【カードゲーム】伝説のカードゲーム「超人ロック」(1984年)と、その意外な後継者

Locke The Superman (超人ロック 魔女の世紀 劇場版 DVD 北米版)[Import]
 
 先日、1980年代のウォーゲーム雑誌を読んでいたら、エポック社の多人数カードゲーム「超人ロック」の紹介記事とリプレイを見つけて、無性に懐かしくなりました……


ゲーム「超人ロック」とは

超人ロック 完全版 (2)魔女の世紀

 「超人ロック」は聖悠紀先生が50年にわたって描き続けているSF漫画ですが、1984年には劇場アニメとして「魔女の世紀(ミレニアム)」という作品が公開されました。その映画のタイアップ企画というかで、エポック社がゲームを発売したのですが、内容はアニメとは全く関係なく、原作ゲームの要素を取り出して多人数でワイワイ楽しめる作品となっています


ゲームの概要はこんなところ

廉価コミックス版 超人ロック ~炎の虎・魔女の世紀~ (YKベスト・コミックス(廉価版ペーパーバック・コンビニコミックス))

超人ロック | 新品 | ボードゲーム | 通販ショップの駿河
https://www.suruga-ya.jp/product/detail/607500547000
 
■時は宇宙暦X年、悪者が広い銀河のどこかに悪の秘密基地を作り、悪事を働こうとしていた。
それに気づいたロックとその仲間はそれを阻止するために立ち上がった!
一方、第3勢力が自分の目的を達成するためこのどさくさにまぎれて何かをしようとしていた。

はたしてロックとその仲間は秘密基地を破壊する事ができるでしょうか?
悪者は野望を達成する事ができるでしょうか?
そして第3勢力は?


このゲームはSFマンガ「超人ロック」(原作:聖悠紀)の世界観をそのままにゲーム化したRPGキャラクター・カードゲームです。
各プレイヤーは作中に登場する人物になってゲームを進め、その正体は自分にしか判りません。
そのため、ゲーム展開も原作のストーリーを追うものでなく、プレイヤー間の腹の探りあいという要素の含まれたゲームとなっています。
各キャラクターの勝利条件はそれぞれ違っており、すべてのキャラクターの利害が一致しているわけではないため、他のゲームのような力対力の正面対決でおしまいというわけにはいかない、奥深い謀略戦・心理戦が醍醐味のひとつです。
キャラクター自体の能力の違いよりも、プレイヤーの(人間としての)状況判断能力の違い(役者の違いというべきか)の方が時に戦況を大きく左右します。
 
■ゲーム概略■
プレイ人数:5~12人
対象年齢:12歳以上
デザイナー:黒田幸弘

<内容物>
ゲーム盤 1枚
キャラクター・カード 27枚
シュルエット・カード 60枚
惑星カード 80枚
秘密基地カード 60枚
コンバット・カード 85枚
順番カード 12枚
待ち伏せカード 2枚
チャート 1枚
コマ 12個
取扱説明書 1部

 
 

大まかな内容

超人ロックの真実

 プレイヤーは5~12人。まず用意されているキャラクターのカードをそれぞれ一枚ずつ引き、担当キャラを決定。キャラの属性には「Good」(善)・「Evil」(悪)・「Special」の三種類あり、Evilは悪事を企み、Goodはそれを阻止するのが目的。Specialは、善や悪とは全く別の個人毎の目的があり、味方にも敵にもなりうる立場。ちなみにキャラクターには漫画の作者である「聖悠紀」が混じっていたりする(笑)

 続いてキャラクターを偽装する見せかけの姿「シルエット」を決める。各キャラの真の姿は基本的にプレイヤー自身しか知らない。


 ゲームは二部構成で「第一部 惑星編」と「第二部 秘密基地編」からなる。まず第一部は善玉たちが悪玉の秘密基地の在処を探すというシチュエーションで、ボード上に敷き詰めた「惑星カード」を、(シルエットが)GoodとSpecialのキャラたちがめくっていく。

 カードの中に秘密基地の情報を示すカードが三枚あり、それらが全て出尽くせば基地の場所が解ったという事で第一部は終了となる。惑星カードは、情報カードの他に、役に立つ武器や超能力のカードの他に、戦闘が発生するものや罠カードがあり、波乱万丈の探索となる。


 第二部は、善玉が悪の秘密基地に突入しこれを破壊するというシチュエーション。今度はボード上に敷き詰めた「秘密基地カード」をめくっていき、善玉が四か所の重要拠点を全て見つける(破壊したことになる)か悪玉をすべて倒せばGoodの勝ち、逆に善玉を全て倒せばEVilの勝ち。ちなみにSpecialは全く別の目標を追及しているので、善と悪の戦いをしり目に、一人でしれっと勝利条件を達成していることもありうる。

 ちなみにキャラクター「聖悠紀」は、秘密基地の中にある「キング編集室」を破壊すると一人で勝利となる。これは21世紀人の大半には何のことやら意味不明だろうが、1984年当時は超人ロックが「少年キング」誌で連載していたことをネタにしたルールである(少年キングは1988年に休刊した)。


評価はというと……

超人ロックの世界 (少年画報社ヒストリーズ)

 このゲーム、知っている人たちの間では無茶苦茶評価が高いのです。ざっとネットで調べてみても

カードゲーム『超人ロック』 : 業務とドキュメント
http://htcgood.exblog.jp/13896053/

 
とか
 

ゲーム紹介 第3回 : 超人ロック (カードゲーム)
http://www.geocities.co.jp/Playtown/1246/Game/Locke/Locke.html

 
とか
 

KMC(京大マイコンクラブ)超人ロック公式ホームページ
http://locke.nwr.jp/

 
といったページがゾロゾロ見つかります。


 ただこのゲーム、少なくとも1980年~90年代は「知る人ぞ知る名作」という感じだったようです。何せ漫画原作の「キャラゲー」ですから、雑誌メディアでは発売された当時に一度紹介された後は、二度ととり上げられることが無かったわけでして……

 「ウォーゲーム」ならば、発売後に作戦研究記事が書かれたり、あるいは同テーマの新作ゲームが出た際に「過去に発売された●●と比較すると……」といった形で名前が引用されたり、で、話題になることはあり得ますが、キャラゲーのロックにそんな機会はゼロ。正直、私はいわゆるウォーゲームブームの際にこの作品の事を全く知りませんでした……

 そしてその後長い長い年月が経ち、21世紀に突入してネットで検索するとかいう行為が普通になって、それで初めて「へー、エポックが昔出していた超人ロックってそんなに有名なのかぁ」と知ったくらいでして……

 ちなみに、このゲーム、多分出回った数が少なかったのと、多分持っている人間が手放さないから、ヤフオクですら一度も見たことが有りません。大抵の希少ゲームも目の玉が飛び出るような価格でそれなりに出物が有るものなのですが、これをネットで買ったという人を未だに知りません……


意外な後継者

Shadow Hunters [シャドウハンターズ] [並行輸入品]

 エポック社はもうウォーゲームも含めたこの手のゲームから完全撤退してしまいました。そして、1980年代に発売されていたウォーゲームは国際通信社に権利が移動していくつか再版されていますが、「超人ロック」はエポック以外に漫画の権利も絡んだ版権モノであること、キャラゲーゆえに売り上げがマニア層以外に見込めないこと、から、再版は99パーセント絶望的です。

 しかし、そんな超人ロックですが、意外な後継者が存在しました。かつてゲームリパブリックという会社から出ていた「シャドウハンターズ」というゲームがそれです。

Shadow Hunters - シャドウハンターズ
http://gioco.sytes.net/shadowhunters.htm
元々はデザイナーの池田さんが、エポック社から出していた超人ロックを改良し、同人ゲームとして売っていたゲームだったらしい。


このゲームは、シャドウ、ハンター、ニュートラルという3つの敵味方に分かれて、それぞれキャラクターカードに書かれている勝利条件を満たすというもの。キャラクターカードは、伏せて配られ自分しか解らないようにしてゲームを行う。


サイコロを振って、場所を移動し、近くにいる他のプレイヤーを攻撃する。


基本的にシャドウはハンターの全滅を、ハンターはシャドウの全滅をすれば勝つのだが、ニュートラルだけは、そのキャラクターだけの自己中心的な勝利条件となっている。

 おいおい(笑) 超人ロックゲームデザインをファンタジーにしただけじゃん(笑) この事実をもっと早く知っていれば発売当時にちょっと盛り上がれただろうに(笑)
 
 
超人ロック ガイアの牙 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)