感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第62話(シーズン3 第9話)「もう一冊の台本」

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【※以下ネタバレ】
 
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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン3」あらすじ・感想まとめ
 

第62話 もう一冊の台本 The Play (シーズン3 第9話)

 

あらすじ

共産圏でアメリカとの不可侵条約を結ぼうとしている首相の失脚を目論むUCR国の文化大臣で国立劇場の演出家クーロー。反アメリカの芝居を上演する名目でUCR国で劇場に立とうとするIMFチーム。彼らは首相らの前で大臣の背信を暴くことができるのか!?


共産圏でアメリカとの不可侵条約を結ぼうとしている首相の失脚を目論むUCR国の文化大臣で、国立劇場演出家のクーロー。反アメリカの芝居を上演するという名目でUCR国に入り、劇場に立つ計画を進めるIMFチーム。彼らは首相らの前で大臣の背信を暴くことができるのか!?

※DVD版のタイトルは「巨頭会談」。


【今回の指令】

 東側国家UCRの首相レオン・バドスは、アメリカとの間に不可侵協定を締結する意思を見せている。ところが同国の文化相であり国立劇場の演出家であるミロス・クーローは、全く逆に反アメリカの宣伝活動を展開している。クーローの目的は、国民に首相への不満を抱かせ、失脚させることにある。IMFは、アメリカとUCRの平和のために、クーローの意図を粉砕しなくてはならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、ローラン、シナモン、バーニー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 東側国家UCR


【作戦】
 IMFは、まずアメリカを訪問中のクーローを舞台劇「巨頭会談」のこけらおとしに招待する。劇の内容はアメリカ大統領とUCRの首相を演じる役者二人が政治的対話を行うという反米的な物である。さらにIMFは自作自演で動員したエキストラを劇場の前に押しかけさせ、劇の上演反対デモを展開させて、劇が中止になったふりをする。興味を持ったクーローは、脚本家役シナモンと役者役のフェルプス、ローランを呼んで自分の前で劇を演じさせ、クーローは内容がアメリカ批判に満ちているので気に入って、UCRで演じさせることにする。

 ところがクーローは劇は自国の有名俳優二人に演じさせると言い出す。ローランはUCRに乗り込むと、まず片方の役者にすり替わり、劇のリハーサルで相手役を徹底的に侮辱したため、もう一人の俳優はおりてしまう。そこでシナモンは夫のフェルプスがこの国に来ていると言って、代役として参加させる。

 そのあと、シナモンたちはバドス首相の元に行き、クーローが脚本をいじって首相を徹底的に侮辱する内容にしていると嘘を吹き込む。首相がリハーサルを見物にやって来ると、バーニーは「音の壁」で首相に舞台の台詞が聞こえないようにしたあと、あらかじめ録音していたテープを聞かせる。首相はテープに録音されている首相を貶める内容の台詞を舞台の役者が話していると思ってしまう。さらにシナモンは隙を見てクーローが持っている台本をすり替える。

 首相は怒ってクーローに詰め寄り、クーローは慌てて台本を見せるが、その内容も首相を侮辱する台詞が書かれていた。クーローは首相の命令でどこかに連れていかれてしまい、IMFメンバーがそれを見送るシーンで〆。


監督: リー・H・カッツィン
脚本: ロー・ショウ


感想

 評価は△。

 徹底的に間延びした中身の薄いエピソードで、最後の最後まで退屈だった。

 IMFが苦労してクーローが架空の舞台劇を上演するように持っていくものの、結局やることは「首相に嘘の台詞を聞かせて怒らせ、クーローを粛清させること」とただそれだけで、あまりにも作戦が空っぽすぎて泣けて来てしまった。もっと綿密に練り込まれたミッションを見せてほしかった。

 舞台となる国の名前がただ「UCR」とアルファベットだけなので、実に奇妙に感じたが、「UCR国内でドイツ語を使っている」事が解って疑問も氷解した。明らかにモデルとなっているのは東ドイツだが、東ドイツは略称を「DDR」と表記するからである。

 今回のサブタイトルの原題「The Play」とは「脚本」のこと。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがビルの屋上から梯子を上ってもう一段上に登る。登った先の煙突の側には袋が置いてあり、中には封筒とオープンリール式テープレコーダーが入っている。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なおこのテープは直ちに処分する事」といい、フェルプスはテープを側の煙突の中に放り込む。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。写真の人物はミロス・クーローといって、UCRの文化相兼国立劇場の演出家である。クーローは現在猛烈な反アメリカ宣伝を展開中であるが、これは首相レオン・バドスに対する国民の不信任を招き、やがては失脚させる為であり、しかもその首相バドスは目下我が国との間に不可侵協定を結ぶ気構えを見せているのだ。

 そこで君の使命だが、UCRと我が国との平和確保の為にクーローの意図を粉砕することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは直ちに処分すること。成功を祈る。
 
 

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