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感想:オカルト系番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリースペシャル」『File-18 アメリカUFO神話 Part-2 政府は異星人を隠しているのか?』

オカルト

NHK幻解! 超常ファイル―ダークサイド・ミステリー (教養・文化シリーズ)

幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー http://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 BSプレミアム

【※以下ネタバレ】


※過去の放送の内容・感想はこちら→「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」内容・感想まとめ


『File-18 アメリカUFO神話 Part-2 政府は異星人を隠しているのか?』 (2016年8月20日(土) 21:00〜22:30)

http://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2016-08-20/10/34856/2357073/
幻解!超常ファイルSP アメリカUFO神話2 政府は異星人を隠しているのか?


歴代大統領の多くがUFO事件に関係?異星人の超技術・秘密基地「エリア51」に超接近!?陰謀の黒幕マジェスティック12の正体は?証言者が続々!伝説の真相に迫る!


ヒラリー・クリントン候補が政府のUFO機密を調査!?歴代大統領の多くがUFO事件に関係?アメリカ政府がUFO情報を隠しているという陰謀論を徹底検証!異星人の遺体を保管し地球外技術の兵器を開発中という秘密基地「エリア51」伝説はなぜ生まれたのか?陰謀の黒幕「マジェスティック12」は実在するのか?ケネディ大統領暗殺に異星人との密約が?衝撃の宇宙人映像大集合!栗山千明とミステリーと都市伝説の89分。


【ゲスト】寺門和夫,落合浩太郎,【出演】皆神龍太郎,【司会】栗山千明,【語り】中田譲治


1.アメリカのUFO研究

 大統領候補ヒラリー・クリントンがエリア51について触れるなど、アメリカ人にとってはUFOは当たり前の話題である。大統領だったカーターやレーガンもUFOを目撃したと語っている。カーターは上院議員時代の1969年に多くの人とともに地平線に浮かぶ月の様な物体が色を変えるのを見たと証言している。レーガンカリフォルニア州知事だった1974年にジェット機で移動中火の玉を見たと語っている。


 実はアメリカでは1960年代に公的機関でUFOが研究されたことが有る。さて、UFO騒動の始まりは1947年6月。ケネス・アーノルドはワシントン州上空で光る9個の物体が音速以上で飛んでいくのを目撃した。彼が目撃した物体は新聞で「フライング・ソーサー」と名付けられた。この日からアメリカ中でいきなり円盤を見たという証言が相次ぎ、突然円盤ブームになる。しかしこの頃はあくまで円盤は「謎の物体(ソビエトの秘密兵器?)」という扱いであり、「宇宙人の乗り物」という考えは皆無だった。

 1950年、作家ドナルド・キーホーは、円盤は地球外生命の乗り物だという説をぶち上げ、以後円盤=宇宙人が乗っている、という考えが定着した。1952年にワシントンD.C.上空で謎の飛行物体が目撃・レーターで探知され、大パニックとなった。しかし空軍は特に脅威ではないという説明しかしなかった。

 1965年、下院議員フォード(のちの大統領)は、空軍に対して、国民の知る権利で、もっとUFOについて真面目に情報を公開しろ、と迫った。空軍はそのため大学にUFO研究を依頼し、1966年にコロラド大学で物理学者コルトンをリーダーとする「コルトン委員会」が設立された。ところが委員会がいくら調べても、UFO研究は先に進まなかった。というのは、調べる対象が曖昧な目撃証言だけで物的証拠が皆無のため、検証しようが無かったのである。1969年に「コルトン・リポート」がまとめられ、UFOが宇宙人の乗り物という考えは根拠が無い、とまとめたものの、UFOビリーバーからは大不評に終わった。

 ところで、カーターが目撃した「UFO」は金星だと思われる。夜空に明るく輝く金星はUFOの見間違い対象として有名だし、月ほどの大きさがあったというのも、脳の中で大きさを補正してそれくらいに見えた(と思った)だけだと思われる。また複数の人が同時に見たというのは確実さの保障にはならない。誰かが「あれはUFOだ」と言った途端、他の人もそれを聞いて「UFOなんだろう」と頭の中で認知してしまうからである。社会的地位が高い議員だからだとか、大勢の人が見たから、というのと目撃証言が正しい、というのとはあまり関係が無いのである。

 レーガンが目撃したのは流星だったと思われる。「ジグザグのコースで飛んだ」と証言しているが、飛行機の方が揺れていたので、物体がまっすぐ飛んだのにジグザク飛行に見えただけだろうと推測される。



2.マジェスティック12(MJ12)

 1947年7月2日。ニューメキシコロズウェルに謎の物体が墜落した。調査した軍はUFOが墜落したと発表したが、翌日「実は気球だった」と否定し、これで話はおしまいになった。ところが、1979年、アメリカのUFO特番「UFO's ARE REAL」で当時の軍関係者があれは絶対気球ではなかったと証言、以後、ロズウェルに墜落したのは宇宙人のUFOで、政府がそれを隠している、という都市伝説が誕生した。

 1984年12月、アメリカのテレビプロデューサー、ジェイミー・シャンドラの下に謎の相手から35ミリフィルムが届けられ、それを現像すると政府の機密文書「オペレーション・マジェスティック12」が写っていた。それは1952年11月18日付けで作成されたもので、内容は「政府がロズウェルでUFOを回収したこと」「マジェスティック12と呼ばれる12人の実在の軍人・科学者がUFO関係の隠蔽工作を行なう権限を持っていること」「ハリー・トルーマン大統領がMJ12を作らせたこと」などが書かれていた。

 以後、あっという間にMJ12の関連文書や関係者がゾロゾロ出てきたが、調べてみると肝心のMJ12文書は捏造だと発覚した。どうやらウィリアム・ムーアというUFO研究家が作ったニセ文書だったらしい。しかし、今でもビリーバーの間ではMJ12文書は本物扱いされている。



3.宇宙人映像

 有名な宇宙人映像の数々を検証する。

(1)ニューメキシコの小型宇宙人

 小人宇宙人が二人の大人に挟まれて手をつながれている有名な写真。しかしオリジナル写真を入手してじっくり見ると、宇宙人はどうみても写真に描き加えられた「絵」である。実のところ、この写真は、1950年にドイツの週刊誌「ノイエ・イルストリアーテ」にエイプリルフールのジョーク記事として掲載された写真。しかしそれが他誌に引用されるうち、「ジョーク」の部分が抜け落ちてしまったのである。


(2)宇宙人のデスマスク

 グレイ型宇宙人のデスマスク写真。正体は1976年にカナダ・モントリオール万博で展示された宇宙人ろう人形の顔写真でした。


(3)宇宙人解剖フィルム

 1995年に話題になった映像。グレイ型宇宙人を解剖するシーンが撮影されている。しかし、2006年にとあるイギリス人が自分が作らせました、と公表した。どうやらフィルムで金儲けするために作ったらしい。


(4)トマトマン

 体が焼け焦げ、頭がトマト状の死体。宇宙人のものと言われているが、正体は不明。一説によれば本物の事故の死体を宇宙人の死体と言っているらしい。


 今もユーチューブには宇宙人画象があふれているが、全てフェイクである。何故人はこうもインチキ画象を作りたがるのだろうか。



4.エリア51

 アメリカ・ネバダ州にある空軍の基地「ネリス試験訓練場」には、「エリア1」から始まる実験場があるが、その中で最も有名なのは「エリア51」である。SF映画「インデペンデンス・デイ」ではこの基地でUFOを研究する様が描かれるなど「宇宙人のテクノロジーを研究している」という都市伝説で有名。空軍はその存在自体認めていないが、『世界一有名な秘密基地』である。

 このエリア51では、1950年代から「上空を音も無く飛行する物体を目撃した」という事例が相次ぎ不審がられていた。それが決定的になったのが1979年で、ロバート・ラザーという人物が、エリア51の中の特殊区域「エリアS4」でUFO技術の研究に従事し、さらにエイリアンが居るのを目撃した、と暴露したのである。これ以降、エリア51は宇宙人からのテクノロジーでUFOを研究している、というのが定説となった。

 エリア51、正式名称グルーム・レイク空軍基地は、もちろん接近することはできない。しかしグーグルマップを使えば、簡単に情報が入手できる。大小さまざまな格納庫があるところを見ると、何種類もの新型機をテストしているようである。実際、CIAが公開した文書を見ると、過去にここで偵察機U-2やA-12をテストしていたらしいことが伺える。また過去にエリア51で勤務していた人の話を聞くと、超高速で高々度を飛行する飛行機は高すぎて音が聞こえないので、UFOの様に見えたかもしれないが、宇宙人など見たことが無いと否定した。

 そもそもロバート・ラザーの経歴は怪しく、エリア51で働いていたことも疑わしい。もっとも、ラザーによればエリアS4はエリア51から離れているし、入れたのも限られた人数なので宇宙人のことが知られていなくて当然とのことだった。

 エリア51は機密の塊だが、秘密にし続けると、周囲が勝手に「真実」を捏造し始める。エリア51の宇宙人騒ぎはそうして生まれたのであろう。政府が基地を一般公開して内部を見せない限り噂は消えないだろうが、そんなことは現実的に不可能なので、これからもエリア51の宇宙人伝説は続いていくだろう。



5.まとめ

 何故アメリカ人はここまでUFOや宇宙人を信じるのか。それは政府を信用していないからである。日本人の感覚では理解しにくいが、アメリカ人は基本的に政府を信じておらず、何かを企んでいると疑っている。アメリカ国民が銃を手放さないのも「政府がおかしくなったときには、自分たちが銃を手に立ちあがらなければいけない」という考えから。そのために「政府は何かを隠しているに違いない→宇宙人やUFOについても隠している」という発想になるのである。


感想

 2年ぶりのUFO特番です。前回は矢島正明氏をゲストナレーションに呼んできて、あのUFO特番のテーマ曲(っぽいもの)を流して宇宙人の目撃事例を語らせるなどはっちゃけていましたが、今回はそれに比べると地味目でしたね。MJ12とかエリア51とかロバート・ラザーとか、矢追純一UFO特番でおなじみのものがゾロゾロ出てきましたが、前回ほどのインパクトは無くて残念。でも十分面白かったです。


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UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など