感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン6」第20話「荒野の三人」


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■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン6 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン6の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン6」あらすじ・感想まとめ

第20話 荒野の三人 THREE OF A KIND

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s6/
EP20 荒野の三人
軍需産業の実態を暴こうとしている活動家3人が、国防大会が開かれるラスベガスのホテルにやってくる。しかしそのうちの1人、バイヤーズにはもう1つ、他の目的があった。

 お題は「政府の陰謀」。


 シーズン5・第3話「アンユージュアル・サスペクツ」の続編。

 ローン・ガンメンの三人は、ラスベガスのホテルで開催される「国防大会 '99」で兵器会社から機密情報を盗み出そうと、周囲をかぎまわっていた(※このエピソードの放送は1999年5月)。そんな時、バイヤーズは10年前の1989年に政府のエージェントに拉致され、以後行方知れずだったスザンヌ・モデスキーと再会する。

 スザンヌは政府に拉致された後、また兵器研究を強要されていたが、同僚のグラント・エリスが信頼できる人物だとわかり、今は彼と婚約していた。そして政府の研究に協力するふりをして、ラスベガスから二人で脱走する計画を立てていた。

 ローン・ガンメンはモルダーのふりをしてスカリーをラスベガスに呼び寄せ、協力を求める。やがてスザンヌが開発し試作段階にある、暗示をかける薬品「AH」が殺人に使用されたことが判明、グラントも実は政府の言いなりでスザンヌを見張っていただけだと解る。やがてCIAエージェントはグラントを殺害、さらにスザンヌやローン・ガンメンたちも殺そうとするが、バイヤーズがCIAエージェントにAHを打って昏倒させる。バイヤーズたちはCIAエージェントに暗示をかけ、グラントとスザンヌを殺したと警察に自首させる。さらにスザンヌのデータを全て書き換えて死んだことにした後、全く別の身分を用意して彼女を送り出した。


監督 ブライアン・スパイサー
脚本 ヴィンス・ギリガン&ジョン・シバン


感想

 評価は○。


 普段はモルダーのサポート役(?)を務めるローン・ガンメンの三人が主役を張るエピソード。三人組の活躍話はシーズン5・第3話「アンユージュアル・サスペクツ」以来だが、今回はまさに「アンユージュアル〜」の続編となっている。三人組が盗撮やらのスパイまがいの活動をしたり、ラングリーが銃を持つシーンが有ったり、CIA職員に銃を突きつけられたり、と、なかなか派手な話に仕上がっていて、それなりには面白いエピソードではあった。


 三人組の大活躍の代わりに、今回はモルダーが一秒も姿を見せず声だけでしか登場しないまま終わってしまう。実はモルダー役のデビッド・ドゥカヴニーは、この話の撮影時期には第19話「アンナチュラル」の監督の仕事で忙しくて出演できなかったため、声でしか登場しなかったとのこと。

 今回のエピソードは「アンユージュアル〜」に比べるとコメディ要素が薄く、「アンユージュアル〜」が「おかしな三人組の大冒険」といったコメディ調の雰囲気だったのに対し、今回は三人のオタク仲間が自殺に見せかけて殺されたり、暗殺に巻き込まれそうになったり、CIAエージェントに殺されそうになるなど、シリアス風味が強い展開で、ちょっと違和感が無くもなかった。この三人の話ならばもっととぼけた感じのエピソードの方が向いている様に思える。

 スカリーが薬を打たれておかしくなって尻軽状態になった際に男たちに取り囲まれるが、その際に第4話「ドリームランド Part1」、第5話「同 Part2」のゲストキャラのモリス・フレッチャーが登場している。「ドリームランド」二部作ではセクハラでスカリーの尻を叩いて嫌な顔をされていたが、今回は逆にスカリーに尻を叩かれる(しかも喜んでいる)のが、「ドリームランド」と対になっていてちょっと面白かった。


 全体として、絶賛するほどではなかったものの、フロハイキーがホテルの部屋に侵入したところを見つかりそうになって慌てたりとか、ラングリーがスザンヌを殺した、と思ったら全てお芝居だったとか、それなりには楽しいエピソードではあった。

一言メモ

 サブタイトル「THREE OF A KIND」とは、ポーカー用語で三枚のカードが揃った状態の事。日本では「スリーカード」というが、本場アメリカではこう呼ぶ。