感想:アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」第12話(最終回)「世界で一番幸せな女の子」

TVアニメ『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』OPテーマ「DEAREST DROP」(アニメジャケット盤)

TVアニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」公式サイト http://sukasuka-anime.com/
放送 AT-XAT-Xが最速放送)。全12話。

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『世界で一番幸せな女の子 -CHTHOLLY-』 (2017年6月27日(火)放送)(最速放送)

 

あらすじ

 飛行船内部は群がる獣によって阿鼻叫喚の地獄と化していた。ネフレン、ノフト、ラーントルクたちに加え、さらにヴィレムも戦いに参加するものの、圧倒的な数の差の前に全員が力尽きてしまう。船は獣を振り切るため大角度での上昇を開始するが、力尽きたネフレンは振り落とされ、彼女を救うためヴィレムもその後を追った。

 クトリは夢の中で星神エルク・ハルクステンと共に状況を見つめていたが、死を覚悟して覚醒し、ヴィレムたちを救うため地上に向かった。そして無数の獣たちを倒し、瀕死のヴィレムの元に帰ってくる。


 島では人々がヴィレム、クトリ、ネフレンの死を悼んでいた。大賢者はヴィレムの鼓動を探知して居場所を探そうとするが、全く反応はなく、戦死したものと諦めていた。しかし大賢者が部屋を離れた後に鼓動の反応が発生する。最後、どこかでは小さいクトリ的な赤ん坊が生まれるシーンで〆。


■脚本:枯野瑛 ■絵コンテ:和田純一 ■演出:和田純一 ■作画監督:下條祐未・山田真也・齋藤温子・山田英子・松尾信之・吉田巧介・桑原良介・河野絵美・長坂寛治


感想

 今回のシナリオも原作者の枯野瑛氏が自分で書いてました。こういうの、原作者とアニメの作り手とどっちから話を持ち出すのでしょうか。

 最終回だけに、なんとなく泣ける感じの曲とか、クトリの「とっくに幸せだったから」という台詞とか、エルク・ハルクステンの「くとり がんばれ」とか、それなりに泣かせる要素に満ちていたのですが、もう少しパンチ力が欲しかったなぁと思うところ。「Air」の海辺のシーンくらい泣かせてくれたら良かったのに。

 ラストは……、よくわからなかったなぁ。まあクトリが死んで転生した、という描写だと思うのですが、赤ん坊を抱き上げた女性二人は何者なのか? ヴィレムは生きているのか? 戦死扱いのネフレンはどうなった? と、ここで締めにされても困る、というオチだったです。もうちょっとなんとかならなかったか? とは思うのですが、1クールに詰め込める話に限界があるし、仕方なかったのかも。


総括

 評価はなんとか○。

 10~20年前に流行った感動系ゲームをアニメ化したような感じの作品でしたが、今一つキレに欠ける展開で感動度ももう一つでした……


 500年前、突如現れた「獣」と呼ばれる怪物によって地上は蹂躙され、僅かに生き残った者たちは空に浮かぶ島々に落ちのび、獣の襲撃に怯えながらなんとか暮らしていた。「勇者」だったヴィレム・クメシュは、500年後の世界で目覚めるが、人間が既に滅びたと知り、気力を無くして死んだように暮らしていた。やがてヴィレムは軍の兵器が収められている「倉庫」の管理人に任命されるが、兵器とは年端もいかない少女たちの事で……


 世界は大半が滅んでしまい、生き残った人々も怪物の襲撃に怯える日々。年端もいかない少女たち(に見える妖精)が、世界の期待を背負って戦場に駆り出され、戦死するか自爆か精神がおかしくなるか、の三択しかない、という非情な世界観。あまつさえ、メインヒロインのクトリは、主人公ヴィレムとの仲は接近していくのに、記憶はどんどん失われていくという展開。

 と、泣き要素が満載だったのですが、実際には設定は理解できるものの今一つ心に沁み込んでこないため、「やりたいことはわかるけど力不足」という印象を抱くばかりでした。頑張っていることはそれなりに伝わってくるのですが、どうも毎回不発で毎度毎度見終わるたびに「もう少し何とかならないか」ともどかしい思いでいっぱいでした。

 ラストも泣きの王道的展開でまとめたのですが、やはり物足りなさが残りましたしねぇ……


 結局のところ、全然ダメではなかったのですが、もうちょっと頑張ってほしかった、という評価となりました。残念。
 

いま俺は、彼女たちの終わりに手を貸している

妖精兵器と呼ばれる少女たちと
生き残った準勇者との儚くそして切ない物語。

地上を正体不明の怪物である〈獣〉たちに蹂躙され、人間を含む多くの種族が滅ぼされた後の世界。
かろうじて生き残った種族は地上を離れ、浮遊大陸群(レグル・エレ)と呼ばれる空飛ぶ群島の上に暮らしていた。

500年後の空の上で目覚めたヴィレム・クメシュは、守りたかったものを守れず、それどころか自分一人だけが生き残ってしまった絶望から世捨て人のような生活を送っていたが、思いもよらず始めた兵器管理の仕事の中で、ある少女たちと出会う。



制作会社
サテライト、C2C


スタッフ情報
【原作】枯野瑛終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」(角川スニーカー文庫刊)
【キャラクター原案】ue
【監督】和田純一
【シリーズ構成】枯野瑛
【脚本】枯野瑛、根本歳三、永井真吾、望月真里子
【キャラクターデザイン・総作画監督】今西亨
ワールドコンセプトデザイン】ブリュネ・スタニスラス
【コンセプトデザイン】ホッチ、浅沼信也、田中俊成(バーンストーム・デザインラボ)
【デザインワークス】大川広行
【プロップデザイン】福永純一
【美術設定】一色美緒(Studio Wyeth)、佐藤正浩(ヘッド・ワークス)、塚本千晶(ヘッド・ワークス)、浅沼信也
色彩設計】高木雅人
美術監督】一色美緒(Studio Wyeth)
【背景】Studio Wyeth
【3DCGディレクター・3DCG】向純平
【撮影監督】久保田淳
【撮影】サテライト デジタル部
【編集】定松剛
【音響監督】本山哲
【音楽】加藤達也
【音楽プロデューサー】斎藤滋
【音響制作】ダックスプロダクション
【音楽制作】ランティス
【アニメーションプロデューサー】金子文雄、山田良輔
【統括プロデューサー】伊藤敦


音楽
【OP】田所あずさ「DEAREST DROP
【ED】TRUE「フロム」


キャスト
ヴィレム・クメシュ:新井良平
クトリ・ノタ・セニオリス:田所あずさ
アイセア・マイゼ・ヴァルガリス:Machico
ネフレン・ルク・インサニア:上原あかり
ラーントルク・イツリ・ヒストリア:荒浪和沙
ノフト・ケー・デスペラティオ水瀬いのり
ティアット:水間友美
パニバル:久保ユリカ
ラキシュ:石見舞菜香
コロン:木野日菜
アルミタ:小日向茜
ナイグラート:井上喜久子
グリック・グレイクラック:千葉繁
ライムスキン:小杉十郎太
アルマリア・デュフナー:佐藤聡美
フィラコルリビア・ドリオ:井上ほの花
リーリァ・アスプレイ:佐藤利奈
スウォン・カンデル:麦人

 
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫)