感想:科学番組「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」第1回『超人類 ヒトか?機械か?』

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)

フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 http://www4.nhk.or.jp/P3442/
放送 NHK BSプレミアム

【※以下ネタバレ】
 

科学を志す若者は、理想の人間を造ろうとして恐るべき怪物を生み出してしまった-。
人類が創り出した最も有名な怪物の物語、「フランケンシュタイン」が世に出て、ちょうど200年。科学史の闇に迫る、あの知的エンターテインメントが3週連続の特集シリーズで帰ってくる!
今回のテーマは、「理想の人間」「超人類」を創造しようとした科学者たち。加速する一方の科学技術と社会、そして倫理について考える。
ナビゲーター:吉川晃司

 
※他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」内容・感想まとめ

  

第1回 『第一夜 超人類 ヒトか?機械か?』 (2018年10月13日(土)放送)

 

内容

10月13日土曜
NHKBSプレミアム 午後10時30分~ 午後11時30分
フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿「超人類 ヒトか?機械か?」


機械と人間の融合を目指しサイボーグ研究の扉を開いた天才工学者の悲劇!巨額の開発費はすべて軍の資金だった!最先端のサイボーグ開発現場そして衝撃の計画が明るみに!


小説「フランケンシュタイン」が出版されて200年。科学史の闇に迫る、あの知的エンターテインメントが3週連続の特集シリーズで帰ってくる!第一夜は、機械と人間の融合を目指してロボットに新たな命を吹き込んだサイボーグ研究の先駆者の物語!巨額の開発費は、すべて軍の資金だった!最先端のサイボーグ開発現場、そして衝撃の計画も登場!人間の能力を超えた超人類が生まれる時、はたしてそれはヒトなのか?機械なのか?


【ナビゲーター】吉川晃司,【出演】総合研究大学院大学教授…池内了,サイボーグ研究開発者…遠藤謙

 
 今回のテーマは人間と機械の融合「サイボーグ」について。


●サイボーグの生みの親ラルフ・モシャー

 工学者ラルフ・モシャー(Ralph Mosher)は工学者。ロボット研究のパイオニアである。

 モシャーは1945年に大学に入学し工学を学んだが、在学中に「機械と人間の融合」という意味の「サイバネティクス」という概念を知る。

 その後、1949年にゼネラルエレクトリック(GE)に入社しロボット研究に携わった。当時軍は原子力を動力として利用することを計画していたが、原子炉は有害な放射線を発するため、まず空軍が原子力飛行機を整備するためのロボットの開発を求めて資金提供してきた。

 1956年。モシャーは人間がコントロールする腕「イエスマン」を開発する。それは人間が遠隔でロボットの腕を操作するという物で、極めて繊細な動きが可能だった。そのキモは「フィードバック」、つまりロボットの側から人間に反応を送り返すという概念で、それによってロボット腕が物をつかんだ際、その感覚を人間に送り返し、人間が直に物をつかんだように操作できる。

 モシャーはロボット工学の最先端を行っており、「機械と人間の融合」サイバネティックス、と、「生命体」オーガニズム、を組み合わせた「サイボーグ」の生みの親と言える。



●さらなる軍からの依頼と失敗

 1960年代。アメリカはベトナム戦争に介入していく。1964年、陸軍はモシャーにどんな地形でも走破して物資を運べるロボットの開発を依頼してきた。さらに次の年1965年には、海軍が飛行機に爆弾を搭載するためのロボットを依頼してきた。

 モシャーは、陸軍向けには五メートルの二本足で動く乗り物、海軍向けには人間の力を拡大する乗り込むスーツのような機械、をそれぞれ構想した。

 そして、1968年には海軍向けの機械の腕の試作品「ハーディマン」を開発する。これは人が220キロの重さの物を持ち上げることが可能だった。また陸軍向けには四本足の乗り物「ウォーキングトラック」を開発。こちらは四本足の乗り物で、手で前足を、足で後ろ脚を、それぞれコントロールし歩き回ることが出来た。

 しかし、これらはどちらも実用化されなかった。ハーディマンは腕の部分だけで700Kgあり、小型化の目途が立たなかった。またウォーキングトラックは自分で動力を持っておらず、外部から油圧システムのパイプを引っ張ってくる必要があり、そんなものが戦地で使えるはずも無かった。

 1971年、モシャーは軍からの契約を全て打ち切られた。諦めきれないモシャーはGEを辞めて研究を続けた。しかし彼の研究には逆風が吹き始めた。コンピューター技術が急速に発展し、人間が機械をコントロールするより、機械にコンピューターを搭載して制御した方が良くなったのである。

 モシャーは2007年に88歳で死去した。



●サイボーグの復活

 一旦消え去ったかに見えたサイボーグだが、現代再び蘇ってきている。1kgほどの機械を背中に取り付けて背筋力を高め重い荷物を楽に運んだり、足に取り付けて同じ姿勢でも疲れないようにしたり、といった機械が開発され、工事現場で活用されている。

 また軍隊でも兵士の歩行をサポートする機械を開発し、長時間歩いても疲れない超兵士を生み出そうとしている。



●究極のサイボーグ

 現在、人間の脳のデータを全てコンピューター言語に置き換えて機械にアップロードし、機械の体を持つ人間、つまり究極のサイボーグを作るという研究が行われている。もしこの技術が実用化されれば、「新しい種類の人間」の誕生と言えるかもしれない。


感想

 今年(2018年)3月まで月一で放送されていた番組が、半年の休止期間を置いて3回スペシャルで華麗に復活! 「3~4ヵ月に一回ペースの特番扱いでも良いから続けてほしいなぁ」と思っていたので、もう嬉しくてうれしくてたまりませんよ ヽ(´▽`)ノ


 今回のテーマはロボット開発。しかし、今回は、別に倫理的にアレな研究というわけでもなく、科学的にスキャンダルを引き起こしたというわけでもなく、テイストとしてはややマイルドというか、「科学開発秘話」みたいな感じでやや物足りませんでしたのう。次回以降に期待という事で。
 
 ところでモシャーが海軍向けに作ろうとしていた、人が着こむロボットのアイデアが、「エイリアン2」に出てきたパワーローダーにかなり似ていました。1960年代に既にああいうアイデアはあったんですね。
 
 

※他の回の内容・感想は、以下のリンクからどうぞ

「フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」内容・感想まとめ

d.hatena.ne.jp
 
 
特撮リボルテック037 機動歩兵(スタジオぬえデザイン版) ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み アクションフィギュア