【ゲーム】感想「逆転検事2」(2011年:カプコン)

逆転検事2(通常版)

CAPCOM逆転検事2 公式サイト
http://www.capcom.co.jp/gyakutenkenji/2/

【以下ネタバレ】
 

概要

 2011年にカプコンから発売されたニンテンドーDSアドベンチャーゲームで、「逆転裁判」シリーズの人気キャラクター御剣怜侍を主役とするスピンオフシリーズの二作目。御剣が探偵役となり様々な事件を解決していく推理AVG


あらすじ

 西鳳民国の大統領・王帝君が、来日早々何者かに狙撃されるという暗殺未遂事件が発生した。現場に呼び出された御剣は、旧知の糸鋸刑事や「真実を盗む大泥棒」を自称する少女・一条三雲と共に捜査を開始する。しかしそれは、そのあと御剣が巻き込まれていく巨大な事件の始まりに過ぎなかった……、


ゲームジャンル/システムなど

 ゲームジャンルはアドベンチャーゲーム。ただしかなり変則的な作りになっている。

 ゲームの大半は、単にボタンを連打するだけでキャラクターたちの掛け合いによりストーリーが進行していく、という一種のデジタルノベルとなっている。ただしストーリーが進行すると、必要に応じて「捜査パート」「対決パート」という二種類のゲームモードのいずれかに切り替わる。

 「操作パート」では、フィールド上をキャラクターを移動させ、物を調べたり、立っているキャラクターに話しかけたりして、証拠を集めていく。必要な証拠が集まれば自動的にこのパートは解除される。

 「対決パート」では、尋問により証人から証言を引き出したり、容疑者と対決して罪を認めさせたりする、という会話によるバトルが行われる。バトルの種類は二つ有り、まず一つ目の「ロジックチェス」は、相手の発言内容に応じて2~3択の答えの中から正しい物を選択し、会話をつなげていくというもの。正しい答えを選択し続け、相手の防御を打ち砕くと、最終的に相手は屈服して隠していたことを語りだす。逆に誤った答えを選ぶと自分の体力が減ってしまい、全体力を失うとゲームオーバーとなってしまう。

 もう一つの対決は、姉妹作「逆転裁判」の裁判パートで使用されたシステムと同じで、手に入れた証拠品を元に、相手の証言内容と証拠との矛盾点を見つけ出し、相手の偽の証言を打ち破る、というものである。

 ベースとなった「逆転裁判」のシステムの上に、独自の要素を上手く付け加えており、また洗練されて使いやすい操作性と相まって、システム面の完成度は抜群である。


ストーリー

 全5話構成。

第1話:逆転の標的
 来日した西鳳民国の大統領「王帝君」の暗殺未遂が発生。御剣は事件が、大統領のボディーガード内藤馬乃介が、暗殺者のせいにみせかけて上司を殺害するために引き起こした狂言だと見抜く。


第2話:獄中の逆転
 拘置所に入れられていた内藤馬乃介が、隣接する刑務所内で殺されていた。そして馬乃介の友人・猿代草太が容疑者となってしまう。御剣は刑務所署長・美和マリーこそが犯人だと突き止める。


第3話:受け継がれし逆転
 18年前、御剣の父・御剣信は、殺人の容疑者になったパティシエ天海一誠を救おうとするが、担当検事の狩魔豪は一誠に偽の自白を強い、一誠は有罪となってしまった。そして現在、18年前の事件の関係者が毒ガスで死にかける事件が発生する。御剣は今回の事件と18年前の事件の両方を調べ直し、18年前の事件がパティシエ風見豊の犯行だと暴く。


第4話:忘却の逆転
 三雲が大怪我をした上に記憶喪失となって発見された。さらに三雲に殺人犯としての疑いがかかる。御剣は真実を追うためにあえて検事バッジを返却する。そして検事審査会会長・一柳万才こそが犯人だと突き止める。


第5話:大いなる逆転
 映画の撮影現場で王帝君の圧死死体が発見された。事件を追う御剣は、実は本物の王帝君は12年前に影武者に暗殺され、以後影武者が本物のふりをしていたこと、さらにその殺人に一柳万才と美和マリーが関わっていたことを知る。御剣はこの事件のみならず、今までの全ての事件に猿代草太が黒幕として関与していたことを見抜き草太の有罪を立証した。

感想

 評価は△(イマイチ)。プレイ時間は33時間10分。

 とにかく長い、長すぎる。

 ゲームの雰囲気は「逆転裁判」シリーズの空気を上手くつかんでおり「逆転裁判」と比較して違和感といったものは全くない。キャラクターたちの掛け合いも良く出来ており、特に御剣と三雲のコンビの会話は、元気娘の三雲が御剣の台詞にツッコミを入れたり、逆に突っ込まれたり、と、掛け合いが実に楽しかった。

 また新登場のキャラクターたちも上手く使われており、御剣信の弟子の信楽や、裁判官の水鏡秤などは、物語で重要な役目を果たしていた。さらに「逆転裁判シリーズ」や「逆転検事1」のキャラクターたちの再登場も楽しく、糸鋸刑事を始め、狩魔冥、狼士龍、荷星三郎、大沢木ナツミ、といったキャラクターとの再会は実に懐かしかった。

 さらに、前述したとおり、ゲームシステムも出来は良好で、逆転裁判シリーズのシステムをベースに上手くアレンジしたものとなっており、使い勝手の良いインターフェースとも合わせて、評価出来るものだった。


 このように良いと評価するところは多いのだが、それらを全て帳消しにして余り有るのがシナリオだった。とにかく無駄に長すぎて、はっきり言って途中で嫌気がさすほどだった。

 その原因はあらゆるレベルに潜んでいるが、まず下のレベルから見ていくと「無駄な会話が多い」が挙げられる。先にも述べたとおり、キャラクター間の掛け合いは、キャラの個性が出ていて面白い会話内容になっているのだが、それがあまりにも多すぎて、事件に関係ない会話をしているだけで30分ほどは簡単に使ってしまう。そのためストーリーが遅々として進まず、事件そのもののボリュームは大したことは無いのに、やたら時間を浪費させられて閉口してしまった。

 また会話の度にキャラクターが一々身振り手振りのアニメーションを行うが、それを毎回やりすぎて無駄な時間がかかっている。風見豊の菓子作りパフォーマンスや、一柳万才の書類を燃やすアニメやゴーグルの涙を取り除くアニメなどは、見ていてあまりにも頻度が多すぎてイラつきを増幅させてくれた。

 中間レベルの問題では、とにかく逆転が多すぎる。「■■と思われていた物が、実は▲▲だった」と意外な事実が明らかになる逆転劇は、ここぞというところで使うと実に痛快だが、この作品では乱用しすぎである。そのため「凶器は●と思われていたが実は違っていた」「犯行現場は◆と思われていたが~」「写真は犯人を写した物だと思われていたが~」と、あらゆる証拠を逆転していくので、事件の解決にとにかく時間がかかってしまっていた。それに、あらゆる証拠をひっくり返しまくるため、最後にはこの事件はそもそもどんなものだったのか、という根本的にところまであやふやになってしまい、何を解決したのかよく解らない、という弊害まで発生していた。

 最上位レベルでは、全5話構成という作りに問題がある。最終第五話で「今までに発生した5つの事件は実は一つに繋がっていた」という事が示され、スタッフのやりたかったことは理解できたが、使った時間と内容が見合っていない。各話が密接につながっている訳ではなく、X話で登場したキャラクターが軽くこの話にもつながっていた、程度の関わりにすぎないため、全33時間も必要だったとはとても思えなかった。もっとスマートに密度を高めたシナリオにできたのでは無いだろうか。

 ついでに言えば、シナリオ内容も変なものが多すぎる。もちろん逆転裁判シリーズはリアル志向ではないので、ある程度妙な設定も見られるが、本作では「刑務所に看守たちが知らない抜け穴が昔から存在していた」「凶器は動物の口の中に隠されていた」「パティシエが用意した究極のレシピの内容が薬の作り方」「18年間も死体を冷凍保存」「養護施設の院長が刑務所の所長に転職」「大都市の上空を許可も無くバルーンを飛ばした」など、もはや支離滅裂なレベルの展開が散見され、読んでいて白けることおびただしかった。

 正直シナリオは未編集レベルにしか思えず、ここから無駄な要素を削り取っていって磨きをかけ、無駄の無い洗練された内容にすべきだったと感じる。シナリオ量が少なくて物足りないのも嫌だが、だからと言って量を増やせばそれが正解というわけでもない。システムなどに見るべきものは多かっただけに、シナリオ内容の未熟さがより際立った。これでは△評価も致し方ないと言えよう。

 ついでに言えば、同時期に発売されていたコミック版の方が100倍は面白いと思う。
 
 
逆転検事2 オリジナルサウンドトラック
逆転検事(1) (ヤンマガKCスペシャル)
逆転検事(2) (ヤンマガKCスペシャル)
逆転検事(3) (ヤンマガKCスペシャル)
逆転検事(4) (ヤンマガKCスペシャル)