感想:オカルト系番組「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」『File-23 エジプト・スペシャル 呪いと超古代文明ミステリー』

NHK 幻解! 超常ファイル ダークサイド・ミステリー (教養・文化シリーズ)

幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー http://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 
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幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー 内容・感想一覧

 

『File-23 エジプト・スペシャル 呪いと超古代文明ミステリー』 (2017年11月18日(土) 20:00~21:00)

 

内容

http://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2017-11-18/10/6781/2357116/
幻解!超常ファイル File-23「エジプト 呪いと超古代文明ミステリー」


すべて解明!大ピラミッドには本当に超古代文明の証拠が隠されているのか?南極や火星で発見されたピラミッドの正体は?恐怖の黄金マスク、ツタンカーメンの呪いの正体は?


大発見!先日、世界を驚かせたクフ王の大ピラミッド。そこで当番組は伝説・噂話を徹底検証!▽大ピラミッドに超古代文明の証拠が?「古代人には高度な巨大建築は不可能!」「高等数学や高度な天文知識が使われている!」本当なのか?▽恐怖の黄金のマスク!ツタンカーメンの墓を発掘した関係者が20人以上連続怪死?ファラオの呪いの正体は?▽南極で!月面で!火星で!人類不在の場所で次々発見されるピラミッドの正体は?


【司会】栗山千明,【ゲスト】エジプト考古学者…河江肖剰,【語り】中田譲治

1.ピラミッドは超技術によって建設されたのか?

 エジプト・カイロ郊外にあるギザ台地に建設された「クフ王のピラミッド」。紀元前2500年頃に20年の歳月をかけて建設されたと推測されている。しかしこのピラミッドには、超古代文明、あるいは宇宙人が作ったとしか思えないような数々の証拠がある。

・ピラミッドはきっちり東西南北を向いて建設されている。そのズレはわずか0.057度。
・2.5トンもある石を高さ137メートルの高さにまで運んでいる。

 そのため、1968年、スイス人のエーリッヒ・フォン・デニケンという人物は、ピラミッドは、宇宙人か、または彼らから知識・技術を与えられた古代人が建設した、という説を本で発表した。

 実際、1997年にはセティ1世の神殿で、壁画にヘリコプターや飛行船と思しきものが書かれているのが見つかった。これこそ超古代文明の証拠である!!

 しかし、実はその主張は大間違い。実はそのヘリコプターや飛行船は二人の王「セティ1世」「ラメセス2世」の名前がダブったためそう見えただけである。何故そういうことが起きたかというと、まず前の王の名前を彫りこんだところを石膏で埋めて平らにした後、改めて別の王の名前を彫りこんだのである。しかし長い間に石膏が剥がれ落ちてしまい、二人の名前がダブってしまってヘリなどに見えただけ。

 またエジプト人は真北にある星「トゥバン」を観測することで正確に南北を測る方法を知っていた。ピラミッドが正確に南北を向いていても驚くことではない。

 では2.5トンの巨石を運んだという件はどうか? かつてはピラミッドの横に斜路を作り石を運んでいたと推測されていたが、2.5トンの石を人力で運ぶには角度は5度が限界とされ、その場合斜路の長さは1.6キロにもなってしまう。その斜路を作るために必要な石の量はピラミッド建設に匹敵するほどで、これではもう本末転倒である。やはり超古代文明の産物なのか?

 しかしフランスの建築家ジャン・ピエール・ウーダンは、ある程度までは斜路で作り、それ以降はピラミッド内部に作ったトンネルで石を運び上げた、という説を唱えている。ピラミッドの内部に角度4.5度の斜路を作り、建設しながらトンネルを延長していく、という方法なら、別に超古代文明など持ち出さなくても建設可能と考えられるのである。



2.ピラミッドに隠されたサイン

 ピラミッドには数々のサインが隠されており、そこには超文明が関与しているとしか考えられない!!

 建築技師ロバート・ボーヴァルは著書「オリオン・ミステリー」で、ピラミッドはオリオン座と密接な関係が有ると主張した。

・オリオン座の三ツ星「アルニタク」「アルニラム」「ミンタカ」の並びは、「クフ王」「カフラー王」「メンカウラー王」の三大ピラミッドと全く同じ並び方

・星の明るさは「アルニタク」>「アルニラム」>「ミンタカ」、ピラミッドの大きさは「クフ王」>「カフラー王」>「メンカウラー王」、と対応している

・オリオン座の他の星「ベラトリックス」の位置には「ネフカ王ピラミッド」、「サイフ」の位置には「ジェドエフラー王ピラミッド」が、それぞれ有る

 つまりエジプト人は地上にオリオン座を再現しているのである!!


 また19世紀イギリスの天文学者チャールズ・ピアッツァ・スミスは、ピラミッドに高等数学の数字が隠されていると主張した。

・(ピラミッドの底辺一辺の長さ×2)÷高さ=3.1415...、つまり円周率が隠されている
・ピラミッドの高さ「148.2m」を10億倍すると、地球・太陽間の距離「1億4820万Km」となる


 グラハム・ハンコックは「神々の指紋」という本の中で「ピラミッドの4つの底辺の和:高さ」は「地球の赤道円周:極半径」に等しい、つまりピラミッドは地球の北半球の縮小モデルだ、と主張した。


 しかし真実は? まずオリオン座云々から調べてみると、実は三ツ星で一番明るいのは真ん中の「アルニラム」なので、ピラミッドの大きさと星の明るさが対応しているという話は成立しない。またエジプトにオリオン座の概念が伝わったのは紀元前4世紀であり、ピラミッド建設(紀元前26世紀)より遥か後の話である。とどめで、エジプト人が一番重視していたのはシリウス星であり、オリオンの三ツ星は「サフ」と呼ばれ、シリウスが出る前兆として認識されていた。オリオン座にこだわるなら、より重要なシリウスの位置に何か作っているはずだが、そんなものは存在しない。つまりすべてはこじつけとしか考えられない。


 ではピラミッドに円周率が隠されているという事実はどう説明するのか? ここで数学者のピーター・フランクル先生が登場し、日本にある神秘の数字を解説してくれた。

・東京タワーの高さ333メートルを、タワーがある港区の郵便番号106で割ると、答えは3.1415...、なんと円周率が隠されていた!!

・さらに宇宙の神秘を秘めた物体の秘密を明かしてくれた。その物体は円筒形で真ん中に穴が開いている。直径120ミリ、穴の直径38ミリ、高さ114ミリ。そして以下の計算を行うと……

(120+114+120+114)=463
(463-38)÷10=43
43の五乗=1億4700万8443

 「1億4700万8443」は、地球・太陽間の最接近した距離にピッタリである!! 

 ところで、この神秘の物体の正体は「トイレットペーパーのロール」である(笑) つまりどんな物体でも数字を適当に足したり引いたりとか操作すれば、それらしい数字をひねり出せるが、それは数学では無く単に数字のマジックでしかない。

 また円周率に関しては
1)棒を用意する
2)その棒を半径とする円を描き、紐を円に沿っておろす
3)その紐を四角に直す
4)棒を立てて高さにする

 とやるとピラミッドの高さと底辺の間に円周率が関係してしまうのである。

 そもそも、クフ王以外のピラミッドには「3.14」という数値が出てこない。カフラー王のものでは「2.98」、メンカウラー王のものでは「3.20」、つまりクフ王のピラミッドの数値3.14は単なる偶然だと考えるほうが自然です。



3,エジプト以外のピラミッド

 エジプトのピラミッドが古代人が作ったとしても、とても人間が作り得ないようなピラミッドがいくらでもある。やはりピラミッドは宇宙人か超文明が関係している!!


・南極ピラミッド

 南極大陸で2016年11月に、一辺400メートルの巨大ピラミッドが見つかった! クフ王のピラミッドより巨大である!

 種明かし:これは氷食尖峰 (ひょうしょくせんぽう)と呼ばれる地形。氷河の侵食作用によって山の下が削られ、そのあと上の部分が崩落することでピラミッドのような尖った地形が出来る。実際この「ピラミッド」の周囲もとがった山ばかりである。この地形は「ホルン」と呼ばれ、スイスのマッターホルンが有名である。


バミューダトライアングルの海底ピラミッド

 2012年に、バミューダトライアングルの深度2000メートルの海底にクリスタルのような物質で作られたピラミッドが発見された! その大きさはク王ピラミッドの三倍の大きさだという。船や飛行機の消失はこのピラミッドのせいなのか!?

 種明かし:記事のネタ元「Weekly World News」は「エイリアン対ビッグフット」とかのフェイクニュースを配信するジョークサイトでした(笑)


・月のピラミッド

 NASAが公開した月の写真に、クレーターの中に立つピラミッドが写っていた!!

 種明かし:写真は地質分析のために着色加工したもの。それで白と黒の部分が隣接して、偶然ピラミッドのような立体に見えた。加工前の写真を見ると全然ピラミッドなど無いことが解る。


・火星のピラミッド

 公開された火星の写真にピラミッドがいくつも写っている!!

 種明かし:自然現象。火星は風が強く、風によって岩の下の部分が削られ(風食)、上の部分が崩落してその結果四角垂状に残った。自然界では意外にもこの手のピラミッド型というのはありふれた形なのである。



4.ツタンカーメンの呪い

 1922年11月、エジプト・ルクソールにある王家の谷でツタンカーメン王の墳墓が発掘された。ところが1923年発掘隊のスポンサーだったカーナボン卿が病気で死亡。以後、卿の弟や、調査に参加するはずだったX線技師などが次々と死亡。新聞は「ツタンカーメンの呪い」と書き立て、最終的に犠牲者は20人を超えたという。

 1934年、自ら発掘に関わったメトロポリタン美術館館長ハーバート・ウィンロックは、自ら調査を行い「呪い」の真相を解明した。そもそもカーナボン卿は二度も大病をしていて健康とは言えない状態だったし、直接発掘に関わった人間が何十人もいるのに「呪い」で死んだという人間はほんの数人しかいない。そしてその亡くなった人たちは、高齢だったとか病気をしていたとかで、亡くなっても特に不思議はない人ばかりだった。

 また「呪い」の犠牲者には、全然発掘と関わっておらず、単に発掘関係者と食事をしただけという人が含まれていたり、さらには「エジプトで起きた殺人事件」というだけで「呪いの犠牲者」にカウントされたりしている有様だった。

 ウィンロックは、この「呪い」云々が当時の新聞関係者が作り上げたものだと結論付けた。実はツタンカーメンの墳墓の記事は、ロンドン・タイムズ紙が独占しており、他紙は記事が作れない状態だった。ロンドン・タイムズはカーナボン卿の親戚が経営しているというコネが有った。

 そのため他紙はまともに記事が作れないので、「呪い」をでっちあげてセンセーショナルな記事を作り、ロンドン・タイムズに対抗した、というのが真実だったようである。


感想

 前回のfILE-22が9月16日放送だったので、僅か二か月で新作の放送となりましたが……

 実は今回は、番組公式サイトでも書いていますが、「クフ王大ピラミッド巨大空洞発見記念特別番組!(長い)」。今年の11月2日にイギリスの科学雑誌ネイチャーが、エジプトのクフ王の大ピラミッドに4500年間未発見だった未知の空間を発見したと発表しました。実はその発見はNHKの呼びかけで集まった日本の研究チームが、2年にわたる調査の結果見つけた物でした。

 ということでNHKは、既に11月4日にこの大発見についてNHKスペシャルでネタにしたのですが、それに飽き足らず(笑)、オカルト番組でも過去に放送したピラミッド/エジプト関連のネタを再度使いまわして急遽一本番組を作ったという訳です(笑) おいおい(笑)

 ということで、メインの「大ピラミッドが超古代文明の産物?」「ツタンカーメンの呪い」という部分は、過去の放送の再編集版でした。でもまあ、南極ピラミッドとか火星ピラミッドとか新ネタも多少あったので、それなりに満足できましたです。
 
 

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番組概要

http://www4.nhk.or.jp/darkside/26/
UFO、ネッシー、雪男、予言&占い、心霊現象、超古代文明、妖怪、吸血鬼、魔女…。闇の魅力がもつ妖しげな幻に対して、「今、何がどこまでわかっているのか?」を徹底検証!そこから浮かぶのは、自然の神秘、私たちの脳や心の不思議なメカニズム、社会のからくり、昔の人の驚くべき技術と想像力…。ダークサイドの向こうの“本物の不思議”をワクワクしながら楽しんでいただく、NHKならではの超常現象ガチンコ検証番組!


出演者 栗山千明 (くりやまちあき)

テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”

語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fate/Zero』(言峰綺礼)、『劇場版 空の境界』(荒耶宗蓮)など

 
 
ギザの大ピラミッド:5000年の謎を解く (「知の再発見」双書)