感想:海外ドラマ「スパイ大作戦」第139話(シーズン6 第12話)「毒ガス警報!」

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【※以下ネタバレ】
 
シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

海外ドラマ「スパイ大作戦 シーズン6」あらすじ・感想まとめ

 

第139話 毒ガス警報! Nerves (シーズン6 第12話)

 

あらすじ

殺し屋が、陸軍研究所から盗んだ毒ガスと引き換えに服役中の兄の釈放を要求。従わなければ町中に毒ガスをまくと言う。ケイシー(リンダ・デイ・ジョージ)が女囚になりすまし、殺し屋の恋人に近づく。

※DVD版のタイトルは「毒ガス!全市滅亡の危機」。


【今回の指令】
 元シンジケートの殺し屋ウェンデル・ホイズ(Wendell Hoyes)は、服役中の兄ケイマン(Cayman)を釈放させるため、陸軍の研究所から、毒ガス「TX222(ティーエックス・トゥートゥートゥー)」を盗み出した。ウェンデルはケイマンを釈放しなければ市街地に毒ガスを放出すると脅迫しているが、たとえ要求を飲んだとしてもウェンデルがガスを返還する保証はない。IMFはウェンデルの計画を阻止し、毒ガスを取り戻さなければならない。


【作戦参加メンバー】
 レギュラー:フェルプス、バーニー、ケイシー、ウィリー
 ゲスト:ビル


【作戦の舞台】
 アメリカ国内


【作戦】
 冒頭。ウェンデルが刑務所に電話し、兄のケイマンを釈放しなければ毒ガスを市街地にばらまくと脅迫する。しかしケイマンは病で余命いくばくもない状態である。

 フェルプスがテープで指令を受け取る。

 ウェンデルが盗んだ毒ガスのボンベには欠陥が有り、43時間後にはガスが漏れだすため、それまでに取り戻さなければならない。IMFメンバーのビルは、ケイマンそっくりに変装するが、直後本物のケイマンは病で死んでしまう。

 IMFは、ウェンデルの女セレタが刑務所に入っているので、ケイシーを囚人に変装させて、セレタと一緒に脱走するように仕向ける。セレタはケイシーを脅して一緒にウェンデルの隠れ家に逃げこむ。それを尾行していたIMFは隠れ家を特定し、監視を始める。

 その後、ウェンデルは刑務所に連絡し、兄のケイマン(実は変装したビル)を釈放させて隠れ家に連れてくる。ビルは、ウェンデルに対し、毒ガスを陸軍に返してさっさと逃亡しようと薦めるが、ウェンデルは毒ガスはテロリストに売って金に変えると言い、全員の反対にも耳を貸さない。

 やがてウェンデルたちは毒ガスの隠し場所のビルに向かうが、刑務所の看守に内通者がおり、ウェンデルたちに本物のケイマンが既に死んでいることがばれてしまう。ヤケになったケイマンは毒ガスを市街に放出しようとするが、IMFとの銃撃戦で死んでしまう。IMFは隠されていた毒ガスのボンベを発見し、陸軍の処理班がボンベを厳重に封印するシーンで〆。


監督: バリー・クレーン
原案: ヘンリー・シャープ
脚本: ヘンリー・シャープ&キャリー・バテソン


感想

 評価は△。

 今回の話はスパイ大作戦というよりただの探偵ドラマの様な内容で、IMFのいつもの手の込んだ芝居が展開されることも無い、実につまらないエピソードだった。

 今回のエピソードの最大の不満点は、IMFが事実上何もしなかった、という事に尽きる。一応最初はケイシーが囚人に変装し、ウェンデルの女を上手く利用して、ウェンデルの隠れ家を突き止める。ところがそれ以降、ケイシーが何をするわけでもなく、また隠れ家の外で見張っているバーニーとウィリーもひたすら監視を続けるだけで、何もアクションを起こさない。またケイマンに変装したゲストのビルがウェンデルの隠れ家に連れてこられるが、やはりビルも何もしない。

 結局IMFは、ボンベから毒ガスが漏れ出す前に、ウェンデルがボンベの隠し場所に行ってくれるように、ひたすら神頼みをしているような状態だった。今回は都合よくタイムリミットの前にウェンデルが隠し場所まで行ってくれて、なんとかボンベを押さえることが出来たので結果オーライだったが、失敗して毒ガスが市街を汚染してもおかしくない状況だった。そもそも最後は計略がばれて、ウェンデルたちと銃の撃ち合いになってしまう、という時点で無様の一言である。

 いつものIMFなら、スマートにウェンデル相手に大きな芝居を仕掛けて、自ら毒ガスの隠し場所に案内させる様にしただろうに、今回は何もせずにひたすら待っているだけだったので、見ているほうは退屈で退屈で仕方なかった。今回のシナリオはスパイ大作戦らしさという物が全く欠けており、面白くもなんともなかった。

 またその他にも妙と感じる箇所が有り、例えば陸軍の毒ガス兵器を、巨大な組織ではなくただの殺し屋風情が盗み出せた、というスタート時の設定からしてまず変である。仮にも軍隊が、そんな危険な代物を、殺し屋とはいえ民間人に簡単に盗まれるようなへまをするだろうか。また刑務所に入っていたセレタが、ウェンデルの「最新の」隠れ場所を知っている。というのもおかしな話であろう。

 と、設定も話の運びも不満だらけで、今回は全く楽しむことが出来なかった。


 今回のサブタイトルの原題「Nerves」は「神経」という意味たが、今回のストーリとどういう関係が有るのか、全く見当がつかない。


参考:今回の指令の入手方法

 フェルプスが海辺に行き、釣り人に合言葉を言うと、相手は道具箱を残して立ち去る。フェルプスは道具箱から大きめの封筒とオープンリール式テープレコーダーを取り出すと、テープを再生して指令を聞きつつ、封筒の中の写真を確認する。指令は最後に「なお、このテープは自動的に消滅する」と言い、テープから煙が吹き上がる。

参考:指令内容

 おはよう、フェルプス君。大統領命令で廃棄処分が決定していた毒ガス「TX222(ティーエックス・トゥートゥートゥー)」が陸軍研究所から盗まれた。犯人は元シンジケートの殺し屋ウェンデル・ホイズで、服役中の兄ケイマンの釈放を要求し、万一要求がいれられない場合には、市街地で毒ガスを放出すると脅迫している。しかも、ケイマンを釈放しても、ウェンデルが毒ガスを引き渡すとは考えられない。

 そこで君の使命だが、この毒ガスを奪還し、ウェンデルを抹殺することにある。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る。
 
 

シーズン6(128~149話)の他のエピソードのあらすじ・感想は以下のリンクからどうぞ

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