感想:アニメ「キャプテンフューチャー」第20話「透明惑星の幻人間」

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東映チャンネル | キャプテンフューチャー http://www.toeich.jp/program/1T0000010881/201705
放送 CS放送東映チャンネル。全52話。1978年~1979年作品。

【※以下ネタバレ】
 

第20話 透明惑星の幻人間(まぼろしにんげん) (「透明惑星危機一髪!」より)

 

あらすじ

 「透明惑星危機一髪!」編・第4回(全4回)

 キャプテンフューチャーたちは、謎の偏光現象により物が見えなくなってしまったが、フューチャーはコメット号の計器を指で触って確認することで、なんとかコメット号を透明惑星に着陸させることに成功する。しかしフューチャー一行は、惑星の住民たちに捕まって牢に入れられてしまう。

 直後フューチャーたちを一人の地球人の老人が訪ねてくる。老人はハリス・ヘインズという、40年前に異次元の探検に出かけたまま行方不明となっていた人物だった。ヘインズはクォルンたちの宇宙船で地球に連れ帰ってもらう予定だと言う。フューチャーは強引にヘインズに状況を説明させる。

 実はこの惑星は、大昔は目に見えるごく普通の惑星だった。しかし同じ星系の惑星に住む水棲人から攻撃をたびたび受けるため、ある科学者が「宇宙の宝石」という機械で惑星を透明化させたのだった。住人たちは何も見ることが出来なくなったものの、攻撃を受けるよりはマシと考え、聴覚を発達させて生きる道を選んだ。それから長い年月が経ち、もはや水棲人たちは絶滅していたが、今更透明化を解除しても、目が見えず科学力も発展していない住民たち「幻人間」(まぼろしにんげん)たちは外敵から身を守れないため、透明化を続けているのだった。

 ヘインズは40年前、「宇宙の宝石」目当てでこの惑星にやってきたが、やがて住民たちを気に入り、宇宙船を壊してこの星に永住することを選んだ。しかし歳を取り、命が残りわずかなことを悟ると、望郷の念が耐えがたくなったのだという。

 しかしクォルンはヘインズとの約束を破り、「宇宙の宝石」を奪い去ってそのまま逃走してしまう。置き去りに資されたヘインズはクォルンの船の攻撃で死んでしまった。

 フューチャーは、クォルンの目的は、自分の基地惑星を透明化して外部からの攻撃を受けないようにしてしまう事だと見ぬく。フューチャーたちはクォルンの宇宙船を追跡して乗り込み、クォルンと秘書のヌララは取り逃がすものの、宇宙の宝石は奪還することが出来た。フューチャーたちのおかげで、幻人間は再び透明惑星を取り戻した。すべてが終わり、フューチャーたちは、懐かしの地球へと帰っていった。


脚本:星山博之


感想

 序盤にフューチャーがコメット号の計器をじかに触れることで状況を確かめる、というシーンがあります。原作は多分ここは「計器の針」の振れ具合を確かめているから物が見えなくてもなんとかなる、という事だと思いますが、アニメでは電子機器なので、そのデータを指でどう確かめるというのか、とつい笑ってしまいました。

 このエピソードの一話目から「ハリス・ヘインズという男が異次元宇宙に行ったらしい」と度々説明されるのですが、本人は全然出てこないので、台詞の上だけの存在かと思っていたら、最後にまさかの登場。ちょっと意表を突かれました。

 散々引っ張り続けていた「歴史上最大の宝物」の正体は、惑星透明化装置でした。確かに凄い機械ですが、クォルンが「宝を手にいれた暁には、銀河系を支配できるぜ、フハハハハ」と豪語するような物でも無いような……、そもそもこれ「宝物」か? とキャプテンフューチャーらしいツッコミどころ満載の真相でした。でも、まあまあ面白かったよ。


一言メモ

 原作小説では、クォルンは「太陽系七つの秘宝」「透明惑星危機一髪!」の二作に登場し、「透明~」のラストでお別れとなります。しかし何故かアニメでは作品の放送順が入れ替わっているため、クォルンとヌララはまんまと逃走し、次のエピソード「太陽系~」で再度フューチャーと対決することになります。何故入れ替えたのかなぁ?


キャプテンフューチャー」の他のエピソードのあらすじ・感想は、以下からどうぞ

アニメ「キャプテンフューチャー」あらすじ・感想まとめ


透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド <キャプテン・フューチャー全集4> (創元SF文庫)