感想:アニメ「影鰐-KAGEWANI-承」第13話(最終回)「終局」


影鰐-KAGEWANI- [DVD]

影鰐-KAGEWANI-承 http://kagewani.com/
放送 BS11。10分アニメ。全13話。

【※以下ネタバレ】

第13話(最終回) 『Episode 13 終局』

あらすじ

木村のねらいは全ての始祖である影鰐の力を手にすることだった。
圧倒的な力を手に入れ、自らを選ばれし者と称する木村に対し、番場とナギは為す術もない。
過ちの代償は受け継がれて行く。物語の終わりと共に――。

・キャスト
 番場宗介:杉田智和 木村雅貴:置鮎龍太郎
 ナギ・ヤグル:佐藤聡美 本間丈二:木村昴
 特殊部隊:蟹江俊介・マフィア梶田 ほか

 木村は選ばれし者である自分と番場が人類を導くべきだと主張するが、番場は拒否する。それを聞いた木村は番場に取り付いたクローン影鰐も自分に取り込もうとするが、そこに奇獣化した本間が現われ、木村の体を貫く。木村は影鰐の力で本間をバラバラにしたものの、もはや自分が助からない事を悟り、番場に自分に止めをさす事を頼む。番場のクローン影鰐が木村を食い尽くす場面の直前でスタッフロールが表示される。


 最後。猿楽製薬の特殊部隊員が本間の死体を発見した後、うぎゃーとか悲鳴をあげているシーンで〆。


感想

 すっかり忘れていた本間局長が最終局面で意外な役目を果たしました。日本から中国までこの短時間でよく来れましたね、とかいう事は突っ込まずにおきましょう。それにしても最終回なのにこの全然終わってない感が影鰐らしいですなぁ。


総括

 評価は○。

 2015年10月〜12月にウルトラスーパーアニメタイム(USAT)枠で放送された、モンスターパニック系ホラーアニメ「影鰐」の続編。相変わらず視聴者を限定しそうな絵柄とストーリーでしたが、この手の怪獣ホラー好きにはたまらない内容でした。


 猿楽製薬の爆発事件から4ヵ月後。事件の真相は明らかにならないまま単なる製薬会社の事故という事で処理されていた。しかし事故以降周囲で怪物が出没するという噂が立ち、番場はその騒ぎの中心人物と目されていたが、行方は分からないままだった。一方、猿楽製薬では、奇獣を生物兵器として利用する計画が本格的に進められようとしていた……


 前期「影鰐」は、基本的に一話完結形式で、人間がモンスターに襲われる」という話を「クトゥルフ神話風」「昭和怪獣特撮物風」「B級SF映画風」「怪談風」など、多種多彩なバリエーションで描いたホラーで、その手の話が好きな人間にとって非常に面白い作品となっていました(特に南極海でニンゲンが出た話なんか最高!)。しかし、今期は一転連続ドラマ形式となり、主人公番場/猿楽製薬の幹部たち/謎の女ナギ・ヤグル、という複数のキャラクターたちの物語を交互に描いて話を転がしていく形をとっていましたが、これはこれで面白かった。一話あたり7〜8分しかないのですが、毎回きっちり起承転結をつけていて満足感は高かったし、またそのショートアニメが1クールしかないにも関わらず、結構な量の話を見た気持ちになれました。最終回も納得出来る内容になっていましたしね。

 また第一期は女性成分が少なくて実に殺伐としていたのですが、今期はナギ・ヤグルという美女キャラも登場して目に優しかったのも嬉しいところ。しかし佐藤聡美をナギみたいなバイオレンスキャラに抜擢するという人選は意外でしたね。


 今回をもって、影鰐という作品のみならず、USAT枠そのものが最終回になってしまったので、続編の目はほぼなくなりましたが、オチがあれもんである以上、続けようと思えばまだまだ続きはいけるはず。またどこかで続編にめぐり合いたいものです。

奇獣に襲われる人間達の攻防を描くモンスターパニックアニメーション!神出鬼没、攻撃不能、生きとし生けるものすべてを喰らい尽す、超生物・影鰐。主人公・番場宗介は、謎の製薬会社・猿楽製薬による“影鰐兵器化計画”の事故に巻き込まれ、影鰐のクローンに取り憑かれてしまった。怪物・影鰐のクローンをその身に潜め、逃亡者となった番場に襲いかかる数々の事件。執拗に彼を追う猿楽製薬との決死の追走劇、そして新たに影鰐を追う人物との対決。事態が混迷を極める中で、再び影鰐を追う番場。奇獣の始祖、影鰐を倒すことは出来るのかー。


スタッフ情報
【監督】高嶋友也
【脚本】熊本浩武
【作画】小田春佳、川津さえこ、祭田俊作
【プロデューサー】岩切謙太郎
【製作総指揮】長江努
【協力】ULTRA SUPER PICTURES



キャスト
番場宗介:杉田智和
木村雅貴:置鮎龍太郎
ナギ・ヤグル:佐藤聡美
本間丈二:木村昴
甲斐博士:神奈延年
シーロン・メイ:斎藤貴美子

Egoist Unfair(通常盤)