【小説】あの「宇宙英雄ローダン・シリーズ」のリブート版「ローダンNEO」が2017年7月から刊行開始

Perry Rhodan Neo Paket 1: Vision Terrania: Perry Rhodan Neo Romane 1 bis 8 (Perry Rhodan Neo Paket Sammelband)
 

新生ペリー・ローダン爆誕!!

 Q:『毎月2冊、一年に24冊も新刊が出て、既刊が500巻を超えている小説シリーズはなーんだ?』 答えはハヤカワSF文庫から発売されている「宇宙英雄ローダン・シリーズ」です。

 細かい説明ははしょりますが、ドイツで1961年にスタートしたSF小説で、向こうでは【週刊】で発売(!)されており、日本版はその週刊二回分を本一冊にまとめて売っています。1971年から延々発売していて、既刊が500冊を超え、本棚だけでもとんでもないスペースを必要とし、もう新規読者お断り・マニアしか追いつけない的な、超々々々大河小説なのです。

 そして、そういう「初心者門前払い」的な状況は本国ドイツでも同じ……、なのかどうかは知りませんが、シリーズ開始50周年の2011年に、設定をリニューアルして一からやり直したリブートシリーズ「Perry Rhodan NEO」がスタートしました。そして2017年、ついに日本でもその「NEO」が「ローダンNEO」としてスタートする運びとなりました。

ローダン新プロジェクト〈ローダンNEO〉刊行開始!
http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2017-04-27-173913.html
全世界で累計発行部数10億部を超える、世界最長のSFシリーズ〈宇宙英雄ローダン〉。


その50周年企画としてドイツで2011年にスタートしたリブート・シリーズ〈ローダンNEO〉をハヤカワ文庫SFから刊行します。


第1巻『スターダスト』は2017年7月刊、以下、第1シーズン全8巻を2018年2月まで毎月刊行します。


〈ローダンNEO〉は2036年の近未来に舞台を設定。米国・ロシア・中国の三大国が宇宙開発を競うなか、NASAの宇宙飛行士であるペリー・ローダン少佐は月面に出現した地球外生命体とコンタクトすべく月面に向かう。だが、そのミッションは密命を帯びていた……。現代の世界情勢を反映した国家間の対立も描かれ、従来のローダン・シリーズより物語に厚みが出ています。


ローダン・デビューのチャンスは、いま! もうひとつの〈ローダン〉の歴史を描く新シリーズにご期待ください。

 「従来のローダン・シリーズより物語に厚みが出ています。」とか、ハヤカワ自らが本家シリーズを貶してどうする、という気もしますが、とりあえずそういうシリーズがスタートするのです。いや、ビックリしたなぁ。まさかこれを翻訳するとは思わなかった。


イラストはこんな感じ

 そしてイラストは……、

〈ローダンNEO〉日本版 イラストレーターがtoi8氏に決定!イメージビジュアルを初公開!
http://www.hayakawa-online.co.jp/new/2017-05-15-163722.html

7月下旬より刊行される、世界最長のSFシリーズ〈宇宙英雄ローダン〉のリブート・シリーズ〈ローダンNEO〉のイラストレーターがtoi8(トイハチ)氏に決定いたしました。


〈宇宙英雄ローダン〉シリーズ正篇は、イラストレーターにして戦後を代表する挿絵画家でもある依光隆氏が、1971年の刊行開始から2010年まで一人で367巻のカバーと挿画を手がけました。2010年からは、特撮ものやロボット絵画を超絶的なリアルさで描いてきた工藤稜氏が後任として、すでに170巻以上書き続けています。


新たに〈ローダンNEO〉第1シーズンのカバーイラストを担当するtoi8氏は、日本のゲーム・アニメ・漫画界を牽引するイラストレーターのひとり。橙乃ままれまおゆう魔王勇者〉シリーズ、芝村裕吏〈セルフ・クラフト・ワールド〉シリーズなど数多くの小説のカバーイラストを手がけるかたわら、「チェインクロニクル」等のゲーム・アニメのキャラクターデザインも担当しています。


toi8氏によるイメージビジュアルには、新しいイメージのペリー・ローダン、そして腹心の部下レジナルド・ブル、アルコン人のトーラが登場。〈宇宙英雄ローダン〉シリーズのスケール感はそのままに、リブートにふさわしく現代風にアップデートされています。

 ああ……、依光先生がローダンのイラストから降りた時(2009年末)に、「今後のイラストが今風のラノベ的なアニメ絵になったらどうしよう……」と危惧したのですが、その時の心配が8年越しで的中してしまいました……、トーラたんがこんなアニメ顔美女になって、ブリーがこんなカッコいいおっさんになろうとは……、おおお(ト書き:顔を覆って泣く) いや、まあ、慣れるしかないか……


ラインナップ

 「ローダンNEO」で発売が予定されている8冊は、原書を読んでいる方の情報によれば以下のラインナップのはずです。

ローダンNEO、第4部刊行発表: ごやてん跡地
http://www.goyaku.com/2012/06/neo4-b18e.html

 第1部
  1. Frank Borsch / Sternenstaub / スターダスト
  2. Christian Montillon / Utopie Terrania / 理想郷テラニ
  3. Leo Lukas / Der Teleporter / テレポーター
  4. Wim Vandemaan / Ellerts Visionen / エラートのヴィジョン
  5. Michael Marcus Thurner / Schule der Mutanten / ミュータント・スクール
  6. Frank Borsch / Die dunklen Zwillinge / 闇の双生児
  7. Arndt Ellmer / Flucht aus Terrania / テラニア脱出
  8. Hubert Haensel / Die Terraner / テラナーたち


第1部では、西暦2036年、大幅な予算削減に苦しむNASAの起死回生の一手として打ち上げられた、地球・月往還宇宙船《スターダスト》のパイロット、ペリー・ローダンが、月面でアルコン人の宇宙船《アエトロン》を発見、その超技術を借りて地球統一をめざす……

 ふーん……、どうなんでしょうかねぇ、売れますかねぇ? まあ、ローダンファンとしては押さえずにはいられませんが、新規のファンをつかめるかどうかはちょっと期待薄かなぁと予測するところです。
 
本家「宇宙英雄ローダン・シリーズ
黄金の粉塵人間 (宇宙英雄ローダン・シリーズ544)