シリーズ 欲望の経済史~ルールが変わる時~ http://www4.nhk.or.jp/P4384/
放送 NHK Eテレ。22:30~23:00。全6回。
【※以下ネタバレ】
第5回 崩壊 失われた羅針盤 90s (2018年3月16日(金)放送)
あらすじ
3月16日金曜
NHKEテレ1 午後10時30分~ 午後11時00分
シリーズ 欲望の経済史~日本戦後編~ 第5回「崩壊 失われた羅針盤90s」
90年代繁栄を極めた日本経済はちょう落の時を迎える。バブル崩壊。そこにもさまざまな光と影が交錯していた。不良債権処理に追われ閉塞感漂う中、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件などが追い打ちをかける。そんな中世界経済の富を生むルールも変更されつつあった?日本の停滞をよそに世界で進行していた変化とは?サブカルチャーも大きく変貌した時代の空気を捉え直し日本経済再生のための可能性を見出すべく90年代を再考する
【ゲスト】早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問…野口悠紀雄,慶應義塾大学 教授…坂井豊貴,【語り】首藤奈知子,【朗読】園部啓一
経済の専門家の野口悠紀雄・坂井豊貴両氏の対談の形で、戦後経済を分析していく番組。
1980年代末までは地価と株価の上昇で日本は好景気に沸いたが、1990年に入った早々株価が下がり始めた。それでも人々は「株価は下がっても土地の価格は下がっていない」と危機感を感じていなかったが、やがて公定歩合の引き上げ、銀行の不動産向け融資の規制「不動産融資総量規制」が立て続けに行われ、土地の価格も1991年から下落し始めた。
そして景気の先行きが暗くなり始めると、損失補填・利益供与などの不祥事が次々と明るみに出た。1997年、四大証券の一つ山一證券は、違法な損失補填をしていたことがばれた挙句に自主廃業した。もっとも当時の社員たちは政府が救済してくれると信じ切っていたという。また不動産業者も回収機構が借金を全部チャラにしてくれると噂しあっていた。
そして日本がバブル崩壊であたふたしている間に世界は変動し、新興国、とくに中国は工業化に成功していた。またモノ作りから情報化技術の時代へと移行しつつあった。
1995年は、阪神淡路大震災の発生、オウム真理教の地下鉄サリン事件、などで、日本人の間に終末感が漂い始めた。またこの年を頂点にビール消費量など様々な物が衰退し始める。失業率は3パーセントを突破、逆に有効求人倍率は1倍を斬り、就職氷河期が発生した。
携帯電話の普及、Windows95の大ヒットなどで情報化が発生し、大衆が一つの物にわっと飛びつくような状況が無くなっていった。
あと、95年はエヴァンゲリオンが放送され、90年代後半はコミケの参加者はうなぎのぼり、オタクという言葉も市民権を得た。
そんなこんなで、日本は「失われた20年」に突入していった。
感想
野口先生によると、
アメリカ企業、例えばアップルは水平分業に成功した。利益率の低いモノ作りは中国に任せ、利益率の高い所だけを担当して儲けている。なのにトランプ大統領はそのモノづくりをアメリカに呼び戻そうとしている。実に愚か。
だそうです。実に歯切れよく断言していて印象的でしたねぇ。