感想:アニメ「天狼(シリウス) Sirius the Jaeger」第12話(最終回)「天狼の匣」

岸田教団&THE 明星ロケッツ/「シリウス」(アニメ盤/2枚組)

Original animation 天狼 Sirius the Jaeger TV series http://sirius-the-jaeger.com/
放送 BS11

【※以下ネタバレ】
 

第12話(最終回) 『天狼の匣 The Ark of Sirius』 (2018年9月27日(木)放送)

 

あらすじ

 ミハイルはエフグラフに「天狼の匣(シリウスのはこ)」を返せと要求するが、エフグラフは既に匣を飲み込み、匣の持つ強大な力を手に入れていた。そして自らは真祖になったとうそぶき、ミハイルを簡単に退ける。

 圧倒的な力を手に入れたエフグラフは、もはやバンパイアたちの病気を治すことなどどうでも良くなっており、それどころか今のバンパイアは一度滅び、自分を長とする新しいバンパイアとなるべきだと言い放つ。そして試しに部下のバンパイアに噛みつくものの、噛まれた方は力に耐え切れず即座に死んでしまった。エフグラフは今度は側近のタマーラ相手に力を試そうとするが、そこに飛行船に飛び乗ったユーリィが現れる。

 ユーリィの眼前で、突如エフグラフは匣の力を制御できなくなり怪物化してしまった。ユーリィは駆け付けたウィラードに、匣の封印を解いたのは、シリウスの誇り、即ち人間やバンパイアといった他の種族と共に生きるためだ、と語る。ウィラードはユーリィに、シリウス一族の遺跡で見つけた匣の封印的な物を手渡す。

 ユーリィはミハイルと共にエフグラフに戦いを挑み、匣を取り戻してエフグラフを倒した。しかしその直後ミハイルは死に、飛行船も墜落した。4日後。ウィラードは病室で目覚めるが、ユーリィはタマーラと共に姿を消していた。

 その後、匣を持つユーリィは世界中の国から狙われる存在となり、V海運の狩人たちも、バンパイア狩りよりユーリィを捕えることが優先されることとなっていた。そんな時、ウィラードたちの元に、ユーリィらしき男がバンパイアの少女と共にハバロフスクで目撃されたとの知らせが入り、ウィラードたちは現地に向かうことを決める。しかしウィラードの真意は、ユーリィを捕えることではなく、一刻も早く合流することだった。

 一方ユーリィはタマーラと共にバンパイアたちの長老の元に向かっていた。タマーラはユーリィに仲間のことを託して消滅した。ユーリィの右目には「天狼の匣」が入っており、ユーリィは匣の力を正しく使ってみせる的な事を言っておしまい。

感想

 おお、結構面白かった。兄弟タッグで一丸となってエフグラフをブッ倒す、というのは予想通りでしたが、最後はユーリィが匣の力で怨敵のバンパイアを助ける決意をする、という展開に意表をつかれました。エフグラフとのラストバトルは十分な時間を取りつつAパートでキチンと終わらせ、Bパートは後日談をきっちり描くという構成もナイス。

 ということで、1クールできちんと起承転結してきちんと納得できるラストに着地した、上手い構成のアニメでしたよ。PAワークスもやる時にはやるもんだ。


総括

 評価は○(まずまず面白かった)。

 主人公が若くてカッコイイハンサムなので「乙女向けアニメ」だと思っていたのですが、予想外に良く出来た作品で結構楽しめました。いやホントに予想外。

 昭和初期の日本。「V海運」なる組織に所属するバンパイアハンター、通称「狩人」のチームは、バンパイアを追って日本・東京へとやってくる。バンパイアたちの目的は、神秘的な力を秘めた「天狼の匣(シリウスのはこ)」なる遺物らしいのだが……

 最初の数話は「どうせ乙女向けアニメ」と侮ってかなり斜めに構えて見ていたのですが、マッドサイエンティストが出てきて死体をベースにした人造人間兵器を作ったあたりから、「これって過去が舞台のオカルトアクションものとして結構面白いのでは?」という気持ちになりまして。「女性向けだが男が見ても面白い」ではなく、男女の区別なく楽しめるように作られたアニメでしたね。

 毎回バトルシーンは迫力が有ったし、話の進め方も上手くて「次はどうなる?」と引き込まれるような作りでしたし、列車上での大活劇とか見せ場に工夫も凝らされていたし、話はみっちり詰まっていて1クールとは思えない充実した内容でしたし、と褒めどころ多し。

 正直言って、視聴前は全く何も期待していなかったのですが、最終的には結構なアタリ作品となりました。
 
 

天狼 Sirius the Jaeger


昭和初期、帝都 東京府。楽器ケースを抱えた
奇妙な一団が、東京駅に降り立った。
彼らは、吸血鬼たちを狩るために
やってきた「狩人」――。


そのなかに一際静かで
ただならぬ雰囲気を漂わせる青年がいた。
人狼と人間との混血で、
吸血鬼に故郷を滅ぼされたその男、
名をユーリィという。


「天狼の匣」と呼ばれる聖櫃を巡り、
吸血鬼と死闘を繰り広げるユーリィたち。
彼らが戦いの果てに知り得た真実とは……?
悠遠たる恩讐と策謀の螺旋が交錯する、
至極のサスペンス・アクション、ここに開幕!


制作会社
P.A.WORKS


スタッフ情報
【原作】Project SIRIUS
【監督】安藤真裕
【キャラクター原案】西村キヌ
【シリーズ構成】小柳啓伍
【アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督松浦麻衣、佐古宗一郎
【コンセプトデザイン】竹内志保
【アクション監督】佐藤雅弘
美術監督】東潤一、佐藤歩
【撮影監督】出水田和人
【編集】高橋歩
色彩設計】菅原美佳
【3D監督】桐谷太力
【音楽】横山克
【音響監督】明田川仁
【プロデュース】infinite


音楽
【OP】岸田教団&THE明星ロケッツシリウス
【ED】sajou no hana「星絵」


キャスト
ユーリィ:上村祐翔
ミハイル:櫻井孝宏
ウィラード:堀内賢雄
ドロテア:森なな子
フィリップ:小林裕介
ファロン:武内駿輔
伊庭秀臣:間島淳司
直江涼子:高橋李依
昭元:田所陽向
エフグラフ:津田健次郎
カーシュナー:子安武人
アガサ:大原さやか
クラルヴァイン:飛田展男

 
岸田教団&THE 明星ロケッツ/「シリウス」(通常盤/1枚組)