ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” http://www4.nhk.or.jp/diamond-hakushi/
放送 NHK Eテレ。全12回。金曜22:00~22:30。
【※以下ネタバレ】
世界的ベストセラー『銃・病原菌・鉄』で知られる進化生物学者ジャレド・ダイアモンド博士が、アメリカ・ロサンゼルスで、若者向けに行った特別授業を12回にわたって放送。ヒトと動物の違いと共通点に注目し、言語やアートの本質、夫婦の不思議、そして、なぜ人間の間で格差が拡がってしまったのかを考える事によって、環境破壊や、戦争と大量虐殺など人間が抱えている問題について、解き明かしていく。
第11回 文明崩壊 人類史から学ぶもの (2018年3月16日(金)放送)
内容
3月16日金曜
NHKEテレ1 午後10時00分~ 午後10時30分
ダイアモンド博士の“ヒトの秘密” 第11回「文明崩壊 人類史から学ぶもの」
ダイアモンド博士は、「銃・病原菌・鉄」でピュリツァー賞を受賞した進化生物学者。人間の進化によって現代社会を考察する博士の特別授業を12回にわたって放送。
今回は環境破壊と文明の危機について。これまでヒトは、気づかないうちに生態系を破壊し、資源を使い果たし、自らの文明を崩壊させたこともあった。地球規模の環境破壊と文明の危機を避けるために、私たちは過去の失敗から何を学べばいいのか。ダイアモンド博士が、進化の視点から解き明かす。
【出演】進化生物学者…ジャレド・ダイアモンド,【声】糸博
●環境破壊
現在、地球には地球温暖化、水の問題、大気汚染、海面上昇、サンゴ礁の破壊、といった環境問題が存在する。
実は環境破壊や種の絶滅といった問題は、人間が全く関わっていないものもある。例えば「アメリカ大陸間大交差」。かつて北米と南米は繋がっておらず、別々の島だった。ところが400万年前、両大陸が陸続きになり、動物が行き来できるようになった。そして当時南米に住んでいた多数の種が、北米からやって来た動物たちによって絶滅させられてしまった。
しかし、人間によって絶滅させられた種も多い。例えばニュージーランドにいた巨鳥モアはキリン並みに巨大な飛べない鳥だったが、800年前ニュージーランドにやってきたポリネシア人に絶滅させられた。
また、「昔の人間なら、自然を愛し自然と協調していた」というわけではない。例えば13,000年前にアジアから北米に移動してきた人間の祖先は、当時北米に住んでいたマンモスを始めとする幾多の種を絶滅させた。
●文明の自滅
また人間は環境を破壊し自滅してしまった例もある。例えばイースター島。1000年前、ポリネシア人はイースター島に移住すると、島に生い茂っていたヤシの木を無計画に伐採した。そのため島の台地は雨風で痩せていき、動物を食べつくし、戦争に明け暮れた挙句自滅した。
北米の先住民アナサジ文明は、雨水をためて飲み水や灌漑にするなど進んだ暮らしをしていたが、木を無計画に伐採したことで自滅してしまった。
●環境破壊対策
地球には気象変動が起きている。その主な原因は二酸化炭素で、そのため気温の上昇、干ばつなど異常気象、海の酸化、海面上昇、などが発生している。
魚の乱獲。森林の伐採。水資源の枯渇。水を巡る紛争。などの問題もある。
これらは、人間の不勉強や無知、結果を気にしないで目先の利益にとびつくような無責任な行動、などによって引き起こされている。私たちは今後の環境問題の危機を回避するために、個人で努力するだけでなく、政府に働きかけていく必要がある。
今は環境の破壊と、環境に配慮する活動の二つが競争している状態。もし後者が勝てば世界は環境を破壊して資源を使いつくした悲惨なことになる。しかし、5年前のアメリカ人は地球温暖化が人間のせいだと信じていなかったが、今はみんな知っている。こんなふうに希望はある。
感想
みんな環境に配慮して暮らしていこう、と啓蒙してくれる回でした。