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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン8」第1話「サーチ・フォー・モルダー Part1」

ドラマ


X-ファイル シーズン8 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン8 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/
放送 Dlife。全21話。

【※以下ネタバレ】

FBIの科学捜査能力でも真相究明できない未解決事件のレポート“X-ファイル”。モルダーとスカリーの2人が所属するX-ファイル課が、怪現象や闇の政府に立ち向かうミステリードラマ。今シーズンでは、ロバート・パトリック演じるジョン・ドゲット捜査官が初登場。前シーズンで誘拐されたモルダーを捜すため、スカリーはドゲットとパートナーを組む。スカリーとドゲットの新コンビは、モルダーを見つけ出すことができるのか?

キャスト

【フォックス・モルダー捜査官】デイビッド・ドゥカブニー/小杉十郎太
【ダナ・スカリー捜査官】ジリアン・アンダーソン相沢恵子
【ジョン・ドゲット捜査官】ロバート・パトリック大塚芳忠
【モニカ・レイエス捜査官】アナベス・ギッシュ/佐々木優子



※シーズン8の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン8」あらすじ・感想まとめ


第1話 サーチ・フォー・モルダー Part1 WITHIN

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/episode.html
EP1 サーチ・フォー・モルダー Part1
スキナーの上にカーシュが立ち、カーシュの任命したジョン・ドゲットを中心に、失踪したモルダーの捜索を開始。ドゲットはスキナーとスカリーがカギを握っているとにらむ。


 お題は「宇宙人による誘拐(アブダクション)」。


 シーズン7最終回(第22話)「レクイエム」の続編。


 失踪したモルダーを探すため、カーシュ長官代行は特捜班のリーダー「ジョン・ドゲット」を現場指揮官に任命した。しかし、スカリーやスキナーは捜査に加えるどころか事件の容疑者扱いで、さらにカーシュは二人に、今後UFOや宇宙人といった言葉を口にした場合はクビにすると脅しをかける。

 スカリーは、自室が見張られていたり電話が盗聴されているのに気が付き、ドゲットの仕業と考え文句を言うが、ドゲットは知らないという。その後、何者かがFBI本部にモルダーのIDカードで入り込みX-ファイル資料を持ち去ったり、本部にモルダーの没年を刻んだ墓石が届いたり、モルダーやスカリーの私物のパソコンが盗まれたり、スカリーの部屋の近くでモルダーが目撃されたり、といった奇怪な事態が立て続けに発生する。

 スカリーはドゲットから、モルダーの脳の炎症は回復するどころか悪化しており、手遅れの状態だったと知らされる。トゲットは死を間近にしたモルダーが「真実」を探すため、自分で失踪を演出したのではと疑っていた。

 スカリーはスキナーやローン・ガンメンと共に独自の捜査を進め、UFOがどこかの目的地に向かう途上でモルダーを誘拐したと考える。宇宙人たちは自分たちの存在の証拠を次々と回収しており、スカリーのパソコンやX-ファイル資料を盗み出したのもその一環に違いなかった。そして彼らの次の目的は「生きた証拠」のギブソン少年(シーズン5・第20話(最終回)「ジ・エンド」とシーズン6・第1話「ビギニング」に登場)に違いないと考え、アリゾナ州に向かった。一方、ドゲットの部屋に何者かがギブソン事件の資料を届け、それを読んだドゲットはモルダーがギブソンに会いに行くと推測し、やはりアリゾナに向かう。

 ギブソン少年はアリゾナで普通の子供として暮していたが、ドゲットたちが到着したときには姿をくらましていた。そしてドゲットは、ギブソンを拉致しようとしているモルダーと出会う。続く。


監督 キム・マナーズ
脚本 クリス・カーター


感想

 評価は◎。


 事実上の番組の最終回だった(と思えた)シーズン7の最終回(第22話)「レクイエム」を経ての「新生X-ファイル」のスタート回。主役だったモルダーがゲスト程度の存在に回り、新キャラ・ドゲットが新主役として番組を引っ張る事になるということで、どうなるかと心配していたが、意外にも充実した内容だった。


 新生X-ファイルの主役は、特捜班リーダー・ジョン・ドゲット(ロバート・パトリック)。海兵隊ニューヨーク市警刑事を経てFBIにはいった叩き上げで、超常現象を鼻で笑ってしまうようなリアリストタイプ。こんなキャラが主役で今後どう話を回していくのかは興味津々である。やはり、シーズン1の頃のスカリーの様に、最初は超常現象を徹底的に否定しているが、そのうち事実を認めざるを得なくなる、という展開だろうか。演じるロバート・パトリックは、映画「ターミネーター2」(1991)で敵役「T-1000」を演じた事で有名な俳優(シーズン8は2000年11月放送開始)。吹き替えは、今までに何度も登場したベテラン大塚芳忠氏。

 ドゲットが超常現象を信じないタイプだからか、逆にスカリーがすっかり超常現象肯定派に転向してしまっているのがなんというか驚きである。今までは怪しげな説を聞くと必ず一歩引いた立場で常識的にコメントしていたのに、モルダー失踪という一大事で路線変更したのか、「宇宙人が私の部屋とかに忍び込んで、自分たちの証拠を回収して回っている」とか言い出すあたり、スカリーもすっかり変わってしまった、と嘆きたくなる。

 しかしスカリー以上に変わりすぎなのがスキナーで、自分でUFOを目撃してしまったため、もう完璧にUFOビリーバーになってしまい、ローン・ガンメンと平気で共同作業を行なったり、取調べの際にUFOを見たことを力説しようとして、スカリーに諌められる有様である。あの頼もしかったスキナーがこんな変な人になるのを見たくは無かった……

 シーズン6でモルダー&スカリーの上司となり、さんざんイヤミを言っていたカーシュが、副長官から長官代行に出世していたのにはちょっと笑った。以前はスキナーは「カーシュ君」とか呼んでいたのに、出世レースで追い抜かれてしまったようで、やはりモルダーみたいな問題の部下を抱えていたせいで評価が悪くなったのかと思うと気の毒になった。

 ちなみに行方不明のモルダーは、(多分)UFOの中で顔の皮膚を引っ張られたり、口の中にドリルを突っ込まれたり、胴体をのこぎりで切られたり、と、生体実験なのだか拷問なのだかわからないことをされており、結構グロいシーンの連発だった。


 ストーリーは、シーズン7が全般に疲れ気味という感じだったのに、今回はなかなかの充実ぶりで、意外な盛り返しぶりに驚かされた。スカリーの部屋が盗聴されているとか、墓石がFBIに届くとか、謎の人物がドゲットに資料を届けていくとか、次々と事件を起こして視聴者をグイグイ引きこんでいく展開は、久々に文句なしに楽しめた。主役を入れ替えた事で、スタッフは新しいことが出来そうとやる気が復活したのかもしれない。

 今回は終盤唐突にギブスンが戻ってきたので驚いた。この少年はシーズン5・第20話(最終回)「ジ・エンド」とシーズン6・第1話「ビギニング」に登場したキャラだが、最後に原子力発電所の中に連れて行かれたまま行方不明になっており、今頃帰ってきたのかとビックリした。ちなみに原子力発電所の原子炉冷却水の中に入植者(コロニスト)も隠れているはずなのだが、今頃何をしているのだろうか。