感想:アニメ「キャプテンフューチャー」第45話「よみがえれ伝説の英雄」

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東映チャンネル | キャプテンフューチャー http://www.toeich.jp/program/1T0000010881/201705
放送 CS放送東映チャンネル。全52話。1978年~1979年作品。

【※以下ネタバレ】
 

第45話 よみがえれ伝説の英雄 (「惑星タラスト救出せよ!」より)

 

あらすじ

 12作目「惑星タラスト救出せよ!」編・第1回(全4回)

 キャプテンフューチャーたちは、旧知の科学者チコ・クリンの招きで、彼の火星の研究所を訪れた。チコは 偶然から「異次元転移装置」を開発し、異次元宇宙の住人「タラスト人」と接触したという。

 この宇宙は泡のようなものであり、より高次な空間の海を漂っている。そして泡(宇宙)は一つだけではなく、他にも無数に存在する。チコの装置は、全く別の宇宙との行き来を可能にするシステムだった。

 実のところ、装置の原理は開発したチコにも不明であり、サイモンの分析では装置はタイムドライブの一種であり、異次元間の転移などできないはずだった。しかし直後、転移装置が作動し、タラスト人のゲルデックと妹のシーリが現れた。

 二人はフューチャーを見るなり「カフール」だと呼び興奮する。タラストは、かつて英雄カフールの元で発展したものの、今では活力を失って滅びつつあった。しかもそこに「凍れるもの」という強大な敵が現れ、タラストは敗北寸前だった。タラスト人の中には「凍れるもの」への降伏を訴えるものも現れる有様だった。

 ゲルデックとシーリは、フューチャーに一緒にタラストへ行きカフールのふりをしてほしいと懇願する。伝説ではタラストの危機の時にはカフールが戻ってくるという言い伝えがあり、もし本当にカフールが現れればタラスト人は戦意を取り戻すはずだった。

 最初は躊躇したフューチャーも、二人の熱意についにタラストへ向かうことを決意し、さらに他のフューチャーメン、そしてジョーンも同行することになった。フューチャーたちはチコと協力し、より大きな異次元転移装置を作り、コメット号ごと異次元宇宙へ転移させることにした。そして、ついに装置は完成し、一行は異次元宇宙へと旅立った。

 フューチャーたちは無事タラストに到着するが、タラストの議会では降伏派のヴォストルが主導権を握ろうとしていた。フューチャーたちは議会に乗りこみ、フューチャーは自分はカフールで、今まで別の太陽系にいたがタラストの危機を知り仲間と共に帰ってきた、と演説する。ヴォストルはフューチャーがカフールである証拠がないと攻撃するが、民衆はカフール復活を聞きつけ歓喜していた。

 そこに「凍れるもの」の戦闘機による攻撃が開始され、フューチャーたちも戦いに参加し、コメット号の戦力で「凍れるもの」を追い払った。しかし戦いに参加していたグラッグは行方不明になってしまった。続く。


脚本:辻真先

感想

 新シリーズ「惑星タラスト救出せよ!」(原作12作目)スタート。キャプテン・フューチャーの原作全20冊のうち、面白いのは最初の8作くらいで後はイマイチなのですが、珍しくこの「惑星タラスト~」は後半の話にも関わらず結構面白い方なので、割と楽しみなエピソードです。シナリオ執筆が辻真先先生というのも心強いところ。

 原作では、チコ・スリンは「彗星王の陰謀」にも出てきたキャラで、彼が異次元生物アルルスの残した機械をいじくったら異次元宇宙とつながってしまった、という設定でしたが、アニメではチコが独自に装置を開発したことになっています。アニメでは「彗星王~」にチコは登場しなかったので、こういう改変となったわけですが、本筋には関係ないので、あまりに気になりませんでした。

 それより問題なのは(?)、ジョーンが異次元宇宙への旅に同行している事です。原作ではフューチャーメン四人だけでの旅だったのですが、アニメではジョーンは「タラストにシーリみたいな美人が他にも居るかもしれないので、フューチャーから目が離せない」云々という理由でついてきてしまいます。そう来たか。

 原作では、「カフールは赤毛で、今のタラスト人に赤毛はいないので、フューチャーが現れると、みんなカフールだと信じ込む」という展開なのですが、何故かアニメはそこに触れないのがもどかしい。赤毛云々は差別的な表現だったりするのでしょうか? ここをはっきりさせておかないと、今回の展開も「議会にカフールと自称する怪しげな男が乱入してきた」という事にしかならないような気がするのですが……

 この原作は、あっと驚く結末が待っているのですが、アニメも早くもあちこちに伏線を張りまくっています。まあ勘のいい人ならこの回でもう仕掛けが見えたかも。

 シーリの声は潘恵子。売れっ子声優藩めぐみのお母さんです……、と言わないと若い世代には通じなさそう。
 

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アニメ「キャプテンフューチャー」あらすじ・感想まとめ
 
惑星タラスト救出せよ!
彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ! <キャプテン・フューチャー全集6> (創元SF文庫)