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感想:海外ドラマ「X-ファイル シーズン8」第16話「パスワード」


X-ファイル シーズン8 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

■ディーライフ/Dlife X-ファイル シーズン8 http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/
放送 Dlife。全21話。

【※以下ネタバレ】


※シーズン8の他のエピソードのあらすじ・感想はこちら→「X-ファイル シーズン8」あらすじ・感想まとめ

第16話 パスワード THREE WORDS

あらすじ

http://www.dlife.jp/lineup/drama/xfile_s8/episode.html
EP16 パスワード
統計局に努めるまじめなハワード・ソルトがホワイトハウスに銃を持って侵入し、射殺された。獄中のUFOカルト団体の教祖アブサロムは、この事件を知って、脱走をはかる。

 お題は「異星人の侵略」。


 第15話「デッドアライブ Part2」の続編。


 ホワイトハウスの敷地にソルトという男が侵入し、大統領に会わせろと叫ぶが、警備に取り押さえられた挙句、自分で自分の腹を撃って死んでしまう。ソルトはその直前に、警備にCD-ROMを渡すが、それには「FIGHT THE FUTURE」と書かれていた。

 モルダーは脳の炎症が治癒しており、肉体は完全に回復していた。そのためFBIに復職願いを出すが、モルダーを疎んじているカーシュ長官代行はそれを拒否してX-ファイル課を閉鎖に追い込むつもりだった。モルダーはそれを気にせず勝手にFBI本部に入り込み、すぐに死んだソルトがUFOカルトの教祖アブサロムの信者で、また遺品のパソコンには暗号化された10GBものサイズのファイルがあることを見つけ出す。モルダーはローン・ガンメンにファイルの解読を依頼するが、パスワードがわからないと無理だといわれる。またファイルはソルトが勤めていた統計局から持ち出したらしかったが、統計局は外部からハッキングする事は不可能だった。

 一方、ドゲットの家に刑務所を脱走したアブサロムが現われ、ソルトは自分の知り合いで何度もアブダクションされていたと言い、また人間と入れ替わった異星人は首の後ろの付け根を見れば解るという。アブサロムはその後、ドゲットを人質にして統計局に侵入する。アブサロムは何らかのデータを盗むつもりだったが、警備に問答無用で射殺された。モルダーはそれを知り、ドゲットが証拠を消してしまったと非難する。

 ドゲットは政府機関(詳細不明)に勤務する友人ノエルを頼り、重要なパスワードが三つの単語、「FIGHT THE FUTURE」だと聞き出し、スカリー経由でモルダーに教える。モルダーはローン・ガンメンたちと統計局に忍び込み、データを盗もうとする。それは異星人が地球人に入れ替わる際、特有の遺伝子を持つ人間を狙っている、という情報だった。そこにドゲットが駆けつけ、全ては二人をはめる罠だったと教えるが、モルダーはドゲットが敵の一味だといって全く信じない。そこに警備部隊が駆けつけてきたため、二人は命からがら逃げ出す。

 最後。ドゲットはノエルに自分たちをはめた事を問い詰めるが、ノエルは情報をやっただけだとうそぶく。そしてノエルの首の後ろには異様な突起が有った。


監督 トニー・ワームビー
脚本 クリス・カーター & フランク・スポトニッツ


感想

 評価は◎。

 まさかの、前回「デッドアライブ Part2」の続編。今までのX-ファイルは、重要な前後編のあとは普通の一話完結式の事件を描くエピソードに戻るのが恒例だったが、今回は前後編の後にさらにそれを受けたエピソードが続いたという事で度肝を抜かれた。「デッドアライブ」二部作で描かれた、異星人の地球人とのすり替わりや、UFOカルトの親玉アブサロム、などの設定がさらに上積みされてのエピソードとなっており、中身は濃かったが、そろそろ設定が多くなりすぎて、視聴に重苦しさが感じられた。X-ファイルは基本的にどの話からでも楽しめる一話完結形式が良かったのだが、どうやら今後はシーズン8の最終回まで、宇宙人の侵略話をどんどん積み上げていく予感である。


 本エピソードでモルダーが完全復帰し、新主人公ドゲットと先代主人公モルダーの夢の競演となったが、予想とおり二人が全くそりが合わないのに笑わせてもらった。まあ模範的捜査官にして常識人のドゲットと、規則逸脱お構い無しの超常現象ビリーバーのモルダーが仲良くできるはずも無いのだが、モルダーがドゲットを一方的に権力側の手先と見なしていちいち突っかかるのは、いささか大人気ないように見えてしまった。

 モルダーは脳の病気が治って絶好調で、例の口癖「ウワァオ」が飛び出したり、勝手に証拠保管室に押し入って貴重な証拠を無造作に持ち出したり、ローン・ガンメンをたきつけて一緒に統計局に忍び込んだり、と、一度死んだのにキャラクターは全く変わってなくて一安心というところだった。やはりスカリーも、無理やり超常現象肯定派のスタンスで頑張っているより、モルダーの暴走気味の行動をセーブするという立ち位置の方が似合っていた。

 ラストはドゲットの友人ノエルが既に異星人にすり替わられている、という衝撃の結末で幕を閉じた。異星人の地球侵略計画は、以前の様に一般大衆に無差別にウイルスを感染させて、という派手なものから、政府の要人などにすり替わって、という方向に転換したようである。宇宙人がこっそり地球にやってきて人間社会に浸透している、というあたり、1960年代の有名SFドラマ「インベーダー」を連想させるが、こちらの宇宙人は見た目で区別が付くので、「インベーダー」より対処がしやすそうという気もする。

 今回重要な役割を演じた三つの単語によるパスワード「FIGHT THE FUTURE(未来と戦え)」とは、1998年に公開された劇場版の副題である。


 ところで、モルダーがスカリー&ローン・ガンメン三人に「でもここはアメリカだ。一番票を取った奴が勝つとは限らない」と言ったのは時事ネタである。このエピソードは2001年4月の放送だが、前年2000年11月の大統領選挙で、当初アル・ゴアが得票で勝っていたのに、その後色々有って結局ブッシュの方が勝ったことにひっかけたジョークである。