【ミステリー】感想:歴史ミステリー番組「ダークサイドミステリー」『ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る』

ケネディ暗殺 50年目の真実 KILLING KENNEDY

ダークサイドミステリー NHK https://www4.nhk.or.jp/darkside/
放送 NHK BSプレミアム。毎週木曜夜9時放送。

【※以下ネタバレ】
 

背筋がゾワゾワ、心がドキドキ、怖いからこそ見たくなる。世界はそんなミステリーに満ちている。未解決の事件、自然の脅威、不思議な伝説、怪しい歴史…。こうした事件の数々を徹底再検証!


人智を超えた謎に迫る「幻解!超常ファイル」を拡大スピンオフ!今度は人間や自然が生み出した謎と恐怖に満ちた事件・伝説の正体に、栗山千明志方あきこ中田譲治のダークなトライアングルで引き続き迫ります。

 

他の回の内容・感想

perry-r.hatenablog.com
 
 

ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る (2019年7月11日(木)放送)

 

内容

https://www4.nhk.or.jp/darkside/x/2019-07-11/10/8717/2292007/
7月11日木曜
NHKBSプレミアム 午後9時00分~ 午後10時00分
ダークサイドミステリー「ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」


私たちはなぜ、陰謀論のワナにとらわれる?究極ミステリー・ケネディ大統領暗殺、陰謀論を徹底検証!幻の狙撃手?黒幕は誰だ?政府が隠す資料とは?これは他人事ではない。


ケネディ大統領暗殺事件!発生から50年以上、今なお疑惑が飛び交う究極ミステリーが登場!現役大統領が公衆の面前で狙撃され、その瞬間を捉えた映像があるにもかかわらず、陰謀論が絶えないのはなぜか?24歳の無名の若者がなぜ大統領を?なぜ彼まで殺された?黒幕はいるのか?幻の狙撃手がいたのか?映像に写された不可解な人物たち。政府が隠し続ける重要資料とは何か?そして私たちはなぜ、陰謀論にとらわれてしまうのか?


【ナビゲーター】栗山千明,【出演】前嶋和弘,森本あんり,【語り】中田譲治,【アナウンサー】片山千恵子

 
 今回のテーマは「ケネディ暗殺と陰謀論


陰謀論とは

 陰謀論(Conspiracy theory)とは、ある事件や出来事について、事実や一般に認められている説とは別の、策謀や謀略によるものである、とする考え。今では普通に使われる言葉だが、この言葉が一般的になったのは、あのケネディ大統領暗殺事件以降とされる。



ケネディ大統領、暗殺さる

 ジョン・F・ケネディは史上最年少の43歳で大統領となり、キューバ危機を乗り越え、当時非常に人気が有った。また公民権運動にも理解が有ったため、黒人からの人気も高かった。

 1963年11月22日(金)、ケネディは次の大統領選挙に向けての遊説のため、テキサス州ダラスを訪問した。そしてオープンカーに、妻ジャクリーン・州知事夫妻と共に乗り込みパレードしているところを白昼に狙撃されて死亡した。

 警察はすぐに狙撃犯として24歳のリー・ハーベイ・オズワルドを逮捕した。しかし事件から二日後、オズワルドは警察から刑務所に移送される直前、テレビ生中継されている最中に、ジャック・ルビーという男に射殺された。ルビーは裏社会とつながりのある人物だった。



陰謀論巻き起こる。

 国民は若き大統領があっけなく暗殺されたことに衝撃を受け、24歳の無名の男が殺したという説明に納得しなかった。またオズワルドは殺される直前冤罪を訴えていたうえ、そのオズワルドが別の男に殺されたのだから、これは「口封じ」だと考えた。かくして、ここにケネディ暗殺はオズワルドの単独犯行ではない、という「陰謀論(Conspiracy theory)」が巻き起こったのである。

 それを受けて、上院議員などによる調査委員会「ウォーレン委員会」が設立され、独自に証拠を調べたり、証人喚問を実施したりしたが、その結論は「オズワルドの単独犯行」となっており、国民を失望させた。



●ザプルーダー・フィルム

 1975年、ケネディ暗殺の瞬間を記録した8ミリフィルムがテレビで放送された。このフィルムは撮影者ザプルーダーの名前を取り、ザプルーダーフィルムと呼ばれる。

 映画監督オリバー・ストーンの作品「JFK」では、主人公の地方検事がこのフィルムを徹底的に分析し、オズワルドの単独犯行ではない、という結論に達している。

 ウォーレン委員会の報告書の中では、ケネディは後ろから二発撃たれて死んだ事になっているが、ザプルーダー・フィルムでは頭が後方にのけぞる様子が写っている。これはオズワルド以外に別の狙撃者がいたことを暗示しているのでは? また弾丸はケネディを貫通し、同乗していたコナリー州知事を貫いたが、二人の傷は一発の弾丸で出来た物とは考えられない。これもやはり別の狙撃者がいたことを示している?!

 また、フィルムには、当日晴れていたのに傘をさしている「アンブレラマン」や、撮影をしていた女性「バブーシュカ・レディ」など怪しい人物が写っているし、中には「狙撃手が写っている」と主張する人もおり、陰謀論を加速させた。



●犯人は誰だ?

 陰謀論によれば真犯人はオズワルドではない。黒幕は以下の候補が存在する。

・国外勢力=ソ連キューバ
・国内勢力=マフィア(かつてケネディ家はマフィアと深い仲にあったがケネディ大統領の代で縁切りした)、CIA(対キューバ政策で対立していた)



●陰謀は無かった?

 しかし「陰謀論」否定派のジャーナリストによれば、謎など何もないという。コナリー州知事の傷は、やや横向きに座っていたところに弾丸が貫通したと考えれば問題は無いし、またフィルムを詳しく見るとケネディが頭を撃たれた瞬間血が前方に吹き出すのが写っており、前方からの狙撃など無かったという。

 陰謀論者によれば、オズワルドのような若者が大統領を殺して何の得になるのか、という事になるが、オズワルドは共産主義の思想に傾倒し19歳の時ソ連に亡命したものの、ソ連に失望して23歳でアメリカに戻ってきたという過去があった。つまりアメリカ・ソ連のどちらにも失望しており、もう国に一泡吹かすような大きな事が出来れば何でも良かった、と考えていた可能性がある。そんな男が偶然の助けで暗殺に成功してしまった、というのである。



●真実は面白くない

 人は何故陰謀論に走るのかといえば、その方が面白いからである。「何を考えてるのかよく解らない若者が大統領暗殺に成功してしまった」ではなんとなく納得しずらいが、「黒幕がいて謀略で大統領を暗殺した」と考えると筋が通るし、話としても面白い。だからついつい陰謀論に傾いてしまいがち。

 陰謀論は面白く筋道が通る。逆に真実という物はえてして証拠が相矛盾する。人は見間違えたりするので証拠の全てがかっちりかみ合う事はないからである。こういう事がある以上、陰謀論は無くならないだろう。

 ただ「政府は何かを隠しているに違いない」と疑って、政府のいう事を鵜呑みにしないというのは、民主主義として健全ともいえるだろう。


感想

 陰謀論で有名なケネディ暗殺事件をテーマにした回。「ダークサイドミステリー」シリーズのオカルトに対する姿勢同様に「陰謀も別の犯人も無かったんだよ! 陰謀論者は考えすぎ」という結論で〆ていました。暗殺事件云々というより、この事件を元に「人は何故すぐに陰謀論に走ってしまうのか」を分析していて、これはこれで面白かったです。


 ……、でもジャクリーン夫人が狙撃直後に車の後ろに飛び散った何かを必死で回収しているあのシーン、あれは何だったんだよ……、前から撃たれて後ろに吹き飛んだケネディの脳みそを回収しているんじゃなかったのか……?(陰謀論
 
 

他の回の内容・感想は以下のリンクからどうぞ

perry-r.hatenablog.com
 
 

出演者
栗山千明 (くりやま ちあき)
BIRTHDAY 1984年10月10日
BLOOD TYPE A型


ゲストトーク司会: 片山千恵子アナウンサー


テーマ曲: 志方あきこ
オープニング曲“Arcadiaアルカディア)”
エンディング曲“Leyre(レイレ)”
アルバム名/ “Turaida(トゥライダ)”


語り: 中田譲治(声優、俳優、ナレーター)
代表作 『ゴールデンカムイ』(土方歳三)、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(タンクジョウ)、『宝石の国』(金剛先生)、『巌窟王』(モンテ・クリスト伯爵)、『ケロロ軍曹』(ギロロ伍長)、『HELLSING』(アーカード)、『Fateシリーズ』(言峰綺礼

 
 
JFK
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