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感想:映画「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」(2015年:イギリス)

映画


Sherlock The Abominable Bride シャーロック 忌まわしき花嫁

映画|NHK BSオンライン http://www.nhk.or.jp/bs/t_cinema/
放送 NHK BSプレミアム 2016年5月9日(月)

【※以下ネタバレ】

B・カンバーバッチ演じる名探偵シャーロック・ホームズと、M・フリーマン演じる相棒ジョン・ワトソンの名コンビが21世紀で活躍する大ヒットTVドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』シリーズの特別編。今回の舞台は1895年のロンドン。花嫁姿の女性が銃を乱射し、自ら命を絶った。しかし、その数時間後、死んだはずのその女性が幽霊のように現れ、夫を銃殺してしまう…。奇妙な事件にシャーロックたちが挑む。

あらすじ

 19世紀末。シャーロック・ホームズの元にレストレード警部がある奇怪な事件を持ち込んでくる。白昼、エミリア・リコレッティという女性が花嫁姿で往来で銃を乱射した後、頭を吹き飛ばして自殺したという。にもかかわらず、その日の夜に生きたエミリアが現われて夫を射殺したというのだ。ホームズは亡霊などはいないと断言するものの、事件は謎のままとなる。

 その後、「エミリアの亡霊」が夫を殺すという事件が立て続けに発生する。さらに貴族の妻レディ・カーマイケルからの依頼で、夫サー・ユースタスの周りに花嫁姿の人物がうろつきまわり夫が怯えているので守って欲しいと頼まれる。ホームズたちは亡霊を待ち受けるが、力及ばずサー・ユースタスは殺されてしまった。

 次の瞬間ホームズは目覚める。実は現実はTVドラマ版シーズン3・第3話「最後の誓い  His Last Vow」の終了直後の場面で、ホームズはモリアーティが生き返ったというニュースを聞き、100年以上前に起きた「死者が復活したという未解決のエミリア・リコレッティ事件」を脳内世界で推理していたのだった。ホームズは再び脳内の19世紀末に戻る。

 ホームズはついに事件の真相を見抜く。エミリアは最初死んだふりをしただけで、仲間が良く似た人物の死体を現場に置いていた。そしてその日の夜に夫を撃ち殺した後、本当に頭を吹き飛ばして死に、その死体を仲間が安置所のニセの死体とすり替えたのだった。その「仲間」というのは、当時の虐げられていた女性たちの集まりだった。参政権もなくただ夫に従う事しか許されない女性たちが、大同団結して横暴な夫たちに復讐していたのだった。そしてこの女性たちのリーダーはレディ・カーマイケルで、夫がアメリカにいた頃付き合っていたエミリアを捨てたことを知り、罰を与えたのだった。

 その後脳内世界のライヘンバッハの滝で、ホームズはワトソンとコンビでモリアーティを滝から突き落として大勝利した。

 21世紀の現実世界。イギリスに戻ったホームズは「モリアーティは死んでいる。しかしやつが今度やる事は解る」とか言ってワトソンたちと共にどこかに向かった。

 エピローグ。19世紀のホームズとワトソンが「今度の事件は『忌まわしき花嫁』というタイトルにして発表しよう」とか話しているシーンで〆。


感想

 評価は△。


 イギリスBBCで2010年から放送され、日本でも2011年からBSプレミアムで放送されているテレビドラマ「SHERLOCK/シャーロック」の劇場版。もっとも、テレビドラマ版も毎回90分枠でテレビムービーと言ってもいいボリュームなので、劇場公開されたといっても別にスペシャルなボリュームという訳でもありません。

 テレビドラマ版は、21世紀を舞台に「コンサルタント探偵」ホームズが数々の事件に挑む、というお話ですが、映画はキャストはそのままに時代設定を19世紀、つまり本来のホームズの時代に戻してのストーリー。これはこれで面白いなぁと思っていたのですが、途中で唐突に「これはホームズの脳内での物語です」という設定が明かされてちょっとガッカリ。どうせならテレビドラマとは一切切り離した、本当の特別編としてやって欲しかった。

 しかも、最終的にはこの映画はテレビドラマ版シーズン3・第3話「最後の誓い  His Last Vow」の完全な続編という事が明かされます。つまり、テレビドラマ版をすべて見ていることが前提になっており、この映画だけ見ても何がなにやらさっぱり解りませんし、結末も「よし、俺たちの戦いはこれからだ」という感じで「続く」となっていて全く終わりません……


 まあそう解って覚悟して見るならともかく、「ホームズの映画があるから見てみるかなぁ」という観客は置いてきぼりです。それってどうなの? ということで、完璧なる「テレビドラマをシースン3まで見ているファン専用」の映画ですね。それ以外の人は見ても理解不能です。

追記(2016/05/22)

 どうやらこの作品、イギリスではテレビ番組として放送されたものを、日本では劇場公開してしまったらしいです。なんてことを。


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「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」 BSプレミアム5月9日(月)午後9:00〜10:30


【製作】
スー・バーチュー
【監督】
ダグラス・マッキノン
【脚本】
マーク・ゲイティス、スティーブン・モファット
【撮影】
スージー・ラヴェル
【音楽】
デビッド・アーノルド、マイケル・プライス
【出演】
ベネディクト・カンバーバッチ(声:三上哲)、マーティン・フリーマン(声:森川智之)、アマンダ・アビントン(声:石塚理恵)、ルパート・グレイブス(声:原康義)、アンドリュー・スコット(声:村治学) ほか


製作国:
イギリス
製作年:
2015
原題:
SHERLOCK:THE ABOMINABLE BRIDE