感想:アニメ「メガロボクス」第13話(最終回)「“BORN TO DIE”」

少年マガジンエッジ 2018年3月号 [2018年2月17日発売] [雑誌]

アニメ「メガロボクス」公式サイト http://megalobox.com/
放送 BS-TBS 全13話。

【※以下ネタバレ】
 

第13話(最終回) 『ROUND FINAL “BORN TO DIE”』

 

あらすじ

 メガロニア決勝戦でついにジョーと勇利は相まみえた。激しい打ち合いは前代未聞の13ラウンド目にまでもつれ込むが、ついに二人の対決に決着がつく。

 一年後。南部はボクシングジムを開き、祝賀パーティーには車いすの勇利も招かれていた。ジョーはもうメガロボクスのリングには上がっていなかったが、子供たちにメガロボクスを教えたい的な希望を持っていた。

 最後、ジョーが13Rで勝利したという試合結果が表示されておしまい。


脚本
真辺克彦
絵コンテ
森山 洋
演出
森山 洋
作画監督
清水 洋
総作画監督
清水 洋


感想

 試合が始まったと思ったら、いきなり4R目まですっ飛ばされてしまったので、尺が足りないドタバタした最終回になるのかと思って不安になりましたが、結果から言えば余裕をもってちゃんと最後まで走り切って満足のいくラストになりました。

 1話から最終13話まで、視聴者を引き付けつつ、きちんとオチまでつける、計算しつくしたと思しき構成。アニメとはこうあってほしいという理想を体現してましたね。

 視聴前は全然期待していませんでしたが、意外な当りでした。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 「あしたのジョー」連載開始50周年アニメと銘打ちながらSFボクシング物だったので、これは一体どうなることかと思いましたが、意外にイケました。結論から言えば満足できる内容でしたね。
 
 
 人間はIDを持つ市民と持たざる者に分断された時代。ボクシングに機械を組み合わせたスポーツ「メガロボクス」が人気を博している。未認可市民の一人ジャンクドッグは、トレーナー南部贋作と組み、実力が有りながら、非合法の賭け試合で八百長をして稼いでいた。しかしジャンクドッグは、偶然から表の世界のメガロボクス王者・勇利と出会い、地下試合で一方的に叩きのめされる。再戦を熱望するジャンクドッグは、偽造した身分で新たに「ジョー」という名前を手に入れ、勇利の待つメガロボクスの祭典「メガロニア」への参加資格を得ようとするが……
 
 
 ボクサーが「ギア」という機械を背負ってボクシングをするという世界観という事でちょっとあほくさいと思ったのですが、主人公の最下層からの成り上がり物語というのが最近のアニメに珍しい男くさい雰囲気で魅せてくれて、ぐいぐい引き込まれました。

 ジョーが途中からは無粋な機械を背負わずに生身だけで戦うというのも、解っているという感じだったし、終盤勇利がギアを取り外した反動で苦痛にのたうち回る、という展開も、本家「あしたのジョー」の力石の過酷減量シーンのオマージュになっていて、ちょっとニヤリとさせられましたし。

 細やん(細谷佳正)の声は当たり役だったし、他の声優もアニメ声優としては見ない名前ばっかりでしたが演技はばっちりで、ドラマを見事に支えていましたし。

 ということで、SFあしたのジョーという、怪しさしか感じない企画でしたが、結果は結構な仕上がりでした。これは見て得したな。
 
 

メガロボクス


とどまるか、抗うか―
あしたを、選べ。


肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技―「メガロボクス」にすべてを賭ける男たちの熱い闘いがはじまる!


今日も未認可地区の賭け試合のリングに立つメガロボクサー“ジャンクドッグ”。実力はありながらも八百長試合で稼ぐしか生きる術のない自分の“現在(いま)”に苛立っていた。
だが、孤高のチャンピオン・勇利と出会い、メガロボクサーとして、男として、自分の“現在(いま)”に挑んでいく―。


本作は気鋭のクリエイター・森山洋の初監督作品。『進撃の巨人』のビジュアルコンセプトや、『甲鉄城のカバネリ』のコンセプトアートなどで、圧倒的なビジュアル表現を構築してきた森山が、構想4年をかけて『メガロボクス』を創り上げる。脚本は邦画・ドラマ作品を中心に活躍する、真辺克彦と小嶋健作。“闘わずにはいられない男たち”を、緊迫感のあるアクションシーンを織り交ぜながらハードに活写する。音楽は、国内外多数のアーティストとのコラボレーションやプロデュースの他、自身もドラマー、シンガーとしても活動するアーティスト・mabanuaが手がけ、重厚な作品世界を彩る。


主人公・ジャンクドッグに細谷佳正、宿命の男・勇利に安元洋貴。双璧をなすふたりを筆頭に、斎藤志郎、森なな子、村瀬迪与木下浩之らが熱いドラマを織りなすキャラクター達に命を吹き込む。


不朽の青春漫画『あしたのジョー』連載開始50周年に放たれる、オリジナルTVアニメーションメガロボクス』。受け継ぐのは、その魂―。



制作会社
トムス・エンタテインメント

スタッフ情報
【原案】「あしたのジョー」(原作:高森朝雄ちばてつや講談社刊)
【監督】森山洋
【コンセプトデザイン】森山洋
【シリーズ構成・脚本】真辺克彦、小嶋健作
【音楽】mabanua

音楽
【OP】LEO今井「Bite」
【ED】NakamuraEmi「かかってこいよ」


キャスト
ジャンクドッグ:細谷佳正
南部贋作:斎藤志郎
白都ゆき子:森なな子
サチオ:村瀬迪与
藤巻:木下浩之

 
あしたのジョー(21st century ver.)