感想:アニメ(新番組)「プリンセス・プリンシパル」第1話「case13 Wired Liar」

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TVアニメ『プリンセス・プリンシパル』公式サイト http://www.pripri-anime.jp/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

東西に分裂したロンドンで繰り広げられる、少女たちのスパイアクション!


舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。
伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。
彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。
変装、諜報、潜入、カーチェイス……。
少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。


「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

 

第1話 『#01 case13 Wired Liar』

 

あらすじ

 19世紀末。アルビオン王国は「ケイパーライト」を用いた大空中艦隊を擁していたが、革命によって「王国」と「共和国」に分裂した。首都ロンドンは東西に分割され、その境界には「ロンドンの壁」が作られていた。

 共和国側の少女たちからなるスパイチームは、共和国に亡命希望の研究者エリックを保護して、彼女たちの拠点であるクイーンズ・メイフェア校にかくまう。しかし実はエリックは王国側の諜報機関の協力者であり、共和国側の亡命ルートを暴く役割を担っていた。スパイ・アンジェたちはその事をすぐに看破し、敵の作戦チームを壊滅させ、アンジェはエリックを射殺した。


感想

 評価は△。

 架空の19世紀末を舞台に美少女スパイたちが暗躍する、スチームパンク風(蒸気機関は出て来ませんが)アクションもの。もうちょっとキャビキャビした内容だと思っていたので、意外に暗い世界観にちょっと意表をつかれました。キャラはウケるデザインでも内容はハード、という事で、ちょっと「NOIR ノワール」を思い出したりして。

 冒頭ナレーションで「ケイパーライト」云々と言い出して、もう笑った笑った。オールドSF好きなら大体わかっちゃいますが、これはイギリスのH.G.ウェルズ先生が考えた「引力遮断物質ケイバーリット」の明白なパクリ、もといオマージュ。ケイバーリットは、これを使うと引力のくびきから逃れて宇宙にでも簡単に行ける、という代物ですが、こちらのケイパーライトも同じような物らしいです。

 お話は……、ううん。冒頭は空中に飛翔しまくるアクションシーンにちょっと良いかと思ったのですが、ニンジャが出てきた時点で「あれぇ?」感は否めず。その後の展開は、「謀略渦巻く19世紀末」をカッコよく描いているつもりみたいですが、私の感想では底が浅いというか、借り物っぽいというか。

 例え他作品に似たような設定が有っても、全体に上手く調和していて受け手を作品世界に引きずりこんでくれればなにも文句はないのですが、この作品の場合「影のある女の子にウソウソ言わせて、裏切りまくりの話にしておけば、ほらカッコいいでしょ?」みたいな底の浅さしか感じない。大体基本設定がベルリンの壁の19世紀版というのもどうかという感じがするしねぇ。

 まあ、女の子が声帯模写で敵のボスを騙すところだけは、スパイ大作戦みたいでちょっとだけウケましたけど。


 慣れてくれば評価も変わるかもしれませんが、初回はいきなりいまいちでしたなぁ。

<スタッフ>
監督:橘正紀
シリーズ構成・脚本:大河内一楼
キャラクター原案:黒星紅白
キャラクターデザイン・総作画監督:秋谷有紀恵
総作画監督西尾公伯
コンセプトアート:六七質
メカニカルデザイン片貝文洋
リサーチャー:白土晴一
設定協力:速水螺旋人
プロップデザイン:あきづきりょう
音楽:梶浦由記
音響監督:岩波美和
美術監督:池信孝
美術設定:大原盛仁、谷内優穂
色彩設計:津守裕子
HOA(Head of 3D Animation):トライスラッシュ
グラフィックアート:荒木宏文
撮影監督:若林優(T2 studio)
編集:定松剛(サテライト)
アニメーション制作:Studio 3Hzアクタス



音楽
【OP】Void_Chords feat.MARU「The Other Side of the Wall」
【ED】アンジェ(cv.今村彩夏)/プリンセス(cv.関根明良)/ドロシー(cv.大地葉)/ベアトリス(cv.影山灯)/ちせ(cv.古木のぞみ



<キャスト>
アンジェ:今村彩夏
プリンセス:関根明良
ドロシー:大地葉
ベアトリス:影山灯
ちせ:古木のぞみ
L(エル):菅生隆之
7(セブン):沢城みゆき
大佐:山崎たくみ
ノルマンディー公:土師孝也
ガゼル:飯田友子