感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第27話「極秘情報を奪回せよ」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン1(1~28話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
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第27話 極秘情報を奪回せよ The Traitor (シーズン1・27話)

 

あらすじ

敵国大使館に逃亡したアメリカのスパイ。彼の口から情報が漏れるのを阻止するため、女性スパイのティナが送風管を通って大使館内へと潜入していく。


敵国大使館に逃亡したアメリカのスパイ、ヒューズ。彼が持ち去った暗号文書の中身が漏れるのを阻止するため、女性スパイのティナが送風管を通って大使館内へと潜入、光センサーに守られた金庫から未解読の極秘文書奪回を目指す。更にローラン(マーティン・ランドー)が暗号解読のエキスパートのベルソンに化けて大使館に入り込み、裏切り者ヒューズの信頼が失墜するよう画策する。


【今回の指令】
 アメリカの情報官エドワード・ヒューズは、祖国を裏切り、極秘情報を持って某国大使館に逃げこんでしまった。しかし、幸いにも情報は暗号化されており、ヒューズは解読方法を知らないため、現時点では情報はまだ漏洩していない。だが、某国は暗号解読の専門家ビクター・ベルソンをアメリカに出発させたため、解読されるのも時間の問題である。IMFは暗号が解読される前に情報を奪回し、またヒューズがアメリカ当局に引き渡されるようにしなければならない。


【作戦参加メンバー】
 ブリッグス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー、ティナ・マーラ(ゲスト:潜入のスペシャリスト)


【作戦】
 IMFチームは、アメリカの空港に到着したベルソンを足止めし、また大使館にある雑誌を届ける。

 直後、ローランはベルソンを名乗って大使館に乗り込み、まず建物の空調装置を故障させ、さらに大使館に配達されてきたアメリカの雑誌に暗号が隠されていると騒ぐ。大使館の警備主任ブラズネックが調べると、雑誌のいくつかの文字に針でついた穴があり、組み合わせると「レオンホテル411号室」と書いてあることが分かる。ローランは、これは外部の誰かがヒューズにあてて連絡してきたのであって、ヒューズがアメリカを裏切ったというのは怪しいものだと非難する。そのあとローランはヒューズに睡眠ガスを吸わせ、その影響でヒューズは自室で意識不明になって倒れてしまう。

 ブラズネックがレオンホテルの部屋を盗聴すると、そこにはブリッグスが宿泊していて、ブリッグスは聞こえるように『ヒューズが自分に情報を売ってくれるので、代わりに南米に逃がすつもりだ』と言う。それを聞いてブラズネックもまたヒューズが怪しいと疑いだす。

 一方、バーニーとウィリーは空調装置の修理業者に化けて、ティナを大使館の空調ダクトの中に送り込む。ティナは、金庫室から機密書類を盗み出してよく似たものにすり替え、またヒューズの部屋に侵入しヒューズがいなくなったように偽装する。ブラズネックは書類がすり替えられ、またヒューズが自室にいないので、裏切られたと確信する。

 そのあとティナはヒューズの部屋の偽装を元に戻す。ブラズネックは現れたヒューズを締め上げるが、当然ヒューズは何のことかわからず混乱する。そしてこのままでは殺されるとおびえて大使館の外に逃げ出すが、待ち構えていた警察に逮捕される。ティナもウィリーたちのサポートで大使館の外に無事脱出する。

 最後、ブラズネックはベルソン(ローラン)に、今度の事件の責任者として取り調べると言い出す。ローランは、冷静に自分はベルソンではなく大使館の監査に来た憲兵だから本国に問い合わせてみるように、と出まかせを言って時間を稼ぐ。ブリッグスたちはすぐさまベルソンを大使館に送り届け、本物のベルソンが到着したので、ローランは大使館を出ていく。ほぼ同時に本国から問い合わせの返事が届くが、もうブラズネックは手を出せないまま終わる。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: エドワード・J・ラクソ


感想

 評価は◎。

 シチュエーションはシンプルだが、見どころの多いエピソードで大満足だった。


 今回の話の面白いところは、各メンバーの行動がそれぞれ巧みに組み合わさっており、それが次々と連鎖して作戦が見事に展開していくところである。例えば、ローランが空調装置をいじることで、結果的にティナの潜入を支援し、またローランが暗号云々と教えると、ホテルにはブリッグスたちがいてヒューズが裏切り者であるかのような会話をしていて、それでブラズネックが疑いを強める、といった具合である。またティナがヒューズの失踪を演出し、それによってローランの「ヒューズは怪しい」という主張が裏付けられる、といった具合で、各メンバーの断片的な行動が、パズルのピースをはめ込むようにつながっていって、最後に一つの絵が完成してく、という様相が実に楽しかった。


 また今回は「秘密兵器」と呼びたい小道具が山のように登場し、ギミック好きを楽しませてくれた。

・ティナの小道具1:特殊ドライバー。形が「し」のように先端が曲がっており先端のねじ回し部はドリルの要領で回転させることができる。使い方は、先端を通風孔の中から出して通風孔の蓋のネジを部屋の側から外すというもの。

・ティナの小道具2:ミラーセット。金庫室の前にある光センサーの前に鏡を45度ずつの角度で組み合わせたセットを置き、光を「凸」といった感じにまげてスペースを作り、そこを潜り抜ける。

・ティナの小道具3:金庫破りの道具。金庫の扉に張り付け、金庫のダイヤルをいじると、組み合わせの数字に来るたびにライトが赤く光る。

・ティナの小道具4:偽装ベッド。ベッドの上に倒れているヒューズの上に特殊なビニールシートを置き、ガスで膨らませると、本来のベッドの上にもう一つのマットレスが乗ったような形となり、ヒューズの姿が見えなくなる。

・盗聴器探知機:シナモンが使ったもの。化粧箱のふたを外して、軸を取り付け、レーダーアンテナのような形にして化粧箱にさしなおす。するとくるくる回転を始め、盗聴器を見つけるとその方向で停止する。

・ウィリーたちの乗るバンの文字。車体に張り付けてある会社名がマグネットで貼り付けただけの文字で、自在に組み合わせを変えられる。

 とアイデアの塊のような回で、本当に楽しかった。


 最後、ローランが素知らぬ顔で大使館を出ようとしていると、出口の横にある小部屋では本国からのテレタイプが次々と文字を打ち出している。もし通信が先に到着してしまえば、当然ローランはニセ憲兵とばれて脱出は出来ない。このシーンは絶対脱出は間に合うはずと解っていながら、手に汗握る緊迫のシーンで、最初から最後までクオリティの高い傑作回だった。

 ところで、ウィリーたちが乗っていたバンの車体の文字は、前述のように自由に変えられるのだが、ウィリーは社名を「オールウェザー暖房社」と付け直す作業を堂々と車が大量に走っている道端でやっていたのには意表を突かれた。誰かに見られたら疑いを抱かれそうなので、こういう作業はこっそり人目につかないように隠れてやるべきではないかと思うのだが、IMFは経験から「何事も堂々としていたほうが怪しまれない」と解っていたのだろうか。

 今回のゲストのティナは、声を当てていた日本人声優のしゃべりが異常に下手で、感情も出せていなければ、そもそも台詞もよく聞き取れなくてうんざりしてしまった。ストーリーがとにかく面白かっただけに、残念ではあった。


参考:今回の指令の入手方法

 ブリッグスが人気のない倉庫に入り、小部屋の中で封がされたビニール袋からレコードを取り出し、プレイヤーにかける。そして音声を再生しつつ資料を見て指令を確認する。最後「このレコードは5秒以内に消滅する」といってレコードが煙を噴き上げる。


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