感想:特撮「マイティジャック」(1968年) 第4話「祖国よ永遠なれ!!」


マイティジャック Vol.1 [DVD]

放送 CS放送・チャンネルNECO。全13話。

【※以下ネタバレ】

1968年・円谷プロ・60分・カラー・スタンダード

当時のテレビ史上最高額である1,000万超の製作費を投じて劇場映画級で取り組まれ、円谷プロの最高傑作とも評される本格特撮ドラマ。近代科学の粋をこらして建造された万能戦艦マイティ号に乗り込み、悪の組織・Qから現代社会を防衛する11人の勇者たちの活躍を描く。

第4話 祖国よ永遠なれ!!

あらすじ

 アジアの発展途上国エリジアの首相が日本訪問中に暗殺された。矢吹の推測によれば、犯行はエリジアを軍事独裁国家に変えようとする軍部と、それに手を貸すQの仕業に違いなかった。このままではエリジアは国境問題を抱える隣国ベラネシアと遠からず戦争に突入し、さらに戦争に大国が介入して世界大戦へ繋がりかねない。矢吹は内政干渉は出来ないものの、日本国内で出来る事があるはずとMJに対応を命じる。

 エリジア大使館の周辺を調べに出かけた天田は、エリジア軍人で古い知り合いのイスマール・ギムと再会する。天田はギムからエリジアの情報を掴もうとするが捕まり、ギムから警察のスパイとして尋問を受ける。天田は逆にエリジア軍部はQに操られているといってギムを説得し、ギムは秘密警察の長官がQの一員だったと知って射殺する。

 MJはエリジア軍部が秘密ミサイル基地から隣国ベラネシアに向けてミサイル攻撃の準備を進めていることを知る。MJは戦争に介入することは出来ず、ベラネシア国境で飛来するミサイルを迎撃する以外に無いが、完全に防ぐことは不可能だと予想された。天田は強引に指揮権を奪うとギムをマイティ号に乗せてエリジアへと向かった。マイティ号がミサイル基地の注意を引き付けている隙に、ギムは爆弾を満載した飛行機でミサイル基地に突っ込み、命と引き換えにミサイル発射を食い止めた。


感想

 相変わらずもったりとした、いかにも昭和のスパイアクションエピソードだが、天田とギムの友情物語をメインに据え、無理にメカアクションを入れようとしていない展開がそれなりにまとまりがあってよかった。まあ、こういう展開にすると、マイティ号の出番や存在意義がほとんどなくなってしまう、という問題も浮き彫りになった話ではあったが……

 エリジアの秘密警察長官にしてQのナンバー5のウメダが、エリジア国軍の創設に関わった旧日本帝国軍参謀のウメガワだった、という設定が時代を感じさせる。この番組の放送は1968年、つまり終戦から23年後で、旧軍の軍人が生きていて云々、というのは時代的に十分アリだったのである。

 ゲストキャラのイスマール・ギムを演じたのは山本耕一氏。アラフォー以降なら「アフタヌーンショー」の「そうなんですよ、川崎さん」の人と言えば分かるあの人で有る。


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