【映画】感想:映画「シン・ゴジラ」(2016年:日本)

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

映画『シン・ゴジラ』|テレビ朝日 http://www.tv-asahi.co.jp/shin-godzilla/#/?category=drama
放送 テレビ朝日系。2017年11月12日(日)

【※以下ネタバレ】
 

あらすじ

 ある日東京湾の海底トンネルが崩壊した。閣僚たちは海底火山か何かが原因と結論付けるが、内閣官房副長官の矢口だけは巨大生物の仕業という可能性もあると進言し、周囲から冷笑される。しかし直後、矢口の予想通り巨大な生物が海から出現し、都内へと進み始めた。首相は自衛隊に攻撃を命じるものの、避難し遅れた住民がいたため自衛隊は攻撃できず、そして謎の生物はそのまま海に消えた。

 矢口はアメリカからの情報で、謎の生物が「ゴジラ」という名前で、海底に投棄された放射性物質を取り込み、体内で核反応を起こしているらしいことを知る。やがて鎌倉に再度ゴジラが現れ、自衛隊の攻撃をものともせず都内に侵入し、光線をまき散らして都内に大被害を与え、その際首相以下の政府閣僚の大半が死亡してしまう。直後、力を使い果たしたゴジラは一時的に停止した。

 国連はゴジラ退治のため東京に核爆弾を投下することを決め、国は関東から国民を疎開させ始めた。矢口の率いる対策チームはゴジラに特製の血液凝固剤を飲ませて活動を止める計画を立て、核攻撃の前に実施しようと必死になる。そして列車に爆弾を積んでゴジラにぶつけて転倒させ、そこに口から凝固剤を流し込むことでゴジラを停止させた。おしまい。


感想

 評価は△。

 いやもう、だるくてだるくて仕方ない映画で、見ていてとことん辛かった……、2014年のギャレス・エドワーズゴジラも、公開時の大評判と、実際に見た時のギャップが凄くて、その差に失望したのですが、まさか同じことが繰り返されるとは思わなかった。


 冒頭から政治家の会議シーンばかりで、面倒くさい台詞ばかり並べ立てるので、開始10分で面倒くさくなって、もうこの時点で、「あれだけ話題になった映画のはずなのに……」と乗り切れない事に不安を覚えたのですが、それが見事に的中することに。

 以後も政治家と自衛隊の幹部ばっかり写して、巨大生物の描写はほんのおざなりというかそういう感じに。おかげで怪獣大暴れ映画では無く、政治家・自衛隊幹部ドラマになってしまっていて、もう予想とはあまりにも違う内容に失望しきりでした。

 結局のところ、この映画は「ゴジラ映画」でも「怪獣映画」でもなく、怪獣をダシにした国難シミュレーション映画でしか無かったのが、とことん性に合わなかったです。「現代日本にとんでもないことが起きたら、政治家とか自衛隊がどう反応するのかを、リアルっぽく描いた」という映画なので、その国難ゴジラでなくても全く問題が無く、例えば「東京の真ん中に突然活火山が出現した」という状況でも成立する映画だったという。そういうのは求めていたゴジラ映画ではありません。

 怪獣はあくまでダシなので、ゴジラの活躍(?)は殆ど描かれず、待望の(?)火炎放射シーンは映画開始から一時間以上経ってからとか、もう何というか、期待外れにも程がある、という感じでした。もっとバリバリ怪獣が暴れる映画が見たかったです。


 では人間描写が見ごたえがあるかというと、そちらも全く面白みに欠けました。主人公矢口は、序盤に首相たちが「これは海底火山だろう」とか常識的な判断しかできない中、一人敢然と「巨大生物の仕業です」と言い切って、無能な首相たちと切れる矢口という対比を見せつけますが、こういうありきたりな手で来ますかと思いましたもん。

 また、石原さとみ演じるアメリカの代表みたいなキャラも、前半はひたすらムカつくだけだったのに、終盤に突然矢口に「あなたは有能だから認めるわ」みたいな態度に変化して同志みたいな態度を見せて来るのもなんなんだよって気分になりました。


 また、音楽が思いっきりエヴァンゲリオンくさいBGMで、似すぎていて鼻について嫌だなぁとという感じだったし。


 最後の「JRに爆弾を詰め込んで突撃させてゴジラをすっ転ばせた後、口にチューブを突っ込んでゴクゴク薬を飲ませて退治」という展開は、燃えるとかいう前にコントかよと思って笑い出しました。まさかこう来るとは思わなかったなぁ。まあリアルっちゃあリアルなんでしょうけど、見た目がなんとも……


 よく考えてみたら、私はエヴァンゲリオンに全然ノれないのだから、同じ庵野秀明が作った映画を面白がれるはずが無かったのでした。当然の帰結というか、そんな単純な事実に思い至らなかったとは……
 

ストーリー
東京湾・羽田沖。突如、東京湾アクアトンネルが巨大な轟音とともに大量の浸水に巻き込まれ崩落する。事故の原因は不明。首相官邸では大河内総理大臣(大杉漣)ら閣僚による緊急会議が開かれる。「崩落の原因は地震や海底火山」という意見が大勢を占める中、内閣官房副長官・矢口(長谷川博己)だけは、海中に棲む巨大生物による可能性を指摘する。内閣総理大臣補佐官・赤坂(竹野内豊)らは議論に値しないものと黙殺するが、直後に海上に巨大不明生物の姿が発見される。


騒然となる政府関係者が情報収集に追われる中、謎の巨大不明生物は上陸。次々と街を破壊し、日本は壊滅へと突き進んでいく。
緊急対策本部を設置した政府は、自衛隊にも防衛出動命令を発動。さらに米国大統領特使としてカヨコ・アン・パタースン石原さとみ)が派遣され、世界も注視し始める。
巨大生物の正体は何なのか、その生態は、そしてどのようにして倒すべきなのか?日本を守るための矢口らの長い長い戦いが幕を開けた─。



みどころ
■『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明監督の大ヒット作、テレビ朝日で早くも地上波初放送決定!

日本のみならず米ハリウッドでも映画化され、いまや世界的怪獣キャラクターとなった“ゴジラ”を復活させ、歴史的な大ヒットを記録。『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明が脚本と総監督を担当、『のぼうの城』、『進撃の巨人』の樋口真嗣が監督と特技監督を務め、300名を超える豪華キャストが集結した超大作をテレビ朝日が地上波として初放送します!
テレビ朝日としては、2005年8月14日の『GODZILLA』(1998年)以来のゴジラ映画放送となる今回。偶然にも、『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)以来、日本製作としては12年ぶりとなったゴジラ映画を、12年ぶりにテレビ朝日で放送する運びとなりました。この秋、六本木にゴジラの咆哮が轟きます!


■初のフルCGで大迫力のゴジラを実現!300人超の歴史的豪華キャスト陣にも注目!

第1作の『ゴジラ』(1954年)が公開されておよそ60年、2014年にはハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』が全世界で大ヒットを記録するなど、日本で誕生したゴジラは世界の“キング・オブ・モンスター”と言われるまでになりました。
そのゴジラを2016年に映画化した庵野総監督は、その圧倒的な映像表現でまったく新しいゴジラを生み出すことに成功しました。史上最大となる体長118.5メートルのスケールはもちろん、国内シリーズ初のフルCGでゴジラを表現。想像をはるかに超える最強の完全生物として見るものを恐怖に陥れます。
さらに斬新だったのは「現代日本に初めてゴジラが現れた時、日本人はどう立ち向かうのか?」という壮大なテーマ。ゴジラが東京に上陸、そのリアリティを限界まで追求した映像はまるでドキュメンタリーとも思えるような仕上がりとなっています。
“怪獣映画”というジャンルにとらわれない、壮大なスケールの“人間ドラマ”を描き上げるために集結したのは、長谷川博己竹野内豊石原さとみら日本を代表する演技派俳優陣。その数、なんと328名!次から次へと現れる俳優たちの白熱の演技に見る者は心を奪われていきます。


興行収入82.5億円!2016年実写邦画ランキング第1位、映画各賞も総ナメ!

昨年7月に公開された作品は、興行収入82.5億円の大ヒットを記録。2016年の実写邦画ランキング堂々の第1位に輝きました。そんな映画ファンの高い評価のみならず、日本アカデミー賞では最優秀作品賞のほか、最優秀監督賞、最優秀撮影賞など、7つの最優秀賞を受賞しました。
そんな日本が世界に誇るゴジラ映画の最新ヒット超大作を、テレビ朝日が11月に地上波初放送いたします。リアリティあふれる映像とストーリーで、21世紀だからこそ描くことができた新しい“ゴジラの世界”。ゴジラの本家・日本だから成し遂げることができたハリウッドを超えるゴジラ超大作『シン・ゴジラ』が、再び日本中を席巻する時がやってきました!



スタッフ
脚本・編集・総監督 庵野秀明
監督・特技監督 樋口真嗣
准監督・特技統括 尾上克郎
音 楽 鷺巣詩郎
製作・配給 東宝株式会社

 
 

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