TVアニメ「五等分の花嫁」公式ホームページ|TBSテレビ http://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/
放送 BS-TBS。
【※以下ネタバレ】
貧乏生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生! しかも五つ子だった!! 個性豊かな中野家の五つ子は全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は彼女たちからの信頼を勝ち取ること・・・!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子たちが贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!
第1話 『#01 五等分の花嫁』
あらすじ
父親の借金で経済的に厳しい高校生・上杉風太郎は、学食で他校の制服を着た女子生徒とひと悶着を起こす。直後妹からの連絡で、大金持ちが高校生の娘の家庭教師を募集しており、相場の五倍の給料を払うらしいと聞いて大喜びする。しかし風太郎のクラスに先ほどの女子生徒が現れ、転入生の中野五月(いつき)と名乗ったため、風太郎は五月こそがその家庭教師先の娘だと悟って慌てる。
翌日。風太郎は五月のご機嫌を取ろうと周囲をうろつくものの、五月の友達が常時側にいるため話しかけられない。風太郎は五月の家があるマンションに強引に乗り込み、五月に話しかけるが、五月の側にいたのが彼女の友人ではなく、五月を含めた五つ子の姉妹で、生徒は五人もいると知り驚く。
姉妹五人のうち、四女の四葉はやる気満々だったが、他の四人は勉学への意欲の欠片も無く、挙句に風太郎に眠り薬を盛って自宅に強制送還してしまう。しかしついてきた五月は風太郎の家庭の経済事情を知り、家庭教師を続けるなら勝手にやれば良いと、とりあえず認めるような態度をとる。
風太郎は五人のうち卒業できなさそうな赤点の人間だけ相手にすればいいと頭を切り替える。しかし実のところ、五人は五人とも前の学校を落第しかけて今の学校に転校してきたのだった。
シナリオ:大知慶一郎 絵コンテ:桑原智 演出:いわもとやすお 総作画監督:中村路之将
感想
評価は(まあまあ)○。
原作は週刊少年マガジンで好評連載中のラブコメ。「可愛いヒロインを出せば人気が出る、ということは可愛いヒロインを五人出せば五倍人気が出る」という発想を実行して大成功している漫画です。今の週マガで一番面白い漫画と言えましょう(※あくまで個人の感想です)
声優も豪華で、五つ子を担当するのが、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり、の五人……、んん? 伊藤美来? 他の四人は良く知っているけど三女・三玖役の伊藤美来って誰やねん? と思ったら、帰宅部活動記録の朱雀か……、そして今年はかなり来ていてプッシュされている声優の模様です。ふうん。
作画はまずまず良好だし、声優も有名どころで固めた手堅い布陣、雰囲気もまず原作そのまま、と、かなり満足度の高い作品なのですが……、見ていてシナリオの細かい所が引っかかりました。いや、概ねは問題ないのですが、見ていて「何故そうなる?」という箇所がちょこちょこあって……、気になって原作漫画と比較してみると、細かいセリフを省略しているので解り辛くなっているようです。
【例1】
風太郎が五月を追いかけてマンション前まで来た時、原作では
二乃「なに君、ストーカー?」
風太郎が三玖を見て一言「お前」
三玖「五月には言ってない」
となっています。ところがアニメでは、風太郎と三玖のやり取りをカットしているので、何故二乃が風太郎をいきなりストーカー呼ばわりしているのか理由が解りづらく、「えっなんでいきなり喧嘩腰なの?」となってしまいました。
【例2】
同じシーン。風太郎は二乃にここが自分の家だとごまかしますが、三玖が「焼肉定食焼肉抜き」と言うと、原作では二乃は「やっぱお前、ここの住人じゃないだろ?」と酷い事を言います。そんな貧乏な食事しかできないやつが、この大金持ち専用のタワーマンションに住めるわけが無いというわけです。でもアニメでは二乃のこのセリフが無いので、三玖が無意味に学食のメニューを口にしただけのように見えてしまい、訳が分からなくなります。
【例3】
原作では風太郎が生徒が五つ子だと知った後、中野父に事情を確認して、「報酬は五人分払うから卒業させて欲しい」と依頼される下りが有ります。でもアニメはそこは丸ごとカットしています。だから何故相場の五倍のバイト代だったのか解らないし、アニメ終盤に唐突に風太郎が「卒業させればいいだけなんだ」云々と言いだすのも、何を言っているんだコイツ?状態になってしまいました。もう少し配慮をしてシナリオを書いてほしいもんですな。
あと、引っ掛かりは無かったけどカットされている要素として、
【削除1】
原作では三玖が風太郎がジャージを盗んだと疑ったとき、「前の学校のジャージは捨てた」云々と言って、転校前に何かあったことを匂わせますが、アニメでは丸ごとカット。まあなくても気が付かない部分ではありますが……
【削除2】
風太郎が一花の汚部屋に入った際、四葉が一花のアダルツな下着を見つける場面が有りますが、丸ごとカット。えーい何故だ。
とまあ色々ありますが……、ややシナリオに粗っぽさがあるものの、概ねは問題ない出来栄え。まずまず期待して良いんじゃないでしょうか。シナリオが今後もっとまともになるとしてですが。
おまけ
原作漫画の直近の展開では、五つ子は髪型をそろえるともう見分けがつかないほど似ている、という事になっているのに、この頃は「言われないと五つ子だと気が付かない」程度だったのですね(笑) 忘れてた(笑) まあこういう設定変更は長期連載アルアルですね(笑) また、アニメを見ていて「顔がそっくりでも声で聞き分ければいいじゃん」とか考えるようになってしまいました(笑)
五等分の花嫁
制作会社
手塚プロダクション
スタッフ情報
【原作】春場ねぎ(「週刊少年マガジン」講談社刊)
【監督】桑原智
【シリーズ構成】大知慶一郎
【キャラクターデザイン】中村路之将、雅楽雅
【プロップデザイン】荻野美希、川石テツヤ
【美術監督】斉藤雅己
【色彩設計】油谷ゆみ
【撮影監督】染谷和正(T2スタジオ)
【編集】内田渉(コンクエスト)
【音響監督】平光琢也
【音楽】田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
音楽
【OP】中野家の五つ子(花澤香菜・竹達彩奈・伊藤美来・佐倉綾音・水瀬いのり)「五等分の気持ち」
【ED】内田彩「Sign」
キャスト
上杉風太郎:松岡禎丞
中野一花:花澤香菜
中野二乃:竹達彩奈
中野三玖:伊藤美来
中野四葉:佐倉綾音
中野五月:水瀬いのり