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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン7」第1話「第六の絶滅 Part1」

ドラマ


X-ファイル シーズン7 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン7 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s7/
放送 Dlife。全22話。

【※以下ネタバレ】

FBIの科学捜査能力をもってしても真相究明できない未解決事件のレポート“X-ファイル”。モルダーとスカリーの2人が所属するX-ファイル課が、怪現象や闇の政府に立ち向かうミステリードラマ。前シーズンからモルダーが収監されたまま始まるシーズン7。一方スカリーはモルダーを救うため、アフリカへ謎の宇宙船の捜査へ向かう。モルダーは一体どうなってしまうのか。そして妹の誘拐事件に区切りをつけることはできるのか。

キャスト

【フォックス・モルダー捜査官】デイビッド・ドゥカブニー/小杉十郎太
【ダナ・スカリー捜査官】ジリアン・アンダーソン/相沢恵子


※シーズン7の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン7」あらすじ・感想まとめ


第1話 第六の絶滅 Part1 THE SIXTH EXTINCTION

あらすじ

スカリーはコートディヴアールにテントを張り、宇宙船の外板に刻まれた記号の解読に専念する。その間に数々の不思議な現象に見舞われるが、解読は徐々に進展を見せ始める。

 お題は「異星人」。

 シーズン6・第22話(最終回)「創世記」の続編。

 スカリーはアフリカ・コートディヴォアールの海岸で宇宙船の調査を行なうが、数々の怪現象に見舞われる。スカリーはそれを乗り越えて、宇宙船の外壁の文字を調べるが、そこに書かれていたのは聖書やコーランの一節、ヒトゲノムの情報、などだった。しかし、スカリーはついにこの事態に耐え切れなくなり、アメリカに戻る。

 一方、錯乱したかに見えたモルダーだったが、スキナーに助けを求め、マイケル・クリッチュガウ(シーズン4・第24話「ゲッセマネ」、シーズン5・第1話「帰還 Part1」、第2話「帰還 Part2」に登場)を呼び寄せる。クリッチュガウはモルダーが超能力に目覚めた状態だと看破し、CIAが超能力者に施していた治療法を試す。やがてモルダーは読心や未来予知に覚醒したことが判明するが、病院から連れ出そうとしたところをダイアナ・ファウリーに見つかり失敗に終わる。やがてスカリーが帰国するが、モルダーの現状に手の施しようが無かった。

 コートディヴォアールでは宇宙船が海岸から姿を消していた。続く。


監督 キム・マナーズ
脚本 クリス・カーター



感想

 評価は(ぎりぎりで)○。

 シーズン6の最終回(第22話)「創世記」で盛り上げまくった後の続きだったので期待していたのだが、内容が中だるみ気味で、正直いって期待はずれのエピソードだった。


 「創世記」のラストでスカリーが浜辺に墜落している宇宙船を発見するシーンは衝撃的だったが、その後の展開と言えば、宇宙船の外壁にコーランの一説やヒトゲノムの情報が書かれていると判明する、という程度で、既に前回サンドス教授が解明していた内容の焼き直しでしかなく、進展がほぼ皆無。またモルダーも、超能力に覚醒したことが解ったものの、結局病院で寝ていただけで、特に何をしたという訳でも無い。

 さらに前回は裏でこそこそ動き回っていたクライチェックが出てこないので、彼が何を企んでいたのかが宙ぶらりんのまま放置状態だったし、加えてクライチェックの言いなりだったスキナーが今回はそのことは無かったかのような立ち位置に戻っていて拍子抜けだし、とどめで死に瀕していたアルバート・ホスティーンはもう用無しなのか全く登場せず、と、前回盛り上がったテンションを維持できておらず、いかにも「次回への繋ぎ」といった感じのエピソードでしかなかった。つくづく残念である。

 今回は「ゲッセマネ」「帰還 Part1」「同 Part2」に登場したクリッチュガウが再登場し懐かしかった。もっとも、顔を見せるなりスキナーに「モルダーのせいで年金をもらう前に辞めさせられた」云々と愚痴っていたが、別にモルダーに巻き込まれた被害者という訳はもなく、自分の病気の息子を助けるために積極的にモルダーに協力したのだから、恨み言を言うのは筋違いだと思える。

 スカリーがコートディヴォアールの海岸で宇宙船を調べていると、怪現象(大量の虫がテントの中に出現する、妙な男が消えたり現われたりする、海が沸騰する、海が血の様に真っ赤になる、捕まえた小魚が生き返る、死者も生き返る)が次々と発生するが、これはもうSFではなく現地の人の言っていたとおり「祟り」とか「奇跡」のレベルのイベントである。まあ前回サンドス教授は「科学と宗教の融合」云々と口走っていたので、そういう意味を込めた怪現象なのかもしれないが、違和感バリバリではあった。それにしても、宇宙船の外壁に聖書やコーランやヒトゲノム情報が書いてある、とは、持ち主の宇宙人は何を考えていたのだろうか。

 スカリーは宇宙船に「ヒトゲノム」の情報が書かれているといって驚くが、ヒトゲノムとはヒトの染色体の遺伝情報(DNA配列)のこと、つまり人間の設計図の事である。ヒトゲノムは1990年代から解析が続けられていて、2003年には完全解明されたが、このエピソードの放送は1999年11月という事で、まだ絶賛解析中のテーマだった。という事で「ヒトゲノムの完全な情報が記されている」というのは今より遥かにショッキングな事実だったわけである。

 ところで前回「創世記」にも登場していた、アンチオカルトの急先鋒バーンズは、いきなりコートディヴォアールのスカリーのところに現われ、宇宙船の存在を認めたばかりか、研究を独占すると言い出す。その変心ぶりはまあ解らなくもないのだが、いきなり現地の人を斬り殺したあと、生き返った相手に逆に殺されておしまい、とは、この男の存在意義はなんだったのだろうか。バーンズがマクマレンを殺したのかどうかもはっきりせず、どうもこの男の扱いは雑すぎる。


 それにしても、聖書やコーランは宇宙人が起源、という設定は、宗教に縁の遠い視聴者には「ふーん」程度なのだが、その筋からは「宗教に対する冒涜だ」とか訴えられたりしなかったのだろうか、と妙に気にかかった。


一言メモ

 サブタイトル「第六の絶滅」とは、過去地球の生物は五回の大量絶滅を体験しており、現在は六度目の大絶滅期にある、という考え方からきている。過去五度の大量絶滅は以下の通り。

1回目 約4億4400万年前のオルドビス紀末=三葉虫やサンゴ類など全生物種の85%が絶滅
2回目 約3億7400万年前のデボン紀後期=海洋生物を中心に全生物の82%が絶滅
3回目 約2億5100万年前のペルム紀末=全生物の90%が絶滅
4回目 約2億年前の三畳紀末=全生物の80%が絶滅
5回目 約6600万年前の白亜紀末=恐竜が滅ぶなど、全生物の70%が絶滅