【ゲームブック】記事『「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来 』にゲームブックの明るい未来を見た


悪魔に魅せられし者 ドルアーガの塔 (幻想迷宮ゲームブック)

【特集】ゲームブックオワコンなのか ― 「ドルアーガの塔」を電子書籍化した幻想迷宮書店が語る今と未来 | インサイド
http://www.inside-games.jp/article/2016/05/06/98407.html

──「ドルアーガの塔」三部作のKindle化は、ゲームブックファンにとって大きな驚きであり、また朗報でした。それだけに、この展開を打ち出した“幻想迷宮書店”に興味を寄せている方々も多いので、その代表を務める酒井さんの経歴からお聞かせ願えるでしょうか。

酒井氏:私はかつて創土社に務めておりまして、そこで14年間編集をやってたんです。その時に「ソーサリー」や「ドルアーガの塔」、「グレイルクエスト」などのゲームブックを出しておりまして、その時の経験や縁などのおかげで、ゲームブックのクリエイターの方々とお付き合いがあったんです。


 ここを読んでひっくり返りましたよ。元創土社の酒井氏と言えば、二年ほど前までは創土社から発売されるゲームブックについて一手に引き受けていた的な人でしたから。それだけに、酒井氏が2014年7月に創土社退社をツイートで告知した(https://twitter.com/nolsem1/status/492217424226160640)時には、目の前が真っ暗になりまた。しかし、酒井氏がいつの間にか(?)またゲームブックの仕事に戻ってこられていると知って、こんな嬉しい事はありません。


 また酒井氏の立ち上げた「幻想迷宮書店」(会社というよりブランドという存在との事)は、今ゲームブックの電子化を進めているそうで、既に伝説級ゲームブックドルアーガの塔」三部作の電子版を発売しているのですが、その電子化するメリットについてのコメントがなかなか興味深かったです。

 紙のゲームブックでは「○○するなら、XX番へ進め」という風に、選択肢にはパラグラフ番号が付き物でしたが、電子版なら「○○するなら」という文章にリンクを埋め込む事でパラグラフ番号をなくすことが可能となります。それ自体は当たり前という感じですが、番号を無くすことで


・パラグラフ数から全体のボリュームを見切れなくなる
・「このパラグラフ番号の文章は前に読んだ」という判断がつかなくなる。つまり似ているけどまるで別の文章の可能性もある

 といった効果を出すことが出来、いつ終わるか予想が付かないというハラハラをかもし出せるとのことでした。


 まあ、正直に言えば、そういう電子化が進めば進むほど、それはもう「ゲームブック」という物では無くなり、「ノベルゲーム」と呼ぶものになってしまう、というモヤモヤした感覚もあります。しかしながら、『ゲームブック的な面白さを提供してくれる物ならば、もう呼び方にはこだわるまい』と大きな気持ちで受け入れるべきなのでしょうね。


 以前積極的にゲームブックアプリを発売していた「iGamebook」が近年撤退してしまったりと、このマイナーなジャンルはあまり良いニュースが無かったのですが、酒井氏の活躍でまた少し希望の火が点ったような気がします。新作の持ち込みもあったとのことですし、そういう物を電子書籍でバンバン発売してもらえれば嬉しいですよね。


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