【映画】感想:映画「赤ひげ」(1965年:日本)

赤ひげ [Blu-ray]

NHK BSシネマ http://www.nhk.or.jp/bscinema/
放送 NHK BSプレミアム 2017年12月31日(日)

【※以下ネタバレ】
 

長崎帰りの青年医師・保本は、小石川養生所の見習いとして住み込みを命じられる。“赤ひげ”と呼ばれている所長は、無口で武骨で、保本は、雰囲気になじめず、投げやりな態度で過ごしていたが、確かな診断と優れた腕で懸命に人々の治療にあたる名医・赤ひげと、彼を頼りにする貧しい人々の姿に、次第に心を動かされていく…。黒澤明監督が山本周五郎の小説を映画化、三船敏郎との最後の作品となったヒューマンドラマの傑作。

 

あらすじ

 青年医師・保本(やすもと)(加山雄三)は、長崎での三年間の留学を終え、江戸へと戻ってきた。安本は今後は御目見医としての輝かしい進路が待っていると思っていたが、父親の指示で貧民のための施設・小石川養生所へ顔を出したところ、所長の新出(三船敏郎)から、このままここで働くように命じられ、ショックを受ける。

 保本の療養所への勤務は幕府からの命令で、拒むことは出来なかったが、納得できない保本は、当てつけるように働きもせずひたすら酒を飲み続け、新出がクビを言い出すのを待っていた。しかし新出はそんな保本をいさめようともしなかった。

 新出は、周囲からは「赤ひげ」の通称で呼ばれて慕われており、貧しい身分の患者たちの事を思いやり、患者のためならごろつきたちと一戦交えることも辞さなかった。そんな赤ひげの姿を見るうち、保本は赤ひげを尊敬するようになり、療養所での仕事も熱心にこなすようになっていく。

 やがて保本に幕府のエリート医師としての進路が用意された。しかし保本はそれを断り、赤ひげに今後も療養所で働きたいと申し出る。赤ひげは翻意するように勧めるものの、保本は自分の固い決意を伝えるのだった。


感想

 評価は△。

 とにかく長~い映画(上映時間:3時間5分)。その一言に尽きます。

 一応あらすじとしては「知識ばかりの、頭でっかちで現場経験の無いエリート青年医師が、現場で色々な体験をするうち、真の医師としての姿に目覚める」というカッコイイものなのですが……、とにかくだるい……


 保本が療養所に来たあと、色々な患者の話が挟み込まれるのですが……

座敷牢に幽閉されている美女話
・末期のガンの老人の話
・夫婦が生き別れて云々みたいな話
・みなしごを引き取る話
一家心中話

 といった色々な話が、よく言えばバラエティ豊かに、悪く言えばごたごたと整理されずに、詰め込まれており、ダラダラとしていて、一本の映画としてしっかりまとまっていない。

 個人的なイメージとしては30分×6話のドラマをひとまとめにして一気に放送した、という感じしかしません。「第1話 保本、療養所に来る」「第2話 座敷牢の美女」「第3話 人が死ぬという事」(中略)「最終話 保本の決意」てなところでしょうか。

 長屋で瀕死の男が自分の身の上を騙るところなんか、それだけで一つの「映画内映画」になっており、赤ひげも保本も出てこない身の上語りが延々続くので、これは一体なんなの、私は何の映画を見せられているの、って感じでしたし。

 まあラストシーンだけ見るとイイ感じに爽やかなんですけど、途中がねぇ。連続ドラマとしてみればともかく、一つの映画としてはねぇ、という評価です。

 ところで加山雄三が黒澤映画に出ていると知ってひっくり返りそうになりました。この人、若大将だけじゃなかったんですね。

おまけ

 この映画を連続ドラマ風と評しましたが、2017年にNHKで本当に連続ドラマとしてリメイクされてました。

赤ひげ | NHK BS時代劇
http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/akahige/index.html

www.nhk.or.jp
 
 評判は知りません……
 
 

年越し映画マラソン 赤ひげ
BSプレミアム12月31日(日)午後7時00分~10時06分


【製作】
田中友幸
【製作・脚本】
菊島隆三
【監督・脚本】
黒澤明
【原作】
山本周五郎
【脚本】
井手雅人小国英雄
【撮影】
中井朝一斎藤孝
【音楽】
佐藤勝
【出演】
三船敏郎加山雄三、山﨑努、団令子、桑野みゆき香川京子 ほか


製作国:
日本
製作年:
1965
備考:
白黒/レターボックス・サイズ

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