感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第128話(シーズン6 第1話)「盲目の密告者」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第128話 盲目の密告者 Blind (シーズン6 第1話)

 

あらすじ

マフィアに潜入している当局の捜査官が、その正体を暴かれる危機に瀕している。捜査官の組織内での信用を回復すべく、フェルプス(ピーター・グレイブス)が事故で視力を失った元捜査員になりきるため、一時的に視力を失くした状態で組織のメンバーと接触を試みる。

※DVD版のタイトルは「恐怖の銃乱射」。


【今回の指令】
 秘密捜査官ヘイズ(Warren Hays)は、ジョン・ローソン(John Lawson)率いるシンジケート壊滅のための証拠を集めていたが、任務中に盲目になった。ローソンの腹心カール・デートリッヒ(Carl Deetrich)と経営コンサルタントのヘンリー・マトーラ(Henry Matula)は、ローソンの後継者を狙うライバルである。実はマトーラは5年前に組織に潜入した当局の人間であるが、現在彼は素性を疑われ始めている。IMFはマトーラの信用を回復し、彼の地位を安泰にしなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:無し


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。工場内で怪しい男が爆弾を仕掛けているところにヘイズがやって来る。男は慌てて逃げ出し、ヘイズは爆弾の爆発で大怪我をする。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 フェルプスはヘイズに化けるため、内側から光を通さない特殊なコンタクトを装着する手術を受ける。そしてIMFは新聞に、ヘイズは素行不良がばれて年金その他をはく奪されて警察をクビになったという記事を載せる。

 バーニーは他所から来たシンジケートの一員としてマトーラの部下となる。ヘイズに化けたフェルプスは、酒浸りになって金に困っている風を装う。ローソンはフェルプスが組織内にいる裏切り者を知っているに違いないと考え、大金で雇う。フェルプスは、裏切り者の名前は知らないが、声を聴けばわかるので探してやると請け合う。

 そのあとフェルプスは、わざとデートリッヒの部下に聞こえるように、本当は裏切り者の名前は知っているが、だらだら働いて金をもらい続けるため、知らないふりを続けると言う。デートリッヒは激怒してフェルプスに詰め寄るが、フェルプスは余裕綽々で、自分に手を出したらデートリッヒこそが裏切り者だと告白するようなものなので、手を出せるはずがない、と言う。

 デートリッヒは考えを変え、フェルプスに、邪魔なマトーラを裏切り者だと指摘してくれたら礼金25000ドルを支払うと言い、フェルプスも了承する。そのあとデートリッヒはローソンを呼び出し、やってきたローソンとマトーラの前で、フェルプスにマトーラが裏切り者だと言わせる。

 ところがでローソンの元には、IMFが録音していた、デートリッヒがフェルプスを買収したときの会話内容が届いており、ローソンはデートリッヒにお前こそ裏切り者だと言う。やけくそになったデートリッヒは部下と共に銃を撃ちまくるが、結局部下共々殺される。その後、ローソンはバーニーにフェルプスを始末しておけと言って、マトーラと出ていく。

 最後、フェルプスがレンズを外して視力を取り戻すシーンで〆。


監督: レザ・S・バディイ
脚本: アーサー・ウェイズ


感想

 評価は(ぎりぎりで)○。

 今回のエピソードは第6シーズンの記念すべき第1話で、一応「冒頭にテープで指令を受けて、それに従いミッションを遂行する」という王道構成ではあったものの、内容はあまりぱっとしないもので、満足度もいま一つだった。


 第6シーズンからIMFのメンバーがまた大きく入れ替わり、パリスとダナがチームを去った代わりに、美女ポジションでリサ・ケイシー(Lisa Casey)が参加した。しかし、彼女は何故か仲間からは「リサ」ではなく「ケイシー」と呼ばれており、何故下の名前で呼ぶのか不思議で仕方ない。

 またオープニングのメンバー紹介を見ると、今まで「その他」扱いだったバーニーが、フェルプスの次に紹介されるようになっており、「フェルプス、ケイシー」と並ぶ主役に昇格している。もっともその代わり、昔のように秘密小道具を駆使して作戦を支援するようなシーンは皆無になってしまったので、痛しかゆしというところではある。

 そして、レギュラーが今までの五人から四人に減ってしまったことで、なんとなく番組が貧相になったような印象を受けてしまった。第4シーズンもレギュラー4人体制ではあったが、ほぼ毎回女性エージェントがゲストとして参加しており、作戦遂行は実質5人体制だった。そして、ローランやパリスと女性エージェントが敵の内部に入り込み、フェルプスがサブとしてフォローし、バーニーとウィリーが裏方で支援、という形だったが、このシーズンからはそういうシフトが出来なくなってしまっているのが、チームがみすぼらしく見えるようになった原因だと思われる。


 今回のエピソードでは、今まではローランやパリスが担当していたような、敵のメンバーと直接渡り合う役をフェルプスが担当しており、またフェルプス以外のケイシー・バーニー・ウィリーはほぼ何もしておらず、フェルプス一人が苦労する話だった。確かに「主人公が大活躍する」という意味では、ドラマ的には間違ってはいないが、今までのミッションと比較すると、フェルプス一人が危険な目にばかりあっており、どうも違和感がぬぐえない展開ではあった。

 作戦の流れとしては、策略で相手の組織の内部分裂を引き起こし目的を達成する、という形になっているので、一応今までのスパイ大作戦と同じだが、全体に作戦が小粒というか、策略が決まってもあまり爽快感が無い作戦でがっかりだった。

 また、最後はデートリッヒが部下と共に銃を乱射して、ローソン・マトーラ・フェルプスたちを撃ちまくる、という危険な事態になってしまい、ローソンとマトーラは撃たれて怪我をするし、慌てて逃げ出したフェルプスは眼が見えないので階下に転落してしまい、下手をすれば死んでいるところだった。ここでデートリッヒ側が勝利してしまったらIMFの計略は水泡に帰したわけで、IMFの作戦は詰めが甘かったとしか言いようがない。

 ところで気になるところだが、マトーラはIMFの作戦を知ってそれに乗って動いていたのか、全然知らなかったのか、一体どちらだろうか。マトーラがIMFメンバーと作戦について話すようなシーンが無いので、どちらともとれる曖昧さで、いささかモヤモヤしてしまった。


 今回のエピソードはサブタイトルが多数存在するようで、

BSジャパン→「盲目の密告者」
・DVD→「恐怖の銃乱射」
・昔の地上波放送→「闇の中の追跡」

という三パターンがあり、さらにまだ別名が有ったらしい……


 今回のサブタイトルの原題「Blind」とは「目の不自由な」という意味。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスがビルの屋上に行き、壁にくっついている箱のようなものを鍵で開き蓋を開くと、蓋に小さな封筒が張り付いており、中はスピーカーになっている。フェルプスはスピーカーのスイッチを入れてテープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、スピーカーの中から煙が吹き上がる。


参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。秘密捜査官ヘイズは、ジョン・ローソンの地下帝国を崩壊させるため証拠を集めていたが、任務遂行中盲目になった。ローソンの右腕カール・デートリッヒと、経営コンサルタントのヘンリー・マトーラは、ローソンの後継者たらんと競い合っている。このマトーラは、五年前にシンジケートに潜入した当局の人間だが、最近その素性を怪しむ者が出てきた。

 そこで君の使命だが、マトーラの信用を回復し、シンジケート内の彼の地位を不動のものとすることにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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