【ゲームブック】ゲームブックカタログ「オールアバウトゲームブック」が凄すぎる

13人目の名探偵 (アドベンチャーノベルス)


 今、ネットショップの「トレーダーズギルド」が発売しているゲームブックカタログ本「オールアバウトゲームブック」の二巻を読んでいるのですが、これは凄すぎる。もう言葉を失うくらいのハイスペック本です……
 

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オールアバウトゲームブック
ALL ABOUT GAMEBOOK Vol.2 JICC出版局


■ 概要
JICC出版局(宝島社)のゲームブック全35作品+αを収録したデータベース書籍。
A5判 レーザープリンター出力本 カラー印刷 全122ページ。



■ 内容
JICC出版局(宝島社)より出版された全ゲームブック作品を、各種のデータ共に解説した当店オリジナルの冊子です。
JICC出版局アドベンチャーノベルスシリーズを中心に、宝島PGレーベルのザナドゥゲームブックや、フライデースペシャルレーベルのファミコンゲームブック、雑誌「月刊宝島」のおまけゲームブックなどを紹介。
データベース、コレクションのチェック用、当時を懐かしむ読み物、今後購入するゲームブックの前知識、一種のカタログとして……など、用途は様々。

 

 既に一度、軽く読み通した時の感想を書いているのですが

perry-r.hatenablog.com

 今週じっくり読み直してみて、その作りこみの凄さに驚愕しています。

うんちくが凄すぎる

 現在読んでいるのはシリーズの二巻目「JICC出版局編」で、この会社が出していたゲームブックは、基本的に原作付きで、原作はパソコンゲームファミコンゲーム・映画・漫画といったところです。

 このカタログ本が凄いのは、ゲームブック本体を語る前に、その原作についても物凄いうんちくを傾けてくれるところ。例えばゲームなら「アステカ」「ザ・スクリーマー」「カーマイン」「夢幻の心臓II」、海外物の「ゾーク」「ウルティマ」、インフォコムミステリーAVGシリーズなどが原作なのですが、それらについて「いつ発売された」「発売元はこういう会社だった」「こういう内容のゲーム」「発売当時このような評価を受けていた」「開発者はその後どうなった」みたいなことを、たっぷりと語ってくれるのです、もうこれゲームブックの解説本の範囲を超えてますよ!

 しかも、これが日本未発売のゲームについても詳細な情報が書かれているだけでもすごいのに、同レベルで同様に原作となった映画でもファミコンゲームでも漫画でも圧倒的な情報が語られるのです。この一冊のためにどれだけ調査に手間をかけたのか、もう信じられないくらいです。


ゲームブックの解説も充実

 当然ゲームブックその物についての解説も詳細で、システム、ストーリーはもちろん、「後半無駄な迷宮探索が有ってテンポが悪い」とか、雰囲気が暗すぎて云々とか、シビアな批評も交えて紹介されています。本の冒頭に書かれているように、ネタバレもしているので、「このゲームブックのオチはどうなるんだ……」と無駄に悩むこともありません。それにしてもウルティマ3のパーティー構成についてのツッコミには笑わせてもらいました。

「その後」の追及も充実

 さらに、ゲームブックの作者やイラストレイターについての説明も詳しく、その後これこれの分野のライターとして活躍している、とか、今は美大の講師になった、とか、の情報も実に詳しい。よくここまで調べ上げたと感服します。


読めば読むほど味が出る

 本当にこの本は凄いです。圧倒的な情報量に目がくらみそうですよ。正直言ってこのシリーズで扱われている他の会社、ケイブンシャや近代映画社やそんなところのゲームブックにまるで興味はなかったのですが、この本の力の入れ具合を見ると、「他の本ではどんなうんちくが語られるのか」という事が気になって買いたくなりました。今まで何故この本を買わなかったのかと自分を叱りたい気分です、ええ。
 
 
ウィットネス (アドベンチャーノベルス)