【科学】量子力学がほんのちょっと解った気になる琉球大学の講義内容

よくわかる量子力学
講義されている前野昌弘先生の本
 

初等量子力学量子力学(2004年度講義録)
http://irobutsu.a.la9.jp/kougi/qm/qm.html

初等量子力学量子力学(2006年)講義録
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/qm2006/index.html

 
 量子力学の事をあれやこれやと調べていたら、琉球大学理学部の講義内容を発見。学生向けだけに簡単なところから始めて、最終的にはもう滅茶苦茶難しいところまで行ってしまうのですが、これがなかなか(理解できる範囲では)面白いです。


 特にプランク黒体輻射の話とエネルギー等分配の話のところは今まであやふやにしかわからなかったのですが、

初等量子力学2006年度講義録第3回
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/qm2006/qm3.html

 では、等分配の法則が高い振動数の領域で崩れてしまう理由は何だろうか?-プランクはこの理由を以下のように考えた。

 たとえて言えば、高い振動数成分の光は「5000円あげよう」と言われたのに「万札でよこせ」と言っているようなものである。これでは1円ももらえな い。 低い振動数の光は「100円玉でください」と言うので、50枚の100円玉をもらうことができる。よって、低い振動数では等分配の法則が成立する。結局、 「強欲すぎるとかえって分け前は小さい」ということである。

 
 万札(笑) しかし解りやすい。そうか、等分配が成立しないってそういう理屈だったのか(笑)



 あと、目を見開かれたのはここです。

初等量子力学2006年度講義録第7回
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/qm2006/qm7.html

ここで、量子力学を考える上で大切な一般的注意をしておく。何より忘れてはならないことは、現実の世界を司る法則は量子力学であって、「古典力学は量子力 学の近似にすぎない」ということである。我々は物理を勉強する時まず古典力学から勉強し、その後で「実はミクロの世界では古典力学が成立せず…」というこ とで量子力学を勉強する。しかし、物理を勉強する順番、あるいは物理の発展してきた歴史とは逆に、量子力学こそが本質であり、古典力学が成立するというの は錯覚にすぎない。「たまたま量子力学的現象が顕著でないような場合に限って古典力学を使ってもかまわない」3というのが正しい理解である。

ここまで、そしてこれからも、「どうして量子力学なんて妙ちくりんなものが成立するのか?」という疑問を感じることが多いと思うが、逆に「どうして我々 (の祖先)は古典力学なんてものが成立すると思ってしまったのか?」と考えてみて欲しい。上でも述べたように、量子力学は、考えているスケールが波動とし てみた時の波長よりも充分大きいような時には、古典力学と同じ結果を出す(波長の短い波に対しては幾何光学と波動光学が同じ結果を出すことと同様であ る)。普段は量子力学古典力学は同じ結果を出す場合ばかりなので、量子力学の存在に、我々はなかなか気づかない。

同じようなことが相対論にも言えて、我々の"常識"は物体が光速の何万分の1でしか動かないような世界で作られている。それゆえに√{1-(v/c)2} (相対論におけるローレンツ短縮の因子)などという量は1としか実感できない。

 我々は量子力学を実感するには大きすぎ、相対論を実感するには小さすぎる。別の言い方をすれば、我々にとってプランク定数hは小さすぎるし、光速度cは速 すぎる。だから我々の"常識"は古典力学ニュートン力学を「正しい」と感じてしまう。しかし、だまされてはいけないのである。

 ド・ブロイもボーアもアインシュタインも、狭い知見で作られた"常識"から離れて大きな視点を持つことができたからこそ、この世界の真実を知ることがで きた。21世紀に生きる我々も、思考を柔軟にして量子力学を学んでいこう。

 
 そうか、相対性理論とか量子力学とかは「特殊な場合だけの話」では無かったのね。発想が180度変わったわぁ。
 
 
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