【ドラマ】感想:ミステリードラマ「満願」第1話「万灯」

満願 (新潮文庫)

満願 | NHK ミステリースペシャル https://www.nhk.or.jp/dsp/mangan/index.html
放送 NHK総合。全3話。

【※以下ネタバレ】
 

米澤穂信のベストセラーミステリー短編集『満願』の中から、
「万灯」「夜警」「満願」を3夜連続でドラマ化。


2014年のミステリー界で、史上初めて「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリー・ベスト10」「ミステリーが読みたい」のそれぞれで1位になり、3冠に輝いた『満願』。この中から短編3作品をドラマ化します。緻密な謎解きはもちろんの事、岐路に立たされた人間の葛藤、業などを精細に描きだすミステリードラマです。

 

第1話 『第1夜 万灯』 (2018年8月14日(火)放送)

 

あらすじ

第1夜「万灯」
総合:8月14日(火) 夜10時から10時59分


業の闇に飲み込まれていくやり手商社マン
東南アジアでガス油田開発に携わる商社マン・伊丹は窮地に追い込まれていた。土地の買収が地元民の反対で頓挫していたのだ。そんな伊丹のもとに地元民から手紙が来る。地元民の中でも意見が分かれていて、長老達は金が欲しかったのだ。長老達は伊丹とそのライバル会社の森下の二人に反対派のリーダーを殺すことを要求する。

おもな登場人物
伊丹修平 西島秀俊
森下聖司 近藤公園

 
 商社マンで資源開発のプロ・伊丹(西島秀俊)は、東南アジア某国の天然ガス開発のため現地に赴任した。そして開発拠点を置く場所としてボンサット村に目を付けるが、村の長老の一人アラムは外国人を目の敵にしており、交渉の余地すらなかった。

 やがて村から伊丹に一人で来るようにとの手紙が届き、伊丹はすぐさま現地に向かうが、そこでライバル商社の社員・森下(近藤公園)と鉢合わせする。そのあと二人はアラムと面会するが、相変わらずアラムは外国人に対し嫌悪感を露わにする。アラムはイギリスに留学経験のあるエリートで、ガスは自国の未来のために必要であり、外国人には渡さないと取り付く島も無かった。

 そのあと伊丹たちは別の長老に呼ばれ、手紙を出したのは彼らだと知らされる。他の長老たちは外国人を排斥するアラムを危険視しており、伊丹と森下にアラムを殺せば土地を貸してやっても良いと持ち掛けてきた。伊丹と森下は契約を勝ち取るため、車でアラムを轢き殺す。

 数日後。伊丹は森下が会社を辞めて日本に帰国したことを知る。伊丹は森下の口を封じるため、日本に戻ると、森下が宿泊しているホテルに向かい、森下を殺して山の中に埋める。

 しかしやがてそのホテルからコレラの患者が発生し、伊丹自身もコレラの症状に襲われる。死んだ森下はコレラに感染しており、伊丹も殺害の際に病気をうつされてしまったのだった。もし病院に行けば、感染ルートを辿って森下殺しが発覚するかもしれない。伊丹はホテルの部屋で病気に苦しみながら、窓の外のビルの灯りを見つめていた。

感想

 米澤穂信の短編作品のドラマ化。

 米澤穂信といえば、アニメオタクにとってはまず真っ先にアニメ「氷菓」(2012年)の作者であり、

ラノベ作家
京都アニメーション
・えるたそ~

 etcetcという本人には迷惑なイメージしかないのだが、もちろん本業(?)はまっとうな推理作家である。

 今回の「万灯」は謎解き物ではなく、犯罪に手を染めた男が上手く立ち回ろうとしたものの、結局皮肉な運命で万事休すとなる、という、懐かしの「ヒッチコック劇場」のノリであり、結構面白かった。一時間という枠も長すぎず短か過ぎずでちょうどいいボリュームだった。という事で2,3夜目も期待が持てそうである。
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
  
未完成ストライド