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感想:NHK番組「空想大河ドラマ 小田信夫」第4話(最終回)「本能寺の辺」

信長の野望・創造

空想大河ドラマ 小田信夫 | NHKドラマ http://www.nhk.or.jp/dsp/k-taiga/
放送 NHK総合。全4話。15分ドラマ。

【※以下ネタバレ】
 

第4話(最終回) 『最終話 本能寺の辺』 (2017年2月25日(土)放送)

 

あらすじ

明智が謀反を起こしたとの一報を受け、逃げるよう諭す柴田やお毛に対し、間に合わなかったら嫌だと、逃げるそぶりも見せず「人間五十年」を舞う信夫。寺に火がかけられ、進退窮まり、何もかもどうでもよくなった信夫は、寺が炎上するさまを美しいと眺め、燃え盛る本能寺あたりの寺でいつまでも舞い続けるが...。

 小田信夫や柴田は黒田家との戦いのため、本能寺辺りの寺で待機していたが、そんなとき明智が謀反を起こしたという知らせが届く。柴田は信夫に逃げるように勧めるが、信夫は「逃げる途中で捕まったら格好が悪い」といい、「人間五十年」を舞い始める。しかし、やがて柴田もお毛(おもう:正室)もどこかに行ってしまい、信夫は一人で寂しく舞い続けることに。

 やがて明智は本能寺に火をつけ、さらに手勢を率いて乗り込んで来た。しかし信夫を見るなり「火が付いているのに何故逃げないのか」と説教する。そして、小田家の将来を考えているうちにうわーとなってしまったとか言い訳した挙句、やはり信夫は天下人の器だとか持ち上げる。それに気をよくした信夫は、火が付いたお寺で、また人生五十年を舞い始める。その後小田家や信夫たちがどうなったかは伝わっていない。


感想

 最終回も爆笑ではなく、ついプフッと笑ってしまうタイプのコメディでした。

 序盤だけは明智の謀反云々とシリアスな感じで進むのですが、すぐに


・お毛「どこにまいられるのですか?」、信夫「もはやここまで。最後に舞でも舞おうと思ってな」、お毛「え、なんで? 逃げたほうがよろしいんじゃありませんか?」、信夫「もう間に合わないし」、お毛「間に合わなかったらその時でしょ」、柴田「ですよねぇ?」、信夫「逃げるときに捕まって死んじゃったらカッコ悪いじゃん?」、柴田「死んじゃうんだからカッコ悪いもないでしょ?」


・お毛「明智殿は私の事は殺さないかも?」、柴田「多分そうですよ。それがしも坊主になるとか言って謝れば許してもらえるかも。悪いことしてないし」、信夫「ワシは?」、柴田「殿は……」、お毛「ねぇ」


・信夫が「人間五十年」をアレンジバージョンにして歌いだす(人生ッ、人生ッ、とか妙な繰り返しをつけて)


・明智が信夫に「火が付いているのなんで逃げないんですか! 誰が火をつけたとか関係なく、火が来たら逃げるでしょ?」とか説教する


 とか、シリアスな状況のはずなのに、最後までウヘヘッと笑ってしまうみょーな展開でした。


総括

 評価は○。

 ネプチューンの三人組と有名劇作家、さらに大河ドラマのスタッフが合体したという、見た目だけなら完璧に大河ドラマなコメディ。

 爆笑ギャグで徹底的に笑わせに来るのではなく、シリアスっぽい感じで始まった会話が途中からおっさんたちの妙なトークに変化していって、ついククッと失笑してしまう、という感じの愉快系ドラマでした。これがなんというか、趣味に合ってしまい、大層面白かったです。これはヒットでしたねぇ。


お笑いの世界でトップランナーをひた走るネプチューンが2017年、3人そろってシチュエーションコメディーに挑む! しかも、時代劇。


至るところに笑いがちりばめられたかつてない味わいの時代劇であり、と言ってコントではない、「空想大河ドラマ」と銘うった不思議な世界を生み出したのは鬼才・前田司郎。演劇界で最も権威がある「岸田戯曲賞」作家であり、小説では三島賞、テレビドラマでも向田邦子賞を次々と受賞。近年では自ら映画監督にも挑戦するという今、最も期待も注目も高い劇作家。仕掛けたのは大河ドラマの世界に前田流ひねりを加えた「空想大河ドラマ」。


舞台は戦国時代の架空の小大名、小田家。当主は小田信夫。同時代の英雄で似た名前の織田信長を意識しつつ、こじんまりと生きている。天下統一を口にしたりもするが、あくまで口だけ。わきを固める重臣も柴田勝夫に明智充とどこかで聞いたことのあるような名前だが、本物の迫力はかけらもない。そんな小田家の面々は襲いかかるどうでもいい試練にどう立ち向かうのか?打ち取った首をどこに飾っておくか、怖いし不気味だと押し付けあう殿と家臣。本能寺の近くの寺で「人間五十年~」と始めてみたが誰も見てくれないと怒る主君などなど…。
奇妙な会話が生み出す今まで味わったことのない笑いの数々を本格的な時代劇の装いでお届けする新感覚コメディー!



スタッフ
【作】前田司郎
【音楽】上野耕路
【制作統括】中村高志(NHK)
【演出】大原拓(NHK)


キャスト
小田信夫 ...堀内健
柴田勝夫 ...原田泰造
明智充 ...名倉潤
お毛 ...小西真奈美(小田信夫の正室)


現代語訳 信長公記 (新人物文庫)