【ネットゲーム】2017年末に「PBM蓬莱学園」を詳細解説する記事が出てきて驚いた

試験に出る蓬莱学園!

 年末に懐かしいゲームが記事になっていて驚きました。1990年代に大人気コンテンツだった「蓬莱学園」を語る企画です。蓬莱学園ね、うん、まあ懐かしいっちゃあ懐かしいよなぁ。
 
news.denfaminicogamer.jp

【ゲームの企画書】リアルを舞台に数千人規模でゲーム…そんなのは約30年前に存在した! 「蓬莱学園」狂気の1年を今こそ語りあおう【新城カズマ×齊藤陽介×中津宗一郎 】
http://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/171230

 
 

蓬莱学園とは?

 随分前に自分が書いた日記が有りました。

perry-r.hatenablog.com

【プレイバイメイル】Togetterまとめ『PBM「蓬莱学園の冒険!」はなぜいまだにスゴいと囁かれ続けるのか』で懐かしさに震えてしまった
http://perry-r.hatenablog.com/entry/2017/05/23/020009

 まあ簡単に言うと、オンラインRPGを、ネット経由ではなく、人力と郵便でやるようなゲームですね。主催者側が舞台設定と大まかな状況を用意し、それに対して参加者が「郵便で」自分のキャラはどう行動するという事を連絡し、するとそれに応じて物語が進行する、という感じ。1980年代半ばから1990年代にかけては、色々な会社、あるいは雑誌企画で、この手の「郵便による巨大なTRPG」とでもいうべきものをやっていました。

 その中でも抜群の知名度を誇ったのが「蓬莱学園」シリーズ。1990年に一年間ゲームを展開した後、それをベースに小説やらTRPGやらに作品世界が派生していったので、1990年代のオタクの間では常識レベルで知られる作品でした。

 今回の記事はそういう当時の事を知らない世代に向けてのレクチャー記事です。当時の運営関係者や参加者が集まっての座談会なので、なかなかに読みごたえがあります。

 PBM蓬莱学園をまとめた記事的な物は、参加者の私的な思い出を記したブログとかツイートの集合体とかならともかく、運営者自身がメディアに語る物は今回初めてじゃないか、という気がするので、それなりに貴重ではないでしょうか。当時を懐かしみたい方にお勧めです。


以下おまけ

 この記事を読んでいると、色々と語りたいことも浮かんできたのですが、結構辛い事しか思いつかないので、記事や蓬莱学園についてネガティブなことを読みたくない方はここで引き返していただければと思います。あと内容はひじょーにとりとめがありません……



●記事のノリが……

 なんというか大げさすぎだよなぁと。

 だが、実はそんな「夢」に限りなく近い事例が、かつて──それも約30年前の日本に実在していたのを皆さんは知っているだろうか?


 この奇跡のような事例は、おそらく当時その瞬間に立ち会ってしまった数千人の人々しか目撃していない。だが、その体験者たちが語り継いだ伝説は、今やそれなりに有名でもある。なかにはTwitterで流れてきたのを見た人もいるかも知れない。というのも、この現場にいた人々からは、後の国内カルチャー産業を中枢で担う人々が大量に登場してしまったからである。
 ……しかも、驚くべきか。それは「手紙」という、実に原始的なテクノロジーをつかって行われたというのだ!

 このノリ……、自分で自分の書いた文章に酔っているようなイメージ。あと

──郵送作業も自分たちでやっていた。つまり、MMORPG【※】なんかで、コンピュータがアルゴリズムで処理しているレスポンスの全般を、アナログで処理していた、と(笑)

 インタビューアーの人、知っていて聞いているよね(そのあたりを調べずにインタビューするわけが無い)。そういうのもなんか引っかかるよなぁと。もっとうまい具合に構成してくれれば良かったのに。



●伝説……?

 この奇跡のような事例は、おそらく当時その瞬間に立ち会ってしまった数千人の人々しか目撃していない。だが、その体験者たちが語り継いだ伝説


 今回、電ファミニコゲーマーでは、このあまりに先駆的な事例でありながら、約30年ものあいだ謎に包まれてきた、このゲームの1年間で起きた事件を探るべく、運営者とプレイヤーの双方を呼んで座談会を開催した。

 うーん、何か誇大に表現しすぎじゃない? もちろんPBM蓬莱学園は大成功した事は間違いありませんが、その後蓬莱タイムズの復刻版とかが発売されて、当時何が起きたかは別に少人数だけの秘密という訳でもなかったし、謎に包まれていたわけでもないと思うんですけどねぇ。単にその後蓬莱というコンテンツが人気が落ちて忘れ去られただけじゃないのかと。

 まあ蓬莱の参加者の中からその後、ブロの小説家になるような人間がいっぱいいたので伝説にしたいのかもしれませんけど、「ファンロードの投稿者の中からプロの漫画家が一杯出た」のと変わらない話なんじゃ。



●PBMは金持ちのゲーム

──えっ……ゲームのために関西と関東を往復して、情報を収集したりするんですか?【※】

 当時は、よくやってました。青春18きっぷを使うのが流行だったと思います。あとは、電話でのやり取りかなあ。

 だから、書評家の細谷正充さん【※2】は「PBMはお金持ちのゲームだ」と言ってました。
 でも確かに、みんな動き回ってましたよね。なぜか土曜日には大阪にいたのに、日曜日には関東にいるような人がいるんですよ(笑)。そんな彼らが、遠く離れた地域の情報を届けてくるんです。なにせ当時はユーザー同士でイベントを開催するときには、「土曜が大阪で、日曜が関東」という不文律が出来上がってましたからね。

 ああ……、、私は蓬莱の一つの前の「ネットゲーム88」に参加して痛感したのですが、PBMはまさしく金(と時間)が湯水のように使える人間だけが楽しいゲームなんですよね。この二つが十分にある人間は、記事にあるようにイベントに参加して情報を交換し合って中身の濃い体験ができたはずです。だから楽しそう。

 でも、金の無い学生、または時間の無い社会人、の場合は、そういうプレイは不可能なので、

1「限られた情報の中でチマチマとプレイする」
2「特にゲームに何の影響も与えない」
3「結局、何か月も参加しても、ゲームの中の通行人A程度の役割で終わる」

 しかなかったのです。

 まあ、「参加したけど活躍できなくてつまらなかったよ」という人が熱意をもってその事を伝えるはずも無いので、そういう面は伝わり辛いのですが、PBMには光あるところ影がある、活躍できる少数のキャラの陰で活躍どころか参加する意味も見いだせなかったような人もいた、という事は書いておきたいよねぇと。


 とまあ、こんなところです。でも記事はそれなりに面白いよ(一応フォロー)。
 
 
蓬莱学園ワールドツアー
なんでもかんでも蓬莱学園!