感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第101話(シーズン4 第23話)「クレーン車は見ていた」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン4」あらすじ・感想まとめ

 

第101話 クレーン車は見ていた The Crane (シーズン4 第23話)

 

あらすじ

独裁国を自由化するため、ゲリラ運動をしている指導者が捕らえられてしまう。このままでは彼はすぐにも処刑されてしまう。輸送中の指導者を奪還しその身を隠したIMF。その捜索網が刻々と狭まっていく中、現独裁政権を率いる大佐と将軍の思惑を利用、指導者を無事、この危機的状況から助け出すことが出来るか!?


独裁国を自由化するため、レジスタンス運動をしている指導者が捕らえられてしまう。このままでは彼はすぐにも処刑されてしまう。輸送中の指導者を奪還し、その身を隠したIMF。その捜索網が刻々と狭まっていく中、現独裁政権を率いる大佐と将軍の思惑を利用。レジスタンス指導者を無事、この危機的状況から助け出すことが出来るか!?

※DVD版のタイトルは「空中のゲリラ」。


【今回の指令】
 ロゴシア(Lagosia)は、5年前共和国政府が倒されてしまい、現在はユーリ・コザーニ将軍(General of the Army Yuri Kozani)の独裁支配下にある。コザーニ将軍を支えるナンバー2が、国家保安長官アレックス・ストラボ大佐(Colonel Alex Strabo)である。軍事独裁政権を倒すため地下組織が活動していたが、その指導者であるコンスタンチン(Constantine)が数日前捕らえられ、24時間以内に首都に送られて処刑される事になってしまった。IMFはコンスタンチンの処刑を阻止し、また地下組織が軍事政権を倒す道筋をつけなくてはならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、パリス、バーニー、ウィリー
 ゲスト:クレイ、無名の劇団員たち(「ハートフォード・レパートリー劇団」所属)



【作戦の舞台】
 ロゴシア


【作戦】
 フェルプスは司令部に乗りこむと、コザーニ将軍とストラボ大佐に銃を突き付ける。そして自分は地下組織の一員で、コンスタンチンは政府側に寝返るつもりだろうが、自分たちは屈しないとまくし立てる。そこに軍人に変装したウィリーがやってきてフェルプスを取り押さえる。コザーニたちはコンスタンチンが裏切るという話に興味を持つ。

 一方、パリスたちはコンスタンチンを乗せた囚人護送車を襲撃し、コンスタンチンを連れ出すと、薬で眠らせクレーン車から吊り下げた入れ物の中に隠しておく。やがてストラボ大佐率いる捜索部隊が周辺を探し出すが、クレーンには気が付かない。

 パリスはストラボ大佐の声色でコザーニ将軍に電話し、コンスタンチンが投降してきたので指定の場所で一緒に会ってほしいと伝える。将軍の部下が怪しんで前もって調べに行くと、建物には爆弾が仕掛けてあり、しかも印刷機には国民向けの宣伝チラシの原板が有り、コンスタンチンとストラボ大佐が組んで軍事政権を打倒するという事が書いてあった。一連の経緯から、コザーニ将軍はストラボ大佐の裏切りを信じ込む。

 コザーニ将軍は、フェルプスを連れてきて、コンスタンチンと手を組みたいと伝える。フェルプスは保証として、コザーニ将軍に「コンスタンチンと連立を組み、その際にはストラボ大佐は処刑する」という内容を書かせる。

 一方パリスたちはストラボ大佐を誘拐しコンスタンチンそっくりに見える変装マスクをかぶせる。そしてマジックミラーの後ろから銃で狙っているので声を出すなと伝える。そこにフェルプスがコザーニ将軍を連れてきて、二人だけで話せと言って立ち去るが、その際机の中の銃をストラボ大佐に見えるようにしておく。

 コザーニはコンスタンチン(実はストラボ大佐)に向かって、ストラボ大佐のような奴と組むより自分と組む方が得だと説得し始め、さらに一筆書いた紙を見せる。ストラボ大佐はマジックミラーに向かって銃を撃つが、鏡で自分がコンスタンチンの顔になっていることに気が付く。そして二人とも誰かにはめられたのだというが、同時にコザーニ将軍に対する忠誠心も無くしており、コザーニを撃ち殺す。

 IMFはコンスタンチンをクレーンから降ろし、銃声を聞いて今将軍が死んだというが、コンスタンチンは次はストラボ大佐も裁判にかけると言い、全員で車に乗って立ち去るシーンで〆。


監督: ポール・クラズニー
脚本: ケン・ペットス

感想

 評価は○。

 ぎりぎりで○を付けたものの、内容は可もなく不可もなく、の凡庸なエピソードだった。

 抵抗組織の指導者を助けるという仕事は軽く済ませた後、いつものように変装を駆使した計略でターゲットたちの人間関係にひびを入れ、最終的に仲間割れさせて殺し合うように仕向ける、という展開。あらすじだけ見るとそれなりに面白そうだが、実際は最初から最後まで、けれん味というか痛快さというかに欠け、淡々と話がすすんでそのまま終わってしまったため、全く興奮するところが無かった。

 まずバーニーの秘密小道具を使ったシーンなどが無くて物足りなかったし、またいつもと違い変装マスクを被るのがパリスではなくターゲットの一人のストラボ大佐だという味付の変化はあったものの、それも大して話の面白さにつながっていなかった。

 結局、視聴者的に面白がれるシーンが皆無で、いつものルーチンワークでミッションを淡々とこなしただけのエピソードという印象しかなかった。

 このエピソードのサブタイトルの原題「The Crane」とは、もちろんコンスタンチンをつりさげていたクレーン車の事である。

参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが画廊に入り、「NO ADMITTANCE」(立ち入り禁止)と書いてある部屋に潜り込んで、鍵のかかったキャビネを開け、大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出す。フェルプスはテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」といい、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。その写真はコンスタンチンといわれる人物で、五年前にロゴシア共和国政府を倒し、横暴を極める現在の独裁的軍事政権に抵抗し、これと闘っているゲリラ部隊の指導者である。現在、軍事政権を取り仕切っているのはユーリ・コザーニ将軍であり、そしてそれを助けているのはアレックス・ストラボ大佐という国家保安長官である。ところで数日前の小競り合いにおいてコンスタンチンが軍事政権側にとらわれてしまった。そして24時間以内にロゴシアの首都へ送られた上処刑される予定である。

 そこで君の使命だが、コンスタンチンの処刑をくいとめ、彼の率いるゲリラ部隊がやがて今の軍事政権を倒して以前の民主政権を再び打ち立てる道を開くことにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 

シーズン4(79~104話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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