【映画】感想:映画「タワーリング・インフェルノ」(1974年:アメリカ)

タワーリング・インフェルノ [DVD]

BS-TBS 映画 http://www.bs-tbs.co.jp/movie/
放送 BS-TBS。2017年3月7日(火) 21:00~23:54。

【※以下ネタバレ】
 

全世界を震撼させた、パニック映画の最高傑作!


ポール・ニューマンスティーブ・マックイーンウィリアム・ホールデンフェイ・ダナウェイら豪華競演で贈る、アクションサスペンスの草分けとも言うべき本作は、1974年のオスカー(R)(撮影賞、編集賞、歌曲賞)に輝いた。天高くそびえるビルの落成式当日、電気系統の故障により階下で火災が発生。祝賀ムードは一転、地獄絵巻が繰り広げられる!

 

あらすじ

 サンフランシスコに高さ138階の超高層ビル・グラスタワーが完成した。しかし完成早々トラブルが多発し、ビルの設計者のダグ・ロバーツは、電気回線のケーブルが自分が指定した物よりはるかに質の低い物が使われていると知り愕然とする。慌ててロバーツは各階の配線の緊急チェックを開始するが、ビルのオーナー・ダンカンは気にも留めなかった。しかしその時に既に81階の倉庫では電気系統から火災が発生していたが、誰もそれに気が付いていなかった。

 夜。ダンカンは各界の名士を集めた落成式を135階のプロムナードルームで開催する。一方、各階のチェックを続けていたロバーツたちはついに火災に気が付き、すぐに消防に連絡するが、ダンカンはボヤだと決めつけ、内々に処理しようとする。

 やがて消防隊が到着し、チーフのオハラハンは消火を開始する一方、ダンカンに式を中止して避難するように指示する。ダンカンは、しぶしぶ客たちにボヤが起きたので式の会場を一階に移すと発表する。観客たちはエレベーターで移動を始めるが、その間に火はとめどもなく拡大し続け、たちまち客たちは135階から移動できなくなってしまう。

 ロバーツは逃げ遅れたビルの住民を救出しようとして、自分たちも135階に追い込まれてしまう。その過程で、ロバーツは、ビルのスプリンクラーを始めとする消火設備が、自分の設計とは全く異なる手抜きで工事されていることを知る。実はダンカンたち経営陣は、ビルの建設の費用のねん出に苦しみ、ロバーツの設計を無視した手抜きを指示していたのだった。

 消防隊の必死の活動にもかかわらず、火災は全く衰えを見せず拡大を続けてしまう。ヘリコプターによる救出は強風のため実施できず、消防は135階と近くのビルとの間にワイヤーをつなぎ、一人ずつ脱出させていくが、火の急速な拡大の前に、火が回るまでに全員が脱出するのは不可能だった。

 135階に火が回るまで残り十数分となり、ついに消防は最後の手段として、ビルの屋上にある貯水タンクを爆破することでビルを水浸しにして鎮火させる、という決断を下す。オハラハンは爆破の専門家として屋上に向かい、ロバーツと共に爆弾を仕掛け爆発させる。135階は、火災、猛烈な水流、崩壊した建造物、等により阿鼻叫喚の地獄と化すが、オハラハンやロバーツたちはなんとか生き残る。そして猛烈な水流の落下により、さしもの大火災も鎮火するのだった。

 救出されたロバーツは、焼けただれたグラスタワーを今後への戒めとして保存するべきだとつぶやく。オハラハンはロバーツに向かい、ビルの設計者が消防にビルの建て方について聞きに来ない限り、今後も同じことが起きると警告する。ロバーツはいつ行けばいいのかと尋ね、オハラハンはいつでも歓迎だと答える。


感想

 評価は◎。

 1970年代に量産されたパニックムービーの中で最高の評価を受けた大傑作。劇場公開時に既に物凄い評判で、当然見に行きましたが、豪華な内容で大満足したことを覚えています。そしてテレビ放送されたものを数十年ぶりに改めて見たのですが……、凄い、作られてから43年経った映画なのに、今見ても何の問題も無く楽しめました。これは文句なしの大傑作です。

 「タワーリング~」は、この手のパニック系映画にありがちな「事件が起きる前の主人公と家族や恋人との平凡な日常」を延々と描くような野暮はしておらず、冒頭から発電機トラブルや何かが発生しているスピーディーな滑り出し。しかも、お目当ての火事も(最初は誰も気が付いていませんが)極めて早い時期から発生しており、序盤からワクワクさせられます。

 さらに、一度火事が発覚すると、あとは息つく暇もないままストーリーが怒涛の如く展開し、2時間45分(165分)という長尺映画にもかかわらず、全く退屈する暇など無く、比喩でも何でもなく本当に手に汗を握りっぱなしでした。ほとんどすべての映画は、「途中でだれる展開がある」という宿命を背負っていますが、この映画は奇跡的にそんな時間を無くしています。脚本を書いた人には心底感服しますね。

 さらにこの映画はキャストも物凄く、スティーブ・マックイーンポール・ニューマンの夢の競演というだけでもおなか一杯なのに、さらに脇を支えるのが、ウィリアム・ホールデンフェイ・ダナウェイロバート・ボーン、ロバート・ワグナー、フレッド・アステア、といった、それぞれが映画の主役を張れるような豪華俳優陣。この人たちに払ったギャラだけで映画が一本撮影できたのではないかと思える豪華さでした。あと、のちにスキャンダルで有名になったO・J・シンプソンが出ていたのは、今見ると感慨深いですねぇ。


 という事でめちゃくちゃ面白い映画で、三時間近くの視聴時間が一瞬だと思えたほどの稀有な作品でした。


一言メモ

 このバージョンではマックイーンの吹き替えは小山力也氏。しかしこれはちょっと……、力也アニキがアクションヒーロー声なのは認めますが、マックイーンの声というのは何か違うと思いました。


タワーリング・インフェルノ [吹替] 2017/3/7(火) よる9:00~11:54


キャスト
マイケル・オハラハン…スティーブ・マックイーン
ダグ・ロバーツ…ポール・ニューマン
ジェームス・ダンカン…ウィリアム・ホールデン
スーザン・フランクリン…フェイ・ダナウェイ


スタッフ
1974年 アメリカ
監督:ジョン・ギラーミン
製作:アーウィン・アレン
脚本:スターリング・シリファント

 
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