感想:アニメ「クラシカロイド (第2シリーズ)」第25話(最終回)「ザ ラスト クラシカロイド」

クラシカロイド クリアファイル

アニメ「クラシカロイド」HP http://www.classicaloid.net/
放送 NHK Eテレ。土曜日17:35~18:00。全25話。

【※以下ネタバレ】
 

第25話(最終回) ザ ラスト クラシカロイド (2018年3月24日(土)放送)

 

あらすじ

 ワーグナーの暴走事件の後。

 ドヴォルザーク音羽博士の手で新しく人間の肉体に生まれ変わる処置を受けようとしていたが、直前に鉄道会社の人間が音羽館を訪れ、明らかに鉄オタのドヴォルザークを自社のマスコットにしたいと申し出てきた。その話に飛びついたドヴォルザークは、カバのまま音羽館を出て鉄道会社で楽しく働くことになった。

 バッハはプロデューサーとして完全復活し、クラスキークラスキーの二人もバッハのプロデュースのおかげで売れっ子アイドルの地位に返り咲いていた。またワーグナー音羽館に戻り、歌苗たちとかつてのような良好な関係を取り戻していた。

 と、良い話が続く中で、一人奏助だけは暗い表情で落ち込んでいた。かつての相棒パッド君は、ドヴォルザークの通訳のため鉄道会社のパッドに旅立ってしまい、また学校には進路希望の提出を迫られ、親からはさっさと進みたい道を決めろとせかされていた。奏助としてはビッグなミュージシャンになりたいものの、それが実現可能とも思えず、どうすれば良いのか答えが出ない。しかしやがてヤケクソ的にやる気を出した奏助は、ムジークを出すための自己流の特訓を始める。

 同じころ、平穏な暮らしに飽きた音羽夫妻は、ワーグナーを連れて、深海探検に挑むために旅立っていった。音羽館の借金はワーグナーがアイドルの稼ぎですべて返済していたため、歌苗の心配事は無くなったが、寂しさは隠せない。しかも住民のクラシカロイドたちも、人生の新しいステージに踏み出すため、ベートーヴェンを皮切りに全員が音羽館を去ってしまった。

 山奥で特訓していた奏助は、何の成果も出せないことに諦めかけるが、それでは駄目だと思いなおし、学校を辞めて東京に出ることを決意する。そして音羽館の住民にそれを伝えようとするが、館には歌苗しかおらず、さらにその歌苗も学校を休学して両親の後を追うと言って、館を出て行ってしまった。

 結局奏助は、みんなから見送られてカッコよく東京に旅立つはずが、逆に音羽館に一人ぽつんと取り残されてしまう。奏助は考えていたのとまるで違うシチュエーションになったことに、こんなのは嫌だと一人で駄々をこね始めた。その瞬間ムジークが発動し、歌苗とクラシカロイド五人はムジークの力で音羽館に連れ戻されてしまった(ちなみにムジークを発動させたのは、奏助ではなく、ハシビロコウのハッシーだが、奏助は自分の力だと思い込んだ)。

 奏助は戻って来た皆に、このまま何も変わらないぬるま湯生活を送り続けようと懇願し、その恥ずかしい願いに皆は呆れかえる。そこに音羽博士から歌苗に電話が入り、深海調査のための潜水艦の建造に有り金を使い果たしたうえ、借金まで作ってしまったと連絡してきた。その額に青くなった歌苗は、クラシカロイドたちに家賃を払え、新しい住民を連れて来い、とはっぱをかけて〆。

感想

 なんだかんだありましたけど、ラストは面白おかしくまとまったので良かったですな。さすがに第一期ラストほどではなかったものの、今期も手堅く〆ました。

総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 2016年10月~2017年3月まで放送されたアニメの第二期。第一期監督の藤田陽一氏と、メイン級ライターだった松原秀氏の二人が、このアニメと同時期放送の「おそ松さん 第二期」の方をやるために番組を去ってしまったので、クオリティの低下が心配されましたが、影響は思ったほどではなく、ほどほどに面白い作品に仕上がっていました。

 まあ、既に第一期で「各キャラの紹介」「クラシカロイドとは何者?」「音羽博士はどこにいる?」「アルケー社とクラシカロイドの関係は?」「バッハの最終目的は何?」といった要素は全てやり尽くしてしまっていたため、今期はやることがあまり無く、第一期と比較してボルテージが遥かに低かったことは否定できません。

 新しく今期を引っ張るために導入された要素「ワーグナーの正体とその目的」は、2クール全25話を引っ張るほどの密度は無かったため、故にほとんどの回が「クラシカロイドが一話完結でドタバタを繰り広げるコメディ話」になっており、毎週番外編ぱかりを見せられているような気分でした。この辺りは謎の答えを小出しにして話を盛り上げていった第一期とは天地の差でしたね。

 しかしまあ、第二期は、そういう変なキャラたちを転がしてドタバタコメディを見せるアニメだと割り切れば、毎回それなりには面白く、特に第17話「荒野のウエスタンロイド」の回は最高に笑えました。何が「クラシカドン!」だ(笑)(※懐かしの「ドレミファドン!」のパロディです)

 それに、終盤はちゃんと本筋のワーグナーの話に戻ってきて伏線も回収したし、最終回も手堅かったし、最終的には娯楽作品としてちゃんと満足の良く出来になっていました。さすがに第一期の完成度には負けたものの、結構な出来のアニメだったと評価いたします。
  
クラシカロイド Original Sound Track
 

クラシカロイド 第2シリーズ


高校生の音羽歌苗が大家を務める洋館に“クラシカロイド”を名乗る人物が大集合。ベートーヴェンモーツァルトなど、実在の音楽家と同じ名前を名乗る彼らはやっぱり天才!不思議な力を持つ音楽“ムジーク”を奏で、次から次へと奇想天外な出来事を引き起こす。魚になったり宇宙人がやってきたり、すでに大混乱な日常に、ワーグナードヴォルザークが新たに加わり、音羽館はますます大騒ぎ!!


制作会社
サンライズ


スタッフ情報
【監督】馬引圭
【ストーリー監修】藤田陽一
【キャラクター原案】土林誠
【キャラクターデザイン】橋本誠一、山本美佳
【シリーズ構成】土屋理敬
【脚本】きだつよし、こぐれ京、浅川美也、上代務、山田由香、神山修一
【音楽】浜渦正志
【制作】NHKエンタープライズ
【制作・著作】NHK・BNピクチャーズ


キャスト
ベートーヴェン杉田智和
モーツァルト梶裕貴
音羽歌苗:小松未可子
神楽奏助:島﨑信長
ショパン鳥海浩輔
リスト:能登麻美子
シューベルト前野智昭
ワーグナー松岡禎丞
ドヴォルザーク諏訪部順一
チャイコフスキー遠藤綾
バダジェフスカ:M・A・O
バッハ:楠大典
パッド君:石田彰

 
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