感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第34話(シーズン2 第6話)「人身売買の闇を葬れ!(後編)」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ
perry-r.hatenablog.com
 

第34話 人身売買の闇を葬れ!(後編) The Slave Part2 (シーズン2・第6話)

 

あらすじ

エルカバールの支配者の弟の妻を拉致したIMFチーム。競りにかかる直前のシナモン(バーバラ・ベイン)を彼女と入れ替え、奴隷売買の実態を暴くことができるのか。

※DVD版のタイトルは「対奴隷作戦(後編)」。


 第33話「人身売買の闇を葬れ!(前編)」の続編。

 フェルプスはデ・グルートの元にシナモンが扮した「歌姫」を連れて行き、実は自分の妻だと言って売り渡す。そのあとIMFチームはデ・グルートを拉致し、フェルプスはボルカに対し、デ・グルートは自分が殺したので今後は自分が奴隷供給役になると宣言し、強引にボルカたちの仲間になる。そしてシナモンを奴隷収容施設に放り込んでしまう。

 一方、ローランはボルカそっくりに変装して、誘拐してきたアバーラの前に現れ、ボルカが奴隷売買に関わっていることを印象付ける。その後、ローランは捜査官役でプリンス・ファサールの元に向かい、アバーラは奴隷として売られようとしているので、奴隷市に乗り込んで取り戻そうと言う。

 IMFはアバーラを眠らせてシナモンそっくりに変装させた後、奴隷収容施設に潜入し、シナモンとアバーラを入れ替える。やがてボルカが奴隷の競りを始めるが、そこにはローランに連れられてファサールが潜り込んでいた。やがて歌姫(=アバーラ)が競りにかけられ、ファサールは妻が売買されようとしているのを見て、正体を明かす。さらに兄ボルカが妻を誘拐して奴隷にしようとしたと信じ込み、激高してボルカを射殺し、その場で奴隷売買廃止を宣言する。

 最後、IMFチームがファサールたちに事情を説明した後、立ち去るシーンで〆。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ウィリアム・リード・ウッドフィールド&アラン・バルター


感想

 評価は△。

 二部作の後編だが、前編同様に展開がスローモーな事に加え、完全にオチの見えたストーリーを延々見せられたため、さすがに評価は辛めにせざるを得なかった。


 前編のラストでIMFチームがアバーラを奴隷用の牢獄に似せた部屋に閉じ込めたことで、最終的にIMFが何を狙っているのか見え見えになってしまい、後編はそのわかり切った結末に向けてダラダラと話を進めただけだったので、退屈なことこの上なかった。どうもスパイ大作戦の前後編とは、二回かける必要があるスペシャルなエピソードではなく、一話分のネタを水増しして二話撮影するという、ネガティブな意味合いしか無い模様である。前後編だから大作だろう、と期待していた分、反動で失望が甚だしかった。

 結局IMFチームは自分たちの手は汚さず、ボルカの弟のファサールの妻アバーラを誘拐しておいてファサールを煽り、最終的にファサールに兄殺しをさせるように持って行ってしまう。どう考えてもやり口が非常にダーティである。最後にIMFチームから事情を聞いたアバーラは、奴隷制度廃止のためなら再度同じ目にあっても構わないと許し、フェルプスも「あの手しかなかった」と詫びるが、IMFなら他にいくらでもやりようがあったはずで、任務達成後の爽快感も何もないエピソードであった。

 ところで、途中でIMFに拉致されたデ・グルートは、結局最後まで再登場することはなかったのだが、どうなってしまったのだろうか。IMFチームは、いつもは相手が悪人であっても基本的に人死にを出さない方針なのだが、今回はボルカもデ・グルートの部下も死ぬように仕向けているので、デ・グルートもIMFチームによってカメラが映していないところで殺された、というのが真相ではなかろうか。

 テーマも暗かったが、IMFチームも悪辣さも際立っており、どうにも暗い気持ちにさせられる二部作だった。


シーズン2(29~53話)の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下のページでどうぞ

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