感想:小説「ハイパー空間封鎖」(宇宙英雄ローダン・シリーズ 546巻)(2017年6月8日(木)発売)


ハイパー空間封鎖 (宇宙英雄ローダン・シリーズ546)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150121281
ハイパー空間封鎖 (宇宙英雄ローダン・シリーズ546) 文庫 2017/6/8
H・G・エーヴェルス (著), 渡辺 広佐 (翻訳)


ポルレイターがローダンに大艦隊を準備するよう迫っているころ、キサイマンはテラの地下で発見した転送機ネットを探索していた!


NGZ425年12月、テラにおけるポルレイターの専横ぶりは度をこしていた。ポルレイターの代表ラフサテル=コロ=ソスはペリー・ローダンに、自由テラナー連盟、宇宙ハンザ、GAV¨OKに所属する宇宙船を数十万隻擁する艦隊を準備するよう迫る。大艦隊をひきいて、超越知性体セト=アポフィスの補助種族が住む諸惑星に出動し、懲罰をくわえるというのだ。一方、子供たちをふくむ“虎の一味”はいまだに行方不明だった!

 
発売日 = 2017年6月8日(木)
サイクル= 第16サイクル「宇宙ハンザ」
 
【※以下ネタバレ】
 

内容

◆1091話 ハイパー空間封鎖(H・G・エーヴェルス)(訳者:渡辺 広佐)

 ポルレイターは、銀河系各種族に圧力をかけるため、種族が太古に設計した「ハイパー空間破壊装置」をネーサンに製造させるが!?


 基本的に本編と関係ない(削除しても問題のない)エーヴェルス先生が自由にやった話の前編。ということで、本筋は全く進まない代わりに、超空間が破壊され、虎の王者キサイマンとその一党が未知惑星で大活躍する、という話ですが、意外にも結構面白かったです。特にP93からP99にかけて、スプリンガーが裏切ったふりをしてポルレイターを騙す一幕は妙に楽しくて。

 ところで、P79を読む限り、超重族は銀河系社会の一員として認められているようです。公会議時代はラール人の手先となって暴虐の限りを尽くしたので、とても銀河系社会に復帰できるとは思えなかったのですが、400年も前の事を蒸し返したりはしないのでしょうか。まあ現実世界でもドイツは国際社会に復帰してますし、超重族首脳による謝罪とか賠償とかが有ったのかな。



◇1092話 転送機ネット作戦(H・G・エーヴェルス)(訳者:渡辺 広佐)

 ローダンたちは転送機ネットワークを利用して物資を運搬を開始するが!?


 エーヴェルス先生が自由にやった話の後編。最終的に、超空間破壊は元に戻って何も無かったことになり、また便利過ぎる物質転送機ネットワークは壊されて本篇に影響が出ないように処理されました。まあこれはこれで面白かったです。しかしP251でゲシールが「人類はくずだ」とか見下しているのは結構衝撃的ですよ。


 前半・後半ともまずまずのお話でした。


表紙絵

 メインは、向かって右のマスクマンがアラスカ・シェーデレーア。左が虎の王者キサイマン。背景は秘密物質転送機。


あとがきにかえて

 担当は「渡辺広佐」氏。全5ページ。友人とハイキングに行った話&友人の近況報告メールの話。


次巻予告

 次巻は547巻「試験惑星チェイラツ」(デトレフ・G・ヴィンター&H・G・エーヴェルス)(2017年6月22日(木)発売予定)。