感想:アニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」第23話(最終回)「無限遠点のアークライト」

TVアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』オリジナルサウンドトラック

TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」公式サイト http://steinsgate0-anime.com/
放送 BS11。全23話。

【※以下ネタバレ】
 

第23話(最終回) 無限遠点のアークライト

 

あらすじ

 アマデウス紅莉栖を消滅させたことで、世界線は変動した。しかし、にも関わらず倫太郎たちと真帆は知り合いになっていた。

 7月7日午後。倫太郎はまゆりと鈴羽がタイムマシンで無事過去に旅立つのを見届けるためラジ館に向かい、現れたレスキネンは萌郁が取り押さえた。しかし屋上では、レスキネンの元から逃げ出したかがりがレイエスたちを射殺したあと、鈴羽たちの過去行きを妨害しようとする。かがりは過去を改変されると未来で自分がまゆりと出会えなくなると恐れていた。

 しかしまゆりの説得によってかがりは考えを変え、現れたレスキネン一味を萌郁と共に食い止める。そして鈴羽とまゆりの乗ったタイムマシンは、破壊されることなく無事過去へと旅立った。

 2010年8月に到着したまゆりは、過去の自分に向けて電話し、倫太郎がシュタインズ・ゲートを目指すことを諦めさせないように、と言づける。そのあとタイムマシンはタイムパラドックスを起こさせないため、別の時間に旅立つが、燃料が尽きて操縦不能となり、時間の彼方に押し流されていった。

 直後、ラジ館屋上に、紅莉栖を助けることに失敗した倫太郎たちのタイムマシンが戻ってきた。2010年のまゆりは紅莉栖救出を諦めた倫太郎を張り倒し、決してくじけないようにと言う。そこに未来2025年の倫太郎から動画付きのDメールが届き、過去の自分に対し紅莉栖救出のための手段を教える。

 2025年。過去の自分にDメールを送り終えた倫太郎は、完成したばかりのタイムマシンに乗りこみ、行方不明になったまゆりと鈴羽の救出に向かった。まゆりたちのタイムマシンは紀元前18,000年に漂着していた。そこに倫太郎のタイムマシンが現れ、マシンから降りてきた倫太郎が二人に「待たせたな」と言って〆。(完結)


感想

 まあ悪くはなかったけど、一度シュタゲ本編でやって成功したことを、今回一生懸命やり直しているだけの話だったので、どうにも二度手間感が……、

 あとは鈴羽たちのタイムマシンが「燃料が無いからもう動けない」ではなく「燃料が無いから漂流する」という展開にちょっと呆れた……、うーん。最後、倫太郎が超探知機であっさりまゆり&鈴羽を見つけるのも拍子抜けだったなぁ。「俺は二人を永遠に探し続ける」的なエンドの方が悲壮感が有って良かった、というか、簡単に見つかるなんて都合よすぎたような。

 とかなんとか言ってしまいましたが、まあそこそこは良かったオチだと思います。前作にはかなわなかったけど。

総括

 評価は○(まあ悪くはなかった)。

 まあ、大して面白くはなかったけど、ダメでは無くて一応最後まで見る気になったから、そこそこは良かった、という事になるのでしょう……


 2010年11月。岡部倫太郎が最終的に牧瀬紅莉栖を助けることを諦めた世界線。倫太郎は、もはや白衣キャラ「鳳凰院凶真」を演じることを止め、ラボから距離を置き、普通の大学生として生きていた。しかし紅莉栖を助けられなかった罪の意識から逃れられず、メンタルクリニックに通うような生活を送っていた。倫太郎は鈴羽から、この世界線では将来第三次世界大戦が発生し57億人が死ぬ事実を突きつけられ、時間改変をするように説得されるが、倫太郎は紅莉栖の事を引きずり、もう時間改変に関わるつもりは無かった……


 「シュタインズ・ゲート」の物語が『バッドエンドになったあと』のストーリー。まあシュタゲは時間改変物ですから、そういう結末の世界も有りだろうと言われればそうですけど……、既に本編で全て上手くいってハッピーエンドになっているのを見たあとに、何故にわざわざバッドエンドの方の話を2クールも見なきゃならないのか、という心理的抵抗感が物凄くて……、途中で何度も挫折しそうになりました。

 大体倫太郎はあの愉快な「鳳凰院凶真」キャラを捨てて鬱青年になり果てているし、ラボは活動していないし、当然紅莉栖は出てこないし、まゆりも殆ど出番が無いし、新キャラ真帆も大して活躍しないし、アマデウス紅莉栖も紅莉栖がいない事への言い訳で出しているようなものだったし、で、見ていて全く心が踊らない展開。

 あまつさえ、物語の最初から2/3は倫太郎が「時間改変は絶対にやらない」と連呼するだけのお話で、倫太郎も誰も何もせず、ただ状況に流されていくだけ。うーん、何という話なんだ。

 終盤1/3になってようやくタイムリープマシンを使って過去改変を始めますが、これって本篇でやったことの焼き直しに過ぎなかったから、新鮮味無し。行き詰まりを切り抜けるためにアマデウス紅莉栖を消すことになりますが、そもそも相手は機械に過ぎないし、その上今まで大して出番が無くて消すのを躊躇するほど思い入れも生まれていなかったので、倫太郎たちが苦悩しているのが滑稽に見えて仕方なかったし。

 最後はまあ上手くシュタインズ・ゲート世界線へ向かうオチがつきましたが、消えちゃったまゆり・鈴羽を都合の良い探知装置であっさり見つけるオチもどうなんだろうなぁという気持ちになりましたし……


 うん、まあ、2クール付き合ったくらいだから全然駄目じゃなかったけど、先代シュタゲの面白さの足共にも及ばなかったなぁというところですね。
 
 

シュタインズ・ゲート ゼロ


2010年11月 β世界線―――
主人公・岡部倫太郎が数々の苦難、悲哀を乗り越えた果てに
「彼女」を救うことをあきらめてしまった世界線
失意の底にある岡部倫太郎。
彼を心配する仲間たち。
救われなかった「彼女」はどうなったのか?
新たなキャラクターを迎えて描かれる「ゼロ」の物語。


制作会社
WHITE FOX


スタッフ情報
原作 志倉千代丸/MAGES.
監督 川村賢一
シリーズ構成 花田十輝
シナリオ監修 林 直孝、松原達也、
西村卓也、安本 了
キャラクター原案 huke
未来ガジェット原案 SH@RP
キャラクターデザイン 稲吉智重
プロップデザイン 稲吉朝子、コレサワシゲユキ、灯夢
美術設定 灯夢、コレサワシゲユキ
美術監督 小髙 猛
色彩設計 佐藤美由紀
特効監修 谷口久美子
撮影監督 塩川智幸
3Dディレクター ヨシダミキ
モデリング 相馬 洋
編集 須藤 瞳
音響監督 山口貴之
音楽 阿保 剛、信澤宣明、日向 萌
音楽プロデューサー 金谷雄文
音楽制作 MAGES.
アニメーション制作 WHITE FOX
製作 未来ガジェット研究所


音楽
オープニング主題歌 「ファティマ」歌:いとうかなこ
エンディング主題歌 「LAST GAME」歌:Zwei


キャスト
岡部倫太郎 宮野真守
椎名まゆり 花澤香菜
橋田至 関智一
牧瀬紅莉栖 今井麻美
桐生萌郁 後藤沙緒里
漆原るか 小林ゆう
フェイリス・ニャンニャン 桃井はるこ
阿万音鈴羽 田村ゆかり
比屋定真帆 矢作紗友里
椎名かがり 潘めぐみ
阿万音由季 田村ゆかり
天王寺山本彩乃
中瀬克美 本多真梨子
来嶋かえで 木野日菜
アレクシス・レスキネン 上田燿司
ジュディ・レイエス にしむらまや

 
ファティマ0
LAST GAME
World-Line(DVD付盤)