【歴史】感想:NHK番組「明治維新150年スペシャル 決戦!鳥羽伏見の戦い 日本の未来を決めた7日間」

週刊新説戦乱の日本史(44) 鳥羽・伏見の戦い 徳川慶喜 2008/12/16号 (小学館ウィークリーブック)

明治維新150年スペシャル「決戦!鳥羽伏見の戦い 日本の未来を決めた7日間」http://www4.nhk.or.jp/P4724/
放送 NHK BSプレミアム。2017年12月30日(土) 21:00~23:00。

【※以下ネタバレ】
 

明治維新はなかった?もしこの戦いが少しでも違ってたら?徳川か薩摩か、予測不可能な激戦の全貌、知られざる内情を徹底検証!歴史ファン衝撃の裏話たっぷりの2時間SP!

 

内容

12月30日土曜
NHKBSプレミアム 午後9時00分~ 午後11時00分
明治維新150年スペシャル「決戦!鳥羽伏見の戦い 日本の未来を決めた7日間」


明治維新はなかった!?もしこの戦いの経過がほんの少しでも違っていたら?ちょうど150年前の正月3日に京都・大阪間で始まった鳥羽伏見の戦い。徳川か薩摩か?実はこの激戦、どちらが勝つか全く予測不可能。わずかな判断の差や偶然の成り行きで、結果は全然違ったかもしれなかった。本格ドラマと検証ドキュメントで、知られざる内情を徹底追究!歴史ファン衝撃の裏話が続々の、2時間たっぷり歴史スペシャル!【語り】池田秀一


【ゲスト】加来耕三,淺川道夫,保谷徹,【出演】宍戸開,半田健人,萬雅之,広田亮平,本宮泰風,阿部亮平,隈部洋平,【リポーター】村井美樹,【語り】池田秀一

 鳥羽・伏見の戦いとは、幕末の慶応4年(1868年)1月3日~6日に、徳川方と薩摩方が激突した戦い。この番組では1月9日までの7日間の戦いとして扱っている。


 1853年の黒船来航以降国内は大きく揺れ動いていていた。そして薩摩藩は、慶応3年(1867年)12月9日に京都で御所を封鎖し「王政復古のクーデター」を起こす。これは徳川幕府廃止、天皇を中心とする新政府の誕生、等を宣言したもので、将軍徳川慶喜は新政府からはじき出された。

 しかし慶喜大阪城に移り、事態を静観していた。陸軍の兵力は薩摩側が4000に対して徳川方は15,000で圧倒していたうえ、海軍も最新式の軍艦「開陽丸」を旗艦とする艦隊で大阪湾を押さえており、京都封鎖を行えば戦わずして新政府を屈服させることが可能だったためである。これに動揺した薩摩の西郷隆盛大久保利通たちは、慶喜を新政府に加えることもやむなし、という空気になっていた。

 ところがこの頃江戸では薩摩の手先の浪士が強盗・放火などを繰り返しており、それにキレた江戸の徳川方が薩摩藩邸を攻撃して、徳川と薩摩は戦闘状態に突入してしまう。慶喜の部下は天皇に「討薩」を訴える書類を渡すと言い出し、慶喜は勝手にしろと指示。

 徳川方は鳥羽街道を京都に向かって進軍したが、1月3日に薩摩方と接触して戦闘が始まり、幕府の拠点のあった伏見でも戦いが行われた。当初は幕府軍が不利だったものの、途中で押し戻すなど戦いは一進一退の状態だった。

 ところが薩摩方が「錦旗」を掲げて自分たちが官軍、徳川方は朝敵、と宣伝し始めたことで、様子見をしていた中立の藩が一気に薩摩方につき始め、徳川方は大阪城に撤退する羽目になった。しかし大阪城は難攻不落の要塞で、薩摩方には大阪城を攻略できるような武器は持っていなかった。しかも大阪湾は徳川艦隊が封鎖しており、薩摩艦隊を散々に打ち破っていて制海権を取っていた。

 しかし、慶喜は部下には徹底抗戦を訴えて士気を上げておきながら、6日の夜にこっそり大阪城を脱出して開陽丸に乗りこみ、江戸行きを命じた。ところが乗組員はまだ負けてないとして、慶喜が翻意することを期待して、江戸に向かわず大阪湾をぐるぐる周回していた。結局それは8日夜にばれ、泣く泣く江戸に向かわざるを得なくなる。翌1月9日に大阪城は落城し、戦いは徳川方の敗北で終わった。


感想

 幕末マニアなら誰でも必ず知っている鳥羽伏見の戦いの様相を、二時間かけて、再現ドラマ・実地の確認・専門家たちのコメント、を交えて解説していく番組。

。歴史の本を読むと、鳥羽伏見の戦いは、「武器の性能でもやる気でも負けていた徳川方が、最新鋭の武器を持ちやる気満々だった薩摩に、見るも無残に蹴散らされた挙句、慶喜がみじめに逃げ出した戦い」くらいにしか書いていないわけですが……

 この番組を見ると、現実は結構違っていたようです。そもそも慶喜は戦わずして薩摩方を屈服させられる雲行きだったし、戦いも徳川方が一方的に負けまくっていたわけではなく、最初は勝ったり負けたりの互角の状況だったとのこと。

 途中で淀藩が徳川を裏切った、というか中立を選んだことで戦いの流れが変わりましたが、それでも徳川が大阪城にこもって徹底抗戦していれば、制海権は徳川艦隊が押さえていたので、戦いは長引いた可能性が大だったとのこと。まあ、その場合は日本は泥沼の内戦に突入した挙句、諸外国が戦いに介入して、日本はエライことになっていた可能性もあるわけですが……

 と、色々勉強になった番組でした。


 ところで番組のナレーターはシャア役でおなじみ池田秀一氏だったのですが、途中で「大砲の弾でも、当たらなければどうということは無い」というガンダムのパロ台詞が有ってちょっと笑いました。
 
 
鳥羽伏見の戦い―幕府の命運を決した四日間 (中公新書)