感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第32話「西側への扉」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第32話 西側への扉 The Bank (シーズン2・第4話)

 

あらすじ

西側への逃亡を持ちかけ、希望者をだましては金を着服しているドイツの銀行家。彼の狙いはナチスの再興だった。


ヨーロッパ、東側陣営のある国で銀行支配人のベルジックは西側への逃亡を持ちかけ、希望者を騙してその財産を奪っていた。彼の狙いはナチスの再興。IMFチームはその計画を阻止すべく作戦を開始する。まずローラン(マーティン・ランドー)が脱国希望者となり、ベルジックの手口を解明。一方、フェルプス(ピーター・グレイブス)は連邦捜査官となり、ベルジックにワナを仕掛ける。

※DVD版のタイトルは「脱出口」。


【今回の指令】
 東側某国の銀行の頭取アルフレッド・ベルジックは、ナチスの再興を目論む人物である。彼は西側への亡命を望む人間を支援すると見せかけて殺し、犠牲者たちの財産を着服し、ナチス再興のための資金として蓄えている。IMFはベルジックのナチス復活の野望を阻止しなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー、ウィリー
 ゲスト:ポール(銀行強盗役)


【作戦】
 まずポールとバーニーが銀行をうろつき怪しげなそぶりを見せて、ベルジックたちの警戒心をあおる。直後、フェルプスは連邦警察の警官として銀行に現れ、ベルジックに対し、ポールたちは前科者で、銀行強盗を狙っているに違いないので、罠をはると言ってシナモンを行内に潜入させる。ベルジックは嫌々だが提案を飲まざるを得ない。

 一方、ローランは亡命希望者としてベルジックに面会し、財産をいったん預ける。ベルジックはローランを金庫室から地下に通じている隠し通路に入らせる。銀行は昔の修道院の跡地に建っており、地下には迷路のように無数の通路が存在し、その一つが西側に通じていると説明する。実は道の途中には落とし穴があり、今まで通路に入った人々は、西側につくどころか穴に落ちて死んでしまっていた。ベルジックはローランも同様に死んだと考えるが、実はローランは用心して穴に落ちず、そのまま地上への脱出に成功する。

 やがてポールとバーニーが強盗のふりで銀行に押し入り、ベルジックが犠牲者たちから奪った金を入れている貸金庫を盗み出す。そこにウィリーがフェルプスの部下役で現れ、ポールとバーニーを逮捕したふりをして車で連れ去る。

 入れ替わりに、強盗を知った本物の警官たちが駆け付けて来るが、フェルプスは彼らの前でベルジックに「強盗は何故この貸金庫を持ち出そうとしたのか? 何が入っているのか?」と問いただす。ベルジックは当然本当のことを言えないので、貸金庫を奪って慌てて金庫室に逃げこみ地下通路から逃走を図る。ところが通路は既にローランたちがレンガで入り口をふさいでしまっており、ベルジックたちは状況が理解できないまま立ち往生する羽目に陥る。フェルプスとシナモンは、後のことを警官に任せると言って悠然と出口から立ち去る。


監督: アルフ・ケリン
脚本: ブラッド・ラドニッツ


感想

 評価は〇。


 IMFが銀行を舞台に頭取一味に大芝居を仕掛けるエピソード。設定は面白いのだが、IMFの作戦がややわかりにくい点もあり、評価としてはちょっと辛めとなった。


 今回の話の舞台は「東地区」とぼかされている(英語でも「the East Zone」と表現している)が、どう見ても明らかに東ドイツの東ベルリンである。銀行の頭取はナチス再興をたくらんでいるし、さらに銀行の看板に「BERLINER SOZIALVOLKSBANK」とドイツ語で書いてあるのだから、他に考えようがない。とは言え、今回の東ベルリンとか西側への亡命、といった設定は、冷戦時代を体験した世代ならともかく、東西ドイツ統一後しか知らない世代にとっては、もう意味が分からないエピソードとして映るのではなかろうか。

 IMFメンバーは連携して銀行内でいろいろ仕掛けをする(フェルプスが監視カメラの録画テープを盗んでくるとか、シナモンがカメラ映像を妨害しつつ爆発物を仕掛けるとか)のだが、彼らがどういう意図でやっているのかわかりにくく、おかげで途中でやや退屈に感じられた。やはり、ある程度IMFの目指している目標が分からないと、この手の工作シーンも面白みが欠けるというのが良く分かった話ではあった。

 ちょっと疑問に思ったのだが、東ドイツ社会主義政権下でナチスを信奉する人などいたのだろうか。また劇中でナチス云々という設定は殆ど意味がなく、このナチスの再興という部分は余分だった気がしてならない。

 ちなみに、劇中でフェルプスがビデオ映像の細かい文字を見るため、望遠鏡のようなものをのぞき込むシーンがある。もちろん元から粗い映像を拡大したところで細かい文字が見えるようになるわけが無いので、ここはちょっと失笑してしまった。

 今回の悪役ベルジックの声は、久松保夫氏(ミスタースポックの声で有名)でした。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが中古品店に入り、店主から蓄音機を手渡されるシーンが映る。フェルプスが蓄音機の側面の鍵を開け、中からレコードと資料を取り出し、レコードを再生して指令を確認する。最後に「なおこの録音は自動的に消滅する」といい、次の瞬間レコードが煙を噴き上げる。


参考:指令内容

 おはようフェルプス君。アルフレッド・ベルジックは、東地区にある人民銀行の支配人であるが、密かにナチの再興を謀っている。彼は人民銀行の預金者で西側へ逃亡したい者に手を貸しているが、逃亡者はその後一人残らずようとして行方が知れず、その預金はベルジックの所有に帰してしまう。

 そこで君の使命だが、ベルジックの行為を阻止するとともに、彼の所有に帰した3000万ドルを上回る預金がナチの再建資金に使われぬようにすることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する。成功を祈る。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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