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感想:オカルト系番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-17 「超能力捜査の謎に迫る!」「究極UFO VS. 解析プロフェッショナル」』

オカルト


NHK幻解! 超常ファイル―ダークサイド・ミステリー (教養・文化シリーズ)

幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー http://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 BSプレミアム

【※以下ネタバレ】


※過去の放送の感想はこちら→「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」内容・感想まとめ


『File-17 「超能力捜査の謎に迫る!」「究極UFO VS. 解析プロフェッショナル」』 (2016年6月9日(木) 21:00〜22:00)

http://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2016-06-09/10/18290/2357068/
アメリカ直撃取材!未解決事件を解き明かす超能力捜査はホンモノか?全米の警察が証言した衝撃の実態とは?▽究極の映像分析バトル!未解明UFOにプロ解析チームが挑む!


“光と闇”の栗山千明が超常現象の謎に迫る、シリーズ最新作!▽「ターゲットはここにいる!」未解決事件の犯人や行方不明者を“遠隔透視”で探る超能力捜査。本場アメリカを緊急取材!超能力者は本当に事件を解決しているのか?刑事たちの衝撃証言で意外なからくりが明らかに!▽これは隠しておきたかった!番組スタッフが解明できなかったUFO映像に、究極解析チームが挑む!ホンモノかニセモノか?前代未聞の映像分析バトル!

1.超能力捜査の謎に迫る!


・超能力捜査とは

 アメリカでは透視能力を持つ超能力者が警察の捜査に協力することが普通に行われており、彼らの透視能力によって事件が解決することも珍しくない。そういった超能力者の活躍をテーマにしたノンフィクション番組も数多く放送されている(スタッフが確認できただけで13シリーズ)。番組で名を上げた超能力者たちは、全米規模の有名人となり、事件捜査だけでなく未来予知・前世透視などでも活躍している。

 日本でもアメリカの超能力者を呼んできて捜査を行う番組は少なくない。例えば失踪者探しを依頼すると、「尖ったものが見えます」とか手がかりを提示し、それを元にスタッフが探してみると、見事見つかりました、という具合である。



・その真実は?

 しかし超能力捜査に疑問を持つ人も少なくない。あるアメリカの研究者は、警察からアンケートをとってみると、超能力者を使ったという回答は約3割有ったが、「超能力者から情報を提供してきたので、礼儀として聞いた」とか「被害者の家族から超能力者を使ってほしいと頼まれたので、致し方なく連絡した」という程度だった。さらに超能力者の透視が捜査に役立ったという回答は一つもなかった。さらに現場は「超能力者は事件が話題になるとしゃしゃり出てくる」と感じており、また彼らの「透視」を一々チェックしないといけないので、本来の捜査に割くべき労力が無駄になっている、という現状が浮き彫りになった。

 また「超能力捜査」のテレビ番組の内容を精査してみると、超能力で事件が解決した、というのはインチキであることがわかった。事実をねじまげて、超能力で事件が解決したかのようにでっちあげていたのである。こういうインチキな番組が沢山作られるのには理由が有る。まず低予算で制作できる。超能力者に適当な事を言わせておき、事件が解決した後、先に言った事と手がかりを後付けで結びつければ番組が一丁あがり!だからである。またアメリカ人は超能力が大好きで人口の半分が超能力を信じているし、さらに死後の世界を信じている人はもっと多い。つまりそういう人向けに番組を作れば、簡単に視聴率が稼げる、というわけである。



・日本での超能力捜査番組

 日本でも超能力捜査番組がよく放送されている。しかしSF作家・山本弘氏は、全ては心理トリックで、「当たっていなくても当たっているように見せられる」と断言する。具体的には「マルチプル・アウト」という手法で、抽象的であいまいな言葉を並べるもの。超能力者があいまいに「尖っているものが見える……」とか予言すると、受け手の方が見えたものを拡大解釈して勝手に当たっていた!と思ってくれる。

 番組では実験で、ある人たちに「世田谷区祖師ヶ谷大蔵にこれこれのものがありますから探してください」といって曖昧なキーワード10個のリストを渡すと、8個までが見つかった。しかしそのキーワードは実際は渋谷で見つけたもののリストだった。つまり全く別の場所でも、探すほうがキーワードを拡大解釈して当たったように考えてくれたのである。実際の超能力捜査も同じようなものである。

 また超能力者のテクニックとして「コールドリーディング」という手法も有る。相手に質問したときの反応を見て、まるで透視したかのように見せかける技術である。

 また「レトロ・フィッティング」というテクニックは、物凄く曖昧な事を言っておき、あとから判明した事実とこじつける。例えば「この人は日本の北のほうにいます」と言っておけば、相当広い範囲が当てはまるから、後付でいくらでも「当たりました」と言えるのである。

 このように「超能力者」が使うのは、超能力では無く心理を操るテクニックなのである。専門家はこの手の超能力は社会的に問題だと指摘する。たとえエンターテインメントと割り切っているつもりでも、「超能力者」に「あなたに近く不幸がおきます」とかいわれると不安になり、お金を払ってしまう危険が有る。実際そういう事が起きているのである。



・スタジオでの栗山千明とメンタリスト DaiGoの対談

 栗山千明がテーブルに置いた4つの品物の一つに印をつけ、DaiGoが栗山千明の表情を見ただけでどれにつけたか当てて見せる。DaiGo「人間は信じたい生き物。奇跡が起きたら良いなぁとか思っている。超能力者は当てるよりも相手に自分を信じさせる」。




2.究極UFO VS. 解析プロフェッショナル

 2014年6月。イギリス・ノーサンプトンで複数の火の玉が空中を旋回する光景が撮影された。これはUFOに間違いない! 同様の火の玉が2011年頃から各地で目撃されている!

 実はこれ、種明かしをすれば「プロペラ機の翼の先に花火をつけてアクロバット飛行をしていた光景」だった。このときも隣町でアクロバット飛行中だったのである。



 ところで、番組では過去いくつもこの手のUFO映像を専門家の手を借りて「見間違い」とか「フェイク映像」とか看破してきた。ところが今年の1月のFile-15でニセ映像を色々指摘したものの、たった一つどうしても放送できない映像が有った。

 それは2015年5月30日深夜、ロシア・クラスノダールで月が突然動き出す、という映像だった。しかし、「月」が街灯の光に接近すると突っ切らずに引き返すのはなんか嘘くさいし、目撃者が指差している方向と「月」の位置がずれている。どうも合成っぽい感じである。しかし画象を精査してみても、合成したあとは見当たらない。

 では実際に何かが飛んでいたのか? 確かに撮影現場の近くには飛行場があるが、ヘリコプターだったというのは無理がある。ヘリは無音では飛ばないし、画面で写っているような急激な動きは不可能。ならば自然現象か? 例えば球電。しかし専門家によれば形が変わらないまま高速に動く事はないという。その他にドローン、照明弾、気球なども考えたが、画面で見せたような急加速は不可能とのことだった。


 こうして、番組スタッフはギブアップ。この映像のFile-15での放送は見送られた。しかし2016年春、番組スタッフは東大出身者が立ち上げた画象解析のベンチャー企業に調査を依頼した。


(1)手ブレを補正する

 手ブレしている画象にあとから飛行物体を合成したのならば、画象を補正し手ブレを無くしてみれば、飛行物体の飛び方がおかしくなるのではないか? ところが全く問題なし。


(2)明るさの変化を調べる

 謎の物体が街灯に近づき去っていくシーンが有る。その物体が街灯に照らされて明るさが変化する様におかしいところは無いか? 全く問題なし。


(3)一画素単位で調べる

 こうなったら、最後の手段。動画から静止画を切り出し、コントラストをつけて画素単位で分析する。そうすると問題の物体の画素の中に極めて暗い部分が見つかった。そのような箇所が一箇所でなく複数発見された。どうやらこれは画象を加工した痕跡と考えて間違いない。結論。この画象は限りなく黒に近いグレー。

 ちなみにロシアの新聞では既にこの画象はフェイクと見なされ「製作者は映画業界に入れば?」とコメントされていた。


感想

 前半は超能力捜査。民放が大好きな「FBI超能力捜査官」云々ネタがインチキであることを徹底解明。まあこの手の透視って最初からめっちゃうさんくさいので全然信じてなかったけど、アメリカでは大人気というのには驚かされますな。そしておなじみ作家の山本弘先生が今回も「超能力? インチキですから」とバッサリ斬り捨てております。まあ実験であそこまで見せられるとねぇ、「透視」も信用できなくなりますよね。


 後半はフェイク画象解析話。「究極のUFO画象 対 絶対インチキ画象を見破る専門家」という企画みたいな対決。いやー、フェイクの技術も進歩しすぎ。もうこれ、数年で「製作者本人が白状しない限り絶対バレないフェイク画象」が出現しますね。なんというか「真のオカルト探求者」としては危機感を覚えます。インチキ画象に「これはすごい」とか唸りたくないしね。


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「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」内容・感想まとめ

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UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など