感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第84話(シーズン4 第6話)「神父の正体」


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【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のページでどうぞ
海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ
 

第84話 神父の正体 Commandante (シーズン4 第6話)

 

あらすじ

捕らわれ中の神父を再び指導者にするため、まずは神父を解放させるべく計画を進めるIMFチーム。バーニー(グレッグ・モリス)のヘリ作戦は見事成功するか。

※DVD版のタイトルは「自爆」。


【今回の指令】
 某独裁国家では、神父ドミンゲン(Father Paolo Dominguin)が、独裁に反対する民主革命運動の中心的指導者として活躍していた。ところが最近になり、極東の敵性国家(our far Eastern enemies)がその運動に介入し乗っ取ってしまった。その国家の手先は、神父を裏切ったカルロス・マテオ(Carlos Martillo)と、国際的革命屋ホアン・アセロ(Juan Acero)の二人である。IMFは神父ドミンゲンを救出し、再び彼が民主化運動の指導者になるようにしなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 某独裁国家


【作戦】
 現在、革命運動はアセロが司令官となり、山奥の村に本部を構えている。アセロ司令官とマテオは犬猿の中でいがみ合っており、ドミンゲン神父をどうするのかについても対立していた。単純なマテオはさっさと処刑すれば良いと考えているが、アセロ司令官は民衆に慕われているドミンゲン神父を殺せば、自分たちの身が危ないと危惧していた。アセロ司令官は、民衆には「神父はアメリカの手先で革命の敵だ」と熱弁していたが、民衆は全く信じようとしていなかった

 やがてフェルプスは宗教組織「信仰の友の会」の一員に扮して革命勢力の基地に現れ、神父の解放を要請した。アセロ司令官は、その代償として生活物資や武器弾薬を要求し、フェルプスは嫌々ながらそれに従う。やがて物資や武器を積んだトラックがやってくるが、その中には分解されたヘリコプターの部品が入っており、バーニーは空き地でこっそりヘリを組み立て始める。

 やがてアセロ司令官は、バーニーやヘリに気が付き、フェルプスたちはヘリで逃走するつもりだと気が付く。そしてヘリに細工をして墜落させ、墜落現場にはドミンゲン神父がアメリカの手先だというニセの証拠を残しておけば、民衆の怒りも買わずに済む、と計算する。

 やがて、パリスが「極東人民共和国」(Far Eastern People's Republic)の「シェン少佐」として基地にやってくる。パリスはアセロ司令官がドミンゲン神父を殺さないのは命令違反だと非難し、またマテオにはアセロが司令官として相応しくない、と話す。元々アセロ司令官が嫌いなマテオは大喜びする。

 ついにアセロ司令官は、ドミンゲン神父やフェルプスたちを開放し、一行はヘリに乗って飛び立つが、アセロたちに細工されていたヘリは墜落、爆発炎上する。ところが墜落現場では死体が見つからなかった。パリスはアセロ司令官やマテオたちを連れて現場に向かい、神父たちは即席の地下壕に隠れていたこと、ヘリは無線操縦で飛んでいただけだったこと、を推理する。さらにフェルプスたちが運び込んだ弾薬を無線で爆発させる。

 弾薬庫が吹き飛んだ音を聞き、アセロ司令官やマテオは動揺する。パリスは、アセロ司令官に、失敗の責任をとらせて司令官を解任し、後任はマテオにすると告げる。怒ったアセロ司令官は銃を抜くがマテオに射殺される。マテオは今後は自分が革命を率いると言うが、人望の無いマテオは部下から無視される。最後、フェルプスたちが神父を連れて車で逃げ出すシーンで〆。


監督: バリー・クレーン
脚本: ローレンス・ヒース


感想

 評価は○。

 今回のエピソードは、IMFチームの複雑な策略は無かったものの、そこそこには楽しめるエピソードではあった。

 今回は黒幕として「極東の敵性国家」、正式名「極東人民共和国」(Far Eastern People's Republic)が登場する。今まではIMFチームは、鉄のカーテンの向こう側の国(明らかにモデルはソ連東ドイツなど)を相手にしていたが、今回はどうやらモデルは中国らしい。史実には明るくないのだが、中国はこの頃(放送は1969年)から他の国に共産革命を輸出していたりするのだろうか。

 今回の話のキーとなるのが、IMFがこっそり(?)運んできたヘリコプターである。ウィリーが運転してきたトラックの荷台に部品状態で隠して輸送してきた、という設定だが、どうみても部品の箱がトラックの荷台並みかそれ以上に長く、絶対隠して持ち込めるはずが無かったと突っ込みたくなる。まあ、そこは目をつぶって、知らないふりをしてあげるべきなのだろう。

 ターゲットの関係者内で上手く疑心暗鬼を起こさせ、仲たがいさせて共倒れに持ち込む、というのがIMFの得意技だが、今回もパリスがアセロ司令官とマテオの対立を上手く拡大させて、自らは手を下さずにアセロを消してしまう、というのが実にダーティであった。さすがはIMFである。

 今回のサブタイトルの原題「Commandante」とは、フランス語で「指揮官」の意味。アセロは欧州から追い出された云々というセリフが有ったので、彼はフランス人だったのかもしれない。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがボーリング場に入り、倉庫の箱の中から大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。神父ドミンゲンは、その国の独裁政権に反対、民主革命の主導的役割を果たしてきたが、最近極東の敵性国家が神父にとってかわって革命運動をリードするに至った。彼らの手先は神父を裏切ったカルロス・マテオと、そして国際的革命屋ホアン・アセロである。

 そこで君の使命だが、神父ドミンゲンを救出、ふたたび革命運動をリードさせることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 

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海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ