感想:NHK番組「BS1スペシャル」『ゴジラを進化させよ! ~ニッポン・アニメ 世界への挑戦~』

アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』 主題歌「WHITE OUT」 (アニメ盤)

BS1スペシャル「ゴジラを進化させよ!~ニッポン・アニメ 世界への挑戦~」http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2017-12-03/11/15750/2393147/
放送 NHK BS1

【※以下ネタバレ】
 

ゴジラを進化させよ! ~ニッポン・アニメ 世界への挑戦~

 

内容

BS1スペシャル「ゴジラを進化させよ!~ニッポン・アニメ 世界への挑戦~」 NHK
http://www4.nhk.or.jp/bs1sp/x/2017-12-03/11/15750/2393147/
12月3日(日) 午後10時00分


日本映画が誇る怪獣「ゴジラ」、63年の歴史で初めてシリーズがアニメーション化された。ねらうは世界市場でのヒット。映画全体が低迷するなか、アニメに活路を求めたのだ。切り札は、セル画を1枚1枚描き込む日本アニメの繊細さをCGで表現する最先端の技術。これまでほとんど公開されなかったCGアニメ制作の現場にカメラが密着。人気クリエーターたちの試行錯誤によって、新たなゴジラが生まれていく一部始終を目撃した。


【語り】荒井聡

 2017年11月に公開されたゴジラシリーズ最新作はアニメ作品。東宝は何故ゴジラのアニメに進出したのか。国内アニメ市場はここ数年右肩上がりだが、将来は少子高齢化で若者が減る。それを見越して世界に打って出るためのアニメ化。


 特撮ゴジラを見たことの無いアニメファンに向けたゴジラとして作られている。


 ゴジラのデザインは、今までの特撮ゴジラ映画から離れて、「実在の生物の延長ではなく、龍など架空の生物で」「力士をモデルにした力強い体形」「金剛力士像のような筋肉」「ご神木の力強さも」「植物であるという設定のため、体にはコケをはやし、背中のひれは「柊の葉」をモチーフにした」等々。


 人物もCGで描かれている。過去のアニメはセルで描かれていたが、これは一々手で描くので作るのに大変な手間がかかる。しかし人間を普通にCGで描くと、ロボットのような無機質な印象になってしまう。そこでCGにセルのような風味を付け加えた「セルルック」という技法で描かれている。


感想

 うーん? なんか期待と違う内容だったなぁ……


 11月公開のアニメゴジラを徹底分析するような内容かと予想していて、

・まず過去の特撮ゴジラをさらっと説明
・続いて「今回のゴジラはなんとCGアニメ」という説明に入り、
虚淵玄が出てきて「今回のゴジラは特撮と一線を画してみました」とか狙いを語って
・劇中のシーンがバンバン出て来る

ような番組かと思っていたのに……


 虚淵玄出てこねぇ……、まあ監督(二人もいる!)は出てきて作品の狙いを語ったり、ゴジラのデザインはこんなふうに決まりました、という内幕を語ったり、CG作成の現場を見せてくれたりしましたが、なんとなく「ポリゴンピクチュアズ」訪問の回、みたいな内容だったよなぁ……


 ……、って、ちょっと待て!! 番組タイトルをよく見たら、ゴジラがメインじゃなくて、「ニッポン・アニメ 世界への挑戦」だった! こりゃアニメの技術の話ばっかりというのこそ正解だったのか…… 勘違いしていたな。
 
 

NHKドキュメンタリー - BS1スペシャル「ゴジラを進化させよ!~ニッポン・アニメ 世界への挑戦~」
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2393147/index.html


2017年12月3日(日) 午後10時00分(50分)

番組スタッフから
【どんな番組ですか?】
日本を代表する怪獣ゴジラを初めてアニメーションにして世界に臨むクリエーターたちの挑戦を追った番組です。


【番組の見どころは?】
日本を代表する怪獣ゴジラが、63年前のシリーズ誕生以来初めてアニメ化されました。その背景にはニッポンのトップクリエーターたちの創造性の向上と同時にニッポン・アニメ全体が抱える危機感がありました。
ニッポン・アニメの今後を占う試金石となるアニメ版ゴジラ制作の舞台裏に密着し、クリエーターたちの奮闘を通して、新しい世界に挑戦するニッポン・アニメの最先端を紹介します。


【この番組を企画したきっかけは?】
ゴジラのアニメ化は、これまでのゴジラを知らない人たちに向けた全く新しい映画作品を目指したと言います。従来からのゴジラファンの厳しい目、ゴジラを知らないアニメファンに向けた新しい作品の提示という、当初から2つの高いハードルを課された中で始まったプロジェクトの進捗・成否は、視聴者にとっても有益な情報になると考えました。


【この番組を取材するなかで新しい発見や、驚いたことはありましたか?】
「日本が世界に誇るアニメ文化」、そう信じてきたものが、実は世界市場における存在感を失いつつある現状がありました。
右肩上がりを続ける国内市場からだけでは計れないアニメーションの将来への危機感。しかし日本の制作会社は、その危機を打開する表現技術力の高さを備えていました。


【心に残った言葉は?】
映画監督瀬下寛之氏の言葉
「(描き出す世界に)「没入感」「臨在感」があるかどうか(が大事)」
リエーター島田寛志氏の言葉
「気持ちを込めてアニメーションを作っているので、自分たちの演技で新しいゴジラの形として見せていけたら、と」


【見てくださる方に一言】
アニメーションが好きか嫌いかに関わらず、日本の映画表現の可能性を目撃してください。


(制作会社プロデューサー)

 
GODZILLA 怪獣黙示録 (角川文庫)