 アンナチュラル
黒人差別が激しかった40年代後半、ロズウェルに1人の偉大な黒人野球選手が現れた。活躍する黒人は差別主義者のターゲットになりやすく、警察はある警官を警護につけた。

 お題は「異星人」。


 とある土曜日、モルダーは趣味で1940年代のニューメキシコ州の古新聞を調べていたが、1947年の新聞に、エイリアンの殺し屋「バウンティ・ハンター」が写っているのを発見する。また写真のキャプションには、知り合いの元FBI捜査官「アーサー・デールズ」の名前があったため、事情を聞こうとデールズの家に押しかける。するとデールズはフロリダに引っ越したあとで、代わりに彼の弟で同名の「アーサー・デールズ」が住んでおり、その写真は自分だというので話を聞くことにした。


 1947年。野球の独立リーグ(多分)では、黒人の強打者ジョシュ・エックスリーが大活躍していたが、それを憎憎しく思う人種差別主義者から脅迫状が届いていた。ロズウェル警察に勤務していた若き日のアーサー・デールズは、エックスリーの護衛のため野球チームに帯同することになった。

 やがてデールズは、ジョシュが人間では無くエイリアンだという事を知る。ジョシュは地球に来て野球というゲームを知ってほれ込んでしまい、仲間から離れて人間社会に入り込み、野球選手になったのだった。黒人選手に化けたのは、黒人は大リーグにスカウトされる事はないので、人目につかず好きなだけ野球が出来るからだった。デールズはジョシュの秘密を守るが、やがてジョシュの正体がバレ、殺し屋バウンティ・ハンターや政府の役人たちがジョシュに迫る。ジョシュは逃げるものの、結局バウンティ・ハンターに殺され、デールズの見守る下で息絶える。


 その夜。モルダーはスカリーを野球場に呼び出し、誕生日のプレゼントだといってスイングの方法をレクチャーする。


監督 デビッド・ドゥカヴニー
脚本 デビッド・ドゥカヴニー


感想

 評価は○。


 モルダー役のデビッド・ドゥカヴニーが初めて(単独で)脚本を書き、さらに初めて監督を担当した作品。どんな一人よがり作品になるのかと思いきや、意外にも面白く視聴できた。内容は、X-ファイルの王道のエイリアン話に、アメリカ人の大好きな野球を絡めた、シリアスさのない一種のおとぎ話で、シーズン6から頻発するようになったスタッフのお遊びエピソードの一つと言えるが、質はなかなかのもので、結構楽しめた。


 モルダーが他人に大昔の話を聞くという形で、はるか過去のX-ファイル系エピソードが回想形式で描かれる、という手法は、シーズン5・第15話「旅人」と全く同じ構成である。ただし話の語り手は「旅人」と同じ『アーサー・デールズ』という人物では有るが、前回のデールズの同名の弟という設定になっている。何故こんな妙な形になったかというと、当初はデールズ役には「旅人」や、13話「アグア・マラ」でデールズ役を務めたダレン・マクギャビンがキャスティングされていたが、撮影途中に脳卒中で倒れてしまったため、代わりに同姓同名の弟が登場する、という形に修正されたらしい(弟デールズはM・エメット・ウォルシュが演じた)。

 ちなみに、モルダーは兄デールズを訪ねていって、今は兄はフロリダにいると聞かされて驚いているが、この展開は13話「アグア・マラ」と矛盾する。時系列的には「アグア・マラ」より前の話という事なのかもしれない。


 若い頃のデールズを演じるのは、「旅人」でもやはり若いデールズ(兄)を演じたフレデリック・レーンで、精悍な顔つきが実に格好良い。


 今回、エックスリーを殺しに来るエイリアンの殺し屋(バウンティ・ハンター)は、シーズン5・第14話「赤と黒」以来の登場となったが、まさかバウンティ・ハンターが野球のボールを頭にぶつけられて失神する、というようなマヌケな姿を披露する日が来るとは思わなかった。それと、今回のエピソードは一種の番外編では有るが、コロニストの「素顔」が驚くほどはっきり描かれた初のエピソードとなった。またコロニストが、基本的には「グレイ」型であり、さらに顔つきどころか、体のサイズから何からを自在に変化させられることも描かれた。過去にバウンティ・ハンターがちょいちょい顔を変えているので、基本的には人間タイプで顔を変化させられる変装能力の持ち主だと思っていたのだが、あの地球人ぽい体も全て変身だったわけである。今までコロニストと呼ばれる宇宙生物は、グレイ型と人型(首の付け根が弱点)の二種類いるのでどっちが正解なのかと悩んでいたのだが、同じ存在だったわけである。


 それにしても、「宇宙人が野球を好きになる話」というとんでもないネタで大真面目に一本制作してしまうとは、アメリカ人はどれだけ野球が好きなのかと言いたくなる。


 サブタイトル「アンナチュラル」は、ロバート・レッドフォードが主演した、強打者が主役の野球映画「ナチュラル」(1984年)から来ているのだろうか?


一言メモ

 冒頭にモルダーが1940年代のニューメキシコの新聞を調べている場面がある。これは1947年にニューメキシコロズウェルで、宇宙人の円盤が墜落したという「ロズウェル事件」が起っているからで、モルダーはそれについての新事実を発掘しようとしていたのである。